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終章「英雄、ガンプ・プファイト」
第三十九話:エリザベート姫の女王就任
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エリザベート姫は、親しい側近にだけと吉事を発表した。
「英雄ガンプ様のお子ができました」
筆頭王宮魔術師であるマッド・ニードや、軍務大臣と騎士団長を兼任しているアインは、「おめでとうございます!」と頭を下げる。
ふいに、アインが尋ねる。
「そういえば、そのガンプ殿はどこへ行かれたのですか」
「ガンプ様は、先程。この国を旅立たれました」
「なんですと!」
姫様との間に子ができたのだ。
当然ガンプが次の王に即位するのだと思っていたアインは、仰天する。
「ただちに、ガンプ殿を連れ戻さなくては」
「アイン。落ち着きなさい」
エリザベート姫にそう言われても落ち着かないアイン。
一方、マッド爺さんの方はというと。
「ガンプらしいの」
やりたい放題して、何の収拾もつけぬまま放ったらかしで出ていきおったわい。
そう言って、笑っている。
「マッド師、何を呑気なことを言っておるのですか。国境は許可がなければ超えられないはず、今追えば間に合います」
「許可なら、私が出しましたよ」
エリザベート姫がそう言う。
それだけでなく、直々に諸国漫遊できるだけの路銀と、他国への紹介状まで与えたという。
ここまでされると、アインももうお手上げである。
「姫様。どういうお考えでガンプ殿を行かせたのか、聞かせていただいてもよろしいですか」
「ガンプ様に、この国は私が治めたほうが良いと言われました。ですから、女王として私が治めます」
マッド爺さんは、恭しくひざまずいて言う。
「もちろん、それに反対する者はおりません」
アインは、答えをはぐらかされたような気がして、何かを言おうとする。
「も、もちろん。私もそれに反対ではありません、しかし……」
「ガンプ様の意思に反して、この国の国王にしようとしていたら、どうなっていたでしょう」
そのエリザベート姫の問いに、マッド爺さんは答える。
「意固地になって逃げておったでしょうな。そうなれば、もうあの男は二度とこの国には戻って来ますまい」
もちろん、勇者パーティーですら押し留められなかったガンプだ。
王国が総力を上げても、ガンプをこの国に留めることは不可能である。
「もちろん、この国にガンプ様の力がまた必要となる時が来ましょう」
アインは勢い込んで言う。
「そうでありましょう。ですから!」
「その時は、必ずやガンプ様はまた戻ってきます」
自信を持ってエリザベート姫がそう言うので、アインは言う。
「どうして、そう言い切れるのですか」
「ここに、ガンプ様のお子がいるからですよ」
エリザベート姫は、自らのお腹をさすって笑う。
マッド爺さんが笑い声を上げていった。
「ガンプのやつは、慎重にして細心。卑怯にして小心。だからこそ、懐妊した姫を放ったらかして他国に逃げるようなこともしますが、危機の時は放っておけずに戻ってくるでしょう」
エリザベート姫は、その通りだとうなずく。
「いわば、わたくしたちはガンプ様の人質を預かったようなものです。これが、ガンプ様から学んだ、わたくしなりの卑怯な手段と言ったところですか」
そう言って、姫様は笑う。
それはいいと、マッド爺さんも笑うのだった。
あまりのことにアインはついていけず、なんと言ったらいいのか言葉を失った。
ともかく、こうして国民にエリザベート姫の女王就任と、エリザベートが英雄ガンプの子を身ごもっていることが伝えられて、ハイラント王国は新しい時代を迎えるのであった。
父親であるガンプが他国に行方不明になっていることなど、国民に知られてないからいいようなものの。
これからどうなるものか、軍務大臣の重責にあるアインは胃が痛くなった。
「なんということだ……姫様にもガンプ殿にもお考えはあるのか、しかし……」
ちなみにこの後、アインは呆然と家に帰ったのだが、その後に更に驚く事態が待っていようとは。
この時、予想もしていなかったのだった。
「英雄ガンプ様のお子ができました」
筆頭王宮魔術師であるマッド・ニードや、軍務大臣と騎士団長を兼任しているアインは、「おめでとうございます!」と頭を下げる。
ふいに、アインが尋ねる。
「そういえば、そのガンプ殿はどこへ行かれたのですか」
「ガンプ様は、先程。この国を旅立たれました」
「なんですと!」
姫様との間に子ができたのだ。
当然ガンプが次の王に即位するのだと思っていたアインは、仰天する。
「ただちに、ガンプ殿を連れ戻さなくては」
「アイン。落ち着きなさい」
エリザベート姫にそう言われても落ち着かないアイン。
一方、マッド爺さんの方はというと。
「ガンプらしいの」
やりたい放題して、何の収拾もつけぬまま放ったらかしで出ていきおったわい。
そう言って、笑っている。
「マッド師、何を呑気なことを言っておるのですか。国境は許可がなければ超えられないはず、今追えば間に合います」
「許可なら、私が出しましたよ」
エリザベート姫がそう言う。
それだけでなく、直々に諸国漫遊できるだけの路銀と、他国への紹介状まで与えたという。
ここまでされると、アインももうお手上げである。
「姫様。どういうお考えでガンプ殿を行かせたのか、聞かせていただいてもよろしいですか」
「ガンプ様に、この国は私が治めたほうが良いと言われました。ですから、女王として私が治めます」
マッド爺さんは、恭しくひざまずいて言う。
「もちろん、それに反対する者はおりません」
アインは、答えをはぐらかされたような気がして、何かを言おうとする。
「も、もちろん。私もそれに反対ではありません、しかし……」
「ガンプ様の意思に反して、この国の国王にしようとしていたら、どうなっていたでしょう」
そのエリザベート姫の問いに、マッド爺さんは答える。
「意固地になって逃げておったでしょうな。そうなれば、もうあの男は二度とこの国には戻って来ますまい」
もちろん、勇者パーティーですら押し留められなかったガンプだ。
王国が総力を上げても、ガンプをこの国に留めることは不可能である。
「もちろん、この国にガンプ様の力がまた必要となる時が来ましょう」
アインは勢い込んで言う。
「そうでありましょう。ですから!」
「その時は、必ずやガンプ様はまた戻ってきます」
自信を持ってエリザベート姫がそう言うので、アインは言う。
「どうして、そう言い切れるのですか」
「ここに、ガンプ様のお子がいるからですよ」
エリザベート姫は、自らのお腹をさすって笑う。
マッド爺さんが笑い声を上げていった。
「ガンプのやつは、慎重にして細心。卑怯にして小心。だからこそ、懐妊した姫を放ったらかして他国に逃げるようなこともしますが、危機の時は放っておけずに戻ってくるでしょう」
エリザベート姫は、その通りだとうなずく。
「いわば、わたくしたちはガンプ様の人質を預かったようなものです。これが、ガンプ様から学んだ、わたくしなりの卑怯な手段と言ったところですか」
そう言って、姫様は笑う。
それはいいと、マッド爺さんも笑うのだった。
あまりのことにアインはついていけず、なんと言ったらいいのか言葉を失った。
ともかく、こうして国民にエリザベート姫の女王就任と、エリザベートが英雄ガンプの子を身ごもっていることが伝えられて、ハイラント王国は新しい時代を迎えるのであった。
父親であるガンプが他国に行方不明になっていることなど、国民に知られてないからいいようなものの。
これからどうなるものか、軍務大臣の重責にあるアインは胃が痛くなった。
「なんということだ……姫様にもガンプ殿にもお考えはあるのか、しかし……」
ちなみにこの後、アインは呆然と家に帰ったのだが、その後に更に驚く事態が待っていようとは。
この時、予想もしていなかったのだった。
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