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終章「英雄、ガンプ・プファイト」
第三十七話:温泉の逆襲
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マジでベッド・インしてしまった。
勢いでイケるかと思ったら、ほんとにイケてしまって、ちょっとガンプは当惑している。
「んん……」
二人よりも先にキャンプから出て、顔を洗っていたりする。
大胆なようで、小心者なのがガンプである。
「なんだ、先に起きてたのか」
ヴァルキュリアが早く起きてきた。
「早いな……」
「早いというか、ほとんど眠れなかったんだよな。誰かさんのせいでな」
痛い痛いと、股をさするせいでガンプはドキドキしてしまう。
「プリシラは」
「寝かしといてやれよ」
そうかと、うなずく。
「それよりお前らは……」
ガンプがそう言いかけたところで、女勇者セイラがやってくる。
「昨晩はお楽しみでしたね」
「お、おう」
「なんで僕だけ呼ばなかったの?」
「え、いや二人でも多いくらいじゃないか」
「おかしいよねえ。勇者パーティーは三人なのにねえ」
「いや、お前は抱かれたかったのかよ」
「そうじゃないけど! 一人だけ放置されるとか思わないじゃん!」
もしかして、呼びに来ると思って待っていたのだろうか。
そうなら、ちょっと悪いことをしてしまったか。
「それはそうと、ヴァルキュリア」
しかし、ヴァルキュリアたちに真意を聞きたいなと思って、ガンプは改めて聞こうとしたのだが……。
「朝飯作るわ。昨日の残りでいいよな」
「う、うむ……」
別に童貞ってわけじゃない。
ガンプだって三十五歳のおっさんだ。
これまでいくらか経験はあったが……。
考えてみれば、やったあと女に飯を作ってもらえるなんて経験はガンプにとっては初めてで、なんとも言えない気持ちだった。
「なんか、師匠へん」
「そうかあ……」
ほどなくして聖女のプリシラも起きてきたが、なんとなくお互い何も言えない雰囲気であった。
どうも、調子が狂う。
聖女や聖騎士の貞操というのは安くない。
それを、おしげもなく飢えた犬のようなガンプに与える。
ついさっきまで、反発ばかりしていた二人がどうして……。
「なあ、プリシラ」
「なんですか、ガンプさん」
そういって、プリシラはしなだれかかってくる。
でかい胸が当たると、なんとも言えない気持ちになる。
「お前たちのその態度、一体どうしたんだ」
料理に毒でも入っているのかと警戒したが、何もないし。
「ふふ、私達はガンプさんに感謝しているんですよ。助けてくださらなかったら、今頃みんないたましく死んでました」
「それはそうだろうが」
どうも、気になってしょうがないな。
「もうなんだよ、プリシラが手に入ったら僕は用無しなの?」
「いや、そんなことは言ってないだろ」
「じゃあ」
頭を擦り寄せてくるので、青い髪をなでてやるとゴロンとガンプの膝にもたれかかった。
セイラは小さくて背が低いから、ガンプの膝で寝ることもできるのだ。
「なんだこれ……」
急に来たモテ気に、ガンプは困惑しきりであった。
※※※
ダンジョンに、ガンプを称える石碑を置いていく作業は滞りなく終わった。
旅をするごとに、魔物の質と量が減っていき、今回の魔族災害は収束に近づいているのだと実感することができた。
魔界に近いことで危機的状況に陥っていたハイラント王国も、今回の痛手さえ回復できたら、きっと豊かな国になることだろう。
「急ぐ旅ではありませんし、温泉によっていきませんか」
魔界は、わりと酷い地形のところが多いのだが、火山が多いので温泉もあるのだ。
そこら中にマグマだまりがあって、勇者パーティーでもないと怖くて近寄れないのだが、いい感じにいい湯が湧いているところがある。
「プリシラ。覗くなとか、言わないのか?」
前はそうやってセクハラで告発されたよなあ。
「もちろん、一緒に入りましょう。ねえ、ヴァルキュリア」
プリシラの声に、黙って馬車を操っていたヴァルキュリアも答える。
「ああ、もちろんだ。旅の終わりに、みんなで入るのも悪くない」
ガンプがどうしたものかなと思う内に、馬車は温泉へと向かうのだった。
※※※
「肌を隠さないのか」
「今更何を言ってるんです」
お互いに服を脱いで裸になると、プリシラはガンプの手を引いて温泉に誘いまでした。
「う、うーむ」
「どうしたんです」
ヴァルキュリアが、後ろからガンプを抱き寄せてきて。
プリシラが前からくる。
あまりのそのおっぱいの大きさに埋もれて息が苦しい。
「呼吸が……」
「このまま息絶えたら、幸せじゃないですか。女好きのガンプさん」
「お前ら、そうか……」
前からはプリシラが、後ろからはヴァルキュリアががっつりと挟んでくる。
純粋な腕力でガンプは、プリシラにすら及ばない。
ヴァルキュリアは、ぐっとガンプを押さえつけながら言う。
「ガンプには世話になったが、ここまで私達にさせたら本望だろう」
プリシラは言う。
「ふふ、ここでガンプさんが亡くなれば、美しい英雄の伝説だけが残りますよ」
なるほどなあ、そんな怖いことを考えていたのか。
ガンプはそう思いながら、二人のおっぱいに圧し潰されて湯船にぶくぶくと浸かっていく……。
勢いでイケるかと思ったら、ほんとにイケてしまって、ちょっとガンプは当惑している。
「んん……」
二人よりも先にキャンプから出て、顔を洗っていたりする。
大胆なようで、小心者なのがガンプである。
「なんだ、先に起きてたのか」
ヴァルキュリアが早く起きてきた。
「早いな……」
「早いというか、ほとんど眠れなかったんだよな。誰かさんのせいでな」
痛い痛いと、股をさするせいでガンプはドキドキしてしまう。
「プリシラは」
「寝かしといてやれよ」
そうかと、うなずく。
「それよりお前らは……」
ガンプがそう言いかけたところで、女勇者セイラがやってくる。
「昨晩はお楽しみでしたね」
「お、おう」
「なんで僕だけ呼ばなかったの?」
「え、いや二人でも多いくらいじゃないか」
「おかしいよねえ。勇者パーティーは三人なのにねえ」
「いや、お前は抱かれたかったのかよ」
「そうじゃないけど! 一人だけ放置されるとか思わないじゃん!」
もしかして、呼びに来ると思って待っていたのだろうか。
そうなら、ちょっと悪いことをしてしまったか。
「それはそうと、ヴァルキュリア」
しかし、ヴァルキュリアたちに真意を聞きたいなと思って、ガンプは改めて聞こうとしたのだが……。
「朝飯作るわ。昨日の残りでいいよな」
「う、うむ……」
別に童貞ってわけじゃない。
ガンプだって三十五歳のおっさんだ。
これまでいくらか経験はあったが……。
考えてみれば、やったあと女に飯を作ってもらえるなんて経験はガンプにとっては初めてで、なんとも言えない気持ちだった。
「なんか、師匠へん」
「そうかあ……」
ほどなくして聖女のプリシラも起きてきたが、なんとなくお互い何も言えない雰囲気であった。
どうも、調子が狂う。
聖女や聖騎士の貞操というのは安くない。
それを、おしげもなく飢えた犬のようなガンプに与える。
ついさっきまで、反発ばかりしていた二人がどうして……。
「なあ、プリシラ」
「なんですか、ガンプさん」
そういって、プリシラはしなだれかかってくる。
でかい胸が当たると、なんとも言えない気持ちになる。
「お前たちのその態度、一体どうしたんだ」
料理に毒でも入っているのかと警戒したが、何もないし。
「ふふ、私達はガンプさんに感謝しているんですよ。助けてくださらなかったら、今頃みんないたましく死んでました」
「それはそうだろうが」
どうも、気になってしょうがないな。
「もうなんだよ、プリシラが手に入ったら僕は用無しなの?」
「いや、そんなことは言ってないだろ」
「じゃあ」
頭を擦り寄せてくるので、青い髪をなでてやるとゴロンとガンプの膝にもたれかかった。
セイラは小さくて背が低いから、ガンプの膝で寝ることもできるのだ。
「なんだこれ……」
急に来たモテ気に、ガンプは困惑しきりであった。
※※※
ダンジョンに、ガンプを称える石碑を置いていく作業は滞りなく終わった。
旅をするごとに、魔物の質と量が減っていき、今回の魔族災害は収束に近づいているのだと実感することができた。
魔界に近いことで危機的状況に陥っていたハイラント王国も、今回の痛手さえ回復できたら、きっと豊かな国になることだろう。
「急ぐ旅ではありませんし、温泉によっていきませんか」
魔界は、わりと酷い地形のところが多いのだが、火山が多いので温泉もあるのだ。
そこら中にマグマだまりがあって、勇者パーティーでもないと怖くて近寄れないのだが、いい感じにいい湯が湧いているところがある。
「プリシラ。覗くなとか、言わないのか?」
前はそうやってセクハラで告発されたよなあ。
「もちろん、一緒に入りましょう。ねえ、ヴァルキュリア」
プリシラの声に、黙って馬車を操っていたヴァルキュリアも答える。
「ああ、もちろんだ。旅の終わりに、みんなで入るのも悪くない」
ガンプがどうしたものかなと思う内に、馬車は温泉へと向かうのだった。
※※※
「肌を隠さないのか」
「今更何を言ってるんです」
お互いに服を脱いで裸になると、プリシラはガンプの手を引いて温泉に誘いまでした。
「う、うーむ」
「どうしたんです」
ヴァルキュリアが、後ろからガンプを抱き寄せてきて。
プリシラが前からくる。
あまりのそのおっぱいの大きさに埋もれて息が苦しい。
「呼吸が……」
「このまま息絶えたら、幸せじゃないですか。女好きのガンプさん」
「お前ら、そうか……」
前からはプリシラが、後ろからはヴァルキュリアががっつりと挟んでくる。
純粋な腕力でガンプは、プリシラにすら及ばない。
ヴァルキュリアは、ぐっとガンプを押さえつけながら言う。
「ガンプには世話になったが、ここまで私達にさせたら本望だろう」
プリシラは言う。
「ふふ、ここでガンプさんが亡くなれば、美しい英雄の伝説だけが残りますよ」
なるほどなあ、そんな怖いことを考えていたのか。
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