勇者パーティーを追放された魔法剣士は卑怯な手段でエッチに復讐する!

ヤラナイカー

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終章「英雄、ガンプ・プファイト」

第三十五話:魔獣の肉料理

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 魔界は広いから移動に時間が掛かるが、急ぐ旅ではない。

「どりゃあああ!」

 女勇者セイラが、パンチだけで悪鬼デーモンをなぎ倒す。

「お前、せめて剣を使えよ」
「だって面倒くさいじゃん。弱っちいモンスターしか出てこないし」

 魔王の封印により、魔界の魔物の弱体化が確認できる旅ともなった。
 セイラは、すっかり格闘家になったらしく、パーティーで一番弱いガンプを狙う敵を拳だけで粉砕する。

 拳でどこまでいけるか、みたいな遊びをしているらしい。

「このあたりの敵は、もう全て倒したぞ」

 女騎士ヴァルキュリアが、藪から出てきて言う。
 そろそろ暗くなってきたから、あたりの安全確保をしていたらしい。

「じゃあ、そろそろ今日は休むか」

 このあたりに、避難用のキャンプがあるとガンプが告げる。
 清潔な水場もあり、一晩の宿とするには良い場所だ。

「あいかわらず抜け目がない人ですね」

 聖女プリシラは、肩をすくめて呆れて言った。

「反抗的な態度を取るようなら、明日はエッチなコスチュームの戦闘に戻すぞ」
「別に悪口を言ったわけではないではないですか」

 もう口調が気に食わないのだと、ガンプは言う。

「じゃあ、なんか従順な態度を取ってみろよ」
「はぁ、一体何を言って……」

「はいプリシラ、アウト。今日は、このパンツを穿いてすごせ」

 エッチな白いパンティーを取り出してくるのに、プリシラはため息をつく。
 どうせ最初から穿かせると決めていたのだろう。

 言うことを聞くという約束なので、プリシラは仕方なく下着を変える。

「服も脱いだままなんですか」
「当たり前だろ」

 そこに、ヴァルキュリアがやってくる。

「なあ、ガンプ」
「おい、ガンプ様だろ」

「チッ、なんで私だけ様付けしなきゃならねえんだよ」
「お前もパンツ一枚で夜を過ごしたいか」

「はいはい、ガンプ様! せっかくいいもの見せてやろうと思ったのに」
「何だよ良いものって?」

 ガンプが興味を持つのに気を良くして、ヴァルキュリアはこれだ! と、巨大な牛の死体をドンと置いた。

「すでに血抜きはしてあるぜ」
「これ、ただの牛じゃないよな……」

暴走魔牛バッドバッファローだな」
「また魔獣の肉かよ、好きだなあ……」

 ヴァルキュリアは、魔獣の肉をなんとか調理して食おうとするのが好きなのだ。
 サバイバルの時はしょうがないが、ちゃんと携帯食料を用意してきている今回の旅ではもの好きとしか言いようがない。

「こいつは、内臓もつが美味いんだよなあ」
「俺らは食わんからな!」

 そういうガンプを無視して、ヴァルキュリアはバーベキューセットを取り出して、料理を始めた。
 グツグツと煮ている内臓料理はともかく、焼肉は普通に美味そうだ。

「こう見えて、ヴァルキュリアは料理上手なんだよな」

 サバイバルで身につけた技術である。
 ガサツなように見えて、肉の下処理とかもしっかりしているから魔獣であっても味は良いのだ。

「こう見えては余計だろ!」

 じゅーじゅーと、焼肉の焼く心地いい音が聞こえる。

「なんで私は食べられないんですか!」

 反抗的なプリシラは、ガンプによって肉を食うのを禁止された。

「そもそも神殿の聖職者は、肉食が禁止ではなかったのか」
「私だって神殿にいるときは食べてませんよ。でも、こうやって肉体労働が多い時は肉も食べるんです!」

 そうじゃないと体が持たないという。
 そりゃ、そのおっぱいを維持しようとしたら肉を食わないとできないよなとガンプは思う。

 それにしても、アスラ神殿はかなり教義がゆるいんだな。

「肉食聖女かよ」
「肉食禁止なんて教義に書いてないし、私はそれを不合理なことだと考えてます」

「ほう」
「私が神殿長になったら、そのあたりを全部廃止してもっと効率的に動く組織にします」

 今回の戦いで神殿上層部はみんな死に絶えた。
 唯一残った聖女であるプリシラは、それができる立場にいるのだが……。

「それで何をやるつもりだ」
「もちろん、いたましい怪我人や病人の治療です。もっと多くの人が救えるはずなのに、神殿はおざなりでした」

 神官にバリバリ肉を食わせて、回復ポーションを大量生産させて、貧しい人も助かるようにする。

「悪い話ではないな……」
「あとは、児童養護施設の拡充ですね」

 今回の戦いでは、戦災孤児もたくさんでた。
 そのことに責任を感じたプリシラは、孤児の保護をしようと張り切っている。

 ガンプ自身も孤児だったので、そういう夢を語るプリシラのことは悪く思えない。
 しょうがない、許してやるかと思ったその時。

「はい、師匠あーん」

 セイラも、どういうテンションなのか知らないがガンプの口に焼けた肉をどんどんツッコんでくる。
 まあ、悪い気分はしない。

 プリシラのおっぱいがプルプル震えるのを見ながら食う肉は美味い!

「プリシラも、これくらい従順になれば可愛がってやるけどな」
「もうわかりました! そのあーんっていうのやればいいんでしょう」

 プリシラは、本気でお腹が空いているようで、グーとお腹を鳴らしてしまった。
 それを見て、ふっと笑うガンプ。

「ほれ、お前は子供みたいに俺に食わせてもらうんだよ」

 ガンプは、プリシラの口元に肉をもっていってやる。

「うう、屈辱……モグモグ」
「そう言いながら、食べてるじゃないか」

「だって、お腹すいたからしょうがないじゃないですか!」

 肉を食いまくる聖職者のプリシラが作る新しい神殿がどうなるのか。
 ガンプはちょっと将来が、楽しみになってきた。

「あーんされるのが子供なら、師匠も子供では?」

 そんな二人を見て、セイラはそんな益体もないことを言っている。

「どうでもいいけど、私のつくった料理で遊ぶなよお前ら。食うならちゃんと食え」

 一人で山盛りの臓物シチューをもりもり食べているヴァルキュリアは、心底呆れているのだった。
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