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――あーやっべぇ、変なスイッチ入れちまった。
タイガは女性が苦手だ。というか、慣れていない。
ユキオが老若男女問わずモテる為起こるイザコザに巻き込まれ過ぎて自身の恋愛感が少々歪んでいる。
まれに自分が好きだと言ってくれる変わった子もいるのだが、それをイマイチ信用出来ない。
またユキオに近づく口実かなと無意識に思ってしまうのだ。それにより結局疑心暗鬼になって恋愛どころじゃなくなるのが常だった。
そんなタイガでもまぁ普通に異性を目で追う事もある。
それがまた大和撫子タイプというか、儚い系美人というか。ようは黙っていればユキオの容姿がばっちりそれに当てはまるのだ。というか、ユキオの顔が純粋に好みなのである。
色白で、滑らかな肌。色白故に少しの感情の変化で頬がすぐ染まる所や普段は美人顔なのに笑うと可愛い所など。
タイガにとって黒歴史なのであまり広めたくない事実だが、タイガの初恋は当時女の子だと思い込んでいたユキオだった。
それをよく分かっているユキオはすぐタイガをおちょくってくる。
おふざけの為なら割と体を張るのも厭わないヤツだ。現に揶揄う為だけに女装まですることもあった。それがばっちり似合うのだから本当に困る。
タイガはすぐ下に見えるユキオの顔を見やった。
目が合うとニンマリとさっきとは違う艶やかな笑みを浮かべる。普段なんとも思わないのに意識したからか、その笑顔がやたら目につく。
ユキオはぴとりと体を寄せたままするりとタイガの腿の付け根を撫でた。
「……おい」
制止の声を掛けるが知らん顔でユキオはタイガの鎖骨を食む。
「……おい!」
流石に止めようと手を動かし掛けるとユキオは思いついたようにこちらを見た。
「あぁ、でも違うか。お前が好きなのはこっちだな」
そう言ってスッと表情を一度リセットする。
目を閉じて、次に開けたときには全く違う表情に変わっていた。
少し控えめの儚そうな笑顔が浮かんでいる。目を細めて恥ずかしそうにしながらも服の裾を握った。
そのあとそっと身体は密着させつつ、するりと小指だけを握る。
「……う、ぐ……っ」
自分でも分かるくらい首筋までじわじわと熱くなった。
絶対今真っ赤になっているだろうなと頭の片隅で冷静な自分が分析する。
「あたりだな。ホントお前こーいうの好きな」
「うるせー!」
斜めに覗き込んだユキオはニヤリとした笑みを浮かべた。
服越しに腹筋へぴとりと頬を付けると上を見上げているのでしっかりと目があった。
「マジでやめろって言ってんじゃん……!」
「でも勃ってんじゃん」
は?と思って下を見下ろしてみれば確かに反応してた。それも、言いにくいが割とがっつりである。
マジか……と自分のことながら自分に驚愕する。確かにユキオの顔は好きだ。好きだが幼馴染みだ。なんで今更こんな反応するんだと愚息に頭を抱える。
それを見てユキオはぶっ、と吹き出すと性格悪く笑った。
「なぁに?俺の顔みておっ立ててんの?」
ニヤリと笑われて頭の片隅でプツンと何かが切れた。
ひょいとユキオの身体を持ち上げベッドへと放り出す。
「いって……!」
さすがに放られるとは思わなかったのか、睨まれるが怖くない。
「お前さぁ……人のことおちょくんのもいい加減にしろよ」
脚を挟み込むようにして跨ぐと顔の横に手をついた。
青筋を立てて怒るタイガをユキオは小馬鹿にした顔で笑う。
「んなことばっかしてっとそのうち痛い目みるからな」
「へぇ、」
鎖骨あたりから手を滑らせ、筋肉の間を辿るようにして首に腕を回される。
「どんな痛い目みるって?」
言いながら膝をグイッと密着させてタイガの股間を刺激される。急なことに思わず息を詰めた。
それに気分を良くしたのか、ユキオはご機嫌な様子でこちらを見ている。完全に遊ぶ気だ。
そっちがその気ならやってやろうじゃないかとタイガは口元をヒクつかせた。
片手でユキオの腕をまとめあげると、もう片方の手で腰を引っ掴み腸骨を撫で上げる。
撫でた瞬間ユキオは目を見開いた。さっきやられたように鎖骨を食はむとビクリと体が跳ねる。
「ちょ、」
まさか反撃されるとは思わなかったらしく、戸惑った顔で止めようと手を動かすが既に腕はタイガがまとめ上げている。
動けないことに気づいたユキオは悔しそうにこちらを睨みつけた。
それに気分を良くしたタイガは首筋を食みながら太腿に手を滑らせる。さっきのお返しである。
殴られるだろうなと思いつつ、しかしやってやったという達成感を得ながらどうだとユキオを見れば真っ赤になって固まっていた。
先程までの気の強い様子はそのままだが、目尻には涙を溜めている。
「……離せバカ」
「あー……」
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
そろそろここら辺で止めて終わりにしよう。暫く不機嫌だろうが、きっと許してくれる。
そうしたら二人でゲームでもすれば良い。
頭ではそう思ったのだが、身体はつい動いてしまった。
そのまま食むのを続行する。
「……おいっ!」
焦ったユキオの声が聞こえるが止まれない。
首筋に鼻を埋めると慣れ親しんだ香りが鼻腔いっぱいに広がった。ユキオの愛用しているシャンプーの香りだ。
タイガは女性が苦手だ。というか、慣れていない。
ユキオが老若男女問わずモテる為起こるイザコザに巻き込まれ過ぎて自身の恋愛感が少々歪んでいる。
まれに自分が好きだと言ってくれる変わった子もいるのだが、それをイマイチ信用出来ない。
またユキオに近づく口実かなと無意識に思ってしまうのだ。それにより結局疑心暗鬼になって恋愛どころじゃなくなるのが常だった。
そんなタイガでもまぁ普通に異性を目で追う事もある。
それがまた大和撫子タイプというか、儚い系美人というか。ようは黙っていればユキオの容姿がばっちりそれに当てはまるのだ。というか、ユキオの顔が純粋に好みなのである。
色白で、滑らかな肌。色白故に少しの感情の変化で頬がすぐ染まる所や普段は美人顔なのに笑うと可愛い所など。
タイガにとって黒歴史なのであまり広めたくない事実だが、タイガの初恋は当時女の子だと思い込んでいたユキオだった。
それをよく分かっているユキオはすぐタイガをおちょくってくる。
おふざけの為なら割と体を張るのも厭わないヤツだ。現に揶揄う為だけに女装まですることもあった。それがばっちり似合うのだから本当に困る。
タイガはすぐ下に見えるユキオの顔を見やった。
目が合うとニンマリとさっきとは違う艶やかな笑みを浮かべる。普段なんとも思わないのに意識したからか、その笑顔がやたら目につく。
ユキオはぴとりと体を寄せたままするりとタイガの腿の付け根を撫でた。
「……おい」
制止の声を掛けるが知らん顔でユキオはタイガの鎖骨を食む。
「……おい!」
流石に止めようと手を動かし掛けるとユキオは思いついたようにこちらを見た。
「あぁ、でも違うか。お前が好きなのはこっちだな」
そう言ってスッと表情を一度リセットする。
目を閉じて、次に開けたときには全く違う表情に変わっていた。
少し控えめの儚そうな笑顔が浮かんでいる。目を細めて恥ずかしそうにしながらも服の裾を握った。
そのあとそっと身体は密着させつつ、するりと小指だけを握る。
「……う、ぐ……っ」
自分でも分かるくらい首筋までじわじわと熱くなった。
絶対今真っ赤になっているだろうなと頭の片隅で冷静な自分が分析する。
「あたりだな。ホントお前こーいうの好きな」
「うるせー!」
斜めに覗き込んだユキオはニヤリとした笑みを浮かべた。
服越しに腹筋へぴとりと頬を付けると上を見上げているのでしっかりと目があった。
「マジでやめろって言ってんじゃん……!」
「でも勃ってんじゃん」
は?と思って下を見下ろしてみれば確かに反応してた。それも、言いにくいが割とがっつりである。
マジか……と自分のことながら自分に驚愕する。確かにユキオの顔は好きだ。好きだが幼馴染みだ。なんで今更こんな反応するんだと愚息に頭を抱える。
それを見てユキオはぶっ、と吹き出すと性格悪く笑った。
「なぁに?俺の顔みておっ立ててんの?」
ニヤリと笑われて頭の片隅でプツンと何かが切れた。
ひょいとユキオの身体を持ち上げベッドへと放り出す。
「いって……!」
さすがに放られるとは思わなかったのか、睨まれるが怖くない。
「お前さぁ……人のことおちょくんのもいい加減にしろよ」
脚を挟み込むようにして跨ぐと顔の横に手をついた。
青筋を立てて怒るタイガをユキオは小馬鹿にした顔で笑う。
「んなことばっかしてっとそのうち痛い目みるからな」
「へぇ、」
鎖骨あたりから手を滑らせ、筋肉の間を辿るようにして首に腕を回される。
「どんな痛い目みるって?」
言いながら膝をグイッと密着させてタイガの股間を刺激される。急なことに思わず息を詰めた。
それに気分を良くしたのか、ユキオはご機嫌な様子でこちらを見ている。完全に遊ぶ気だ。
そっちがその気ならやってやろうじゃないかとタイガは口元をヒクつかせた。
片手でユキオの腕をまとめあげると、もう片方の手で腰を引っ掴み腸骨を撫で上げる。
撫でた瞬間ユキオは目を見開いた。さっきやられたように鎖骨を食はむとビクリと体が跳ねる。
「ちょ、」
まさか反撃されるとは思わなかったらしく、戸惑った顔で止めようと手を動かすが既に腕はタイガがまとめ上げている。
動けないことに気づいたユキオは悔しそうにこちらを睨みつけた。
それに気分を良くしたタイガは首筋を食みながら太腿に手を滑らせる。さっきのお返しである。
殴られるだろうなと思いつつ、しかしやってやったという達成感を得ながらどうだとユキオを見れば真っ赤になって固まっていた。
先程までの気の強い様子はそのままだが、目尻には涙を溜めている。
「……離せバカ」
「あー……」
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
そろそろここら辺で止めて終わりにしよう。暫く不機嫌だろうが、きっと許してくれる。
そうしたら二人でゲームでもすれば良い。
頭ではそう思ったのだが、身体はつい動いてしまった。
そのまま食むのを続行する。
「……おいっ!」
焦ったユキオの声が聞こえるが止まれない。
首筋に鼻を埋めると慣れ親しんだ香りが鼻腔いっぱいに広がった。ユキオの愛用しているシャンプーの香りだ。
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