お母さん、私のなまえ覚えてる?

LIN

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それぞれの思い

一度目のトモキ

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友達と楽しそうに話しているのに、彼女はいつも何かに怯えているような感じがして、気になった。

いつも目で追っていた。気が付いたら彼女の笑顔が好きになっていたんだ。

ダメ元で告白して、友達になれた事が嬉しかった。今までは見ていただけだったのに、話せるようになれて嬉しかったんだ。だから、時間を見つけては話しに行くようになった。


ある日の放課後、俺は友達にからかわれていた。

「トモキって最近いつも杉下さんといるよな?好きなの?」

「え!付き合ってんの?もうチューしたわけ?」

俺は恥ずかしくて、強がってしまったんだ。

「べ、別に好きじゃないよ!付き纏われて迷惑してんだよね」

友達は笑った。

「いやいや、嘘だってバレてるから。好きなんでしょ?」

「ごめんごめん。からかいすぎたわ。ま、頑張れよ?」

「ありがとう…」

俺の顔は真っ赤だったと思う。

それからみんなで馬鹿みたいな話で盛り上がって、家に帰った。まさか彼女に聞かれているとは思わなかったんだ。


次の日、彼女は図書室にいると瀬川さんに教えて貰って、会いに行った。そうしたら彼女に言われてしまったんだ。

「もう友達は止めよう?私に付き纏われて迷惑だったんだよね?」

(聞かれていたのか…)

俺は恥ずかしくなった。

「あ、あれは…」

「気が付かなくてごめんね。もう話し掛けないから」

彼女はそう言って、席を立って図書室を出ようとした。


俺は焦ってなんとか彼女を引き留めようと思ったんだ。それなのに、声に出たのは酷い言葉だった。

「お前みたいなブスこっちから願い下げだし」

「そんなブスに付き合ってって言ったのは小山君なのにね…」

「なっ!」

俺は焦りすぎて自分でも何をしているのかよくわからなかった。目を瞑った彼女を見て、自分が腕を上げていることに気がついて、慌てて手を下げた。

「ごめん…」

謝っても彼女は何も言ってくれなかった。

それから彼女と目が合うことはなくなってしまったんだ。

(やり直せるならあの時に戻りたい…)

二度とこっちの方を見ない彼女を見つめて、俺は後悔していた。
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