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第11章 貴族のドラゴン
第65話 初登城
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今日は初登城の日だ。
そう言っても俺は城へは入れない。
ピッパに感覚共有を掛けてミニアと一緒に城へ入って貰った。
俺は前庭に待機だ。
ミニアが案内されて、すり鉢状の会議室に入る。
まだ半分ぐらいしか席に着いてないな。
程なくして進行役の人が声を上げた。
議長かな。
「静粛に。王の入場となります」
ラッパが吹かれ王様が入ってくる。
すり鉢の底にあたる席に王様が着いて会議が始まる。
地方にいる貴族も多いのだろう。
それなら半分の空席も納得できる。
「本日の議題はトナークとの交渉です。交渉は現在まとまっておりません。前進の糸口がようやく掴めたところです」
「それは何だ」
王様が口を開く。
「ドラゴンとドラゴンテイマーの追放です。その条件を飲めば賠償に応じると言っております」
「何だそんな事か。交渉というのはある程度の譲歩を双方が見せるべきだ。ドラゴンテイマーだけ追放して、ドラゴンを残すというのはどうでしょう。みなさん」
貴族の男性が発言して賛同を求めた。
拍手は疎らだ。
良かった。
ミニアと引き離されて、たまるものか。
「逆はどうだ。ドラゴンを追放して、テイマーを残すというのは」
別の貴族が発言した。
さっきより拍手は疎らだ。
「軍を預かる者として、軍事力が減るのは容認できない。隙を見せればトナークは攻め込んでこよう」
軍服を着た貴族が発言した。
かなりの数の者が拍手したようだ。
過半数に届いているだろう。
「成果を上げた者を冷遇は出来ない。違いますか。みなさん」
別の貴族が発言する。
拍手の音は大きいが半数には届かない。
どうすりゃいいのよ、これ。
「みなさん。いったん休憩とします」
議長が言った。
貴族は幾つかの塊に分かれた。
派閥があるのだろう。
ミニアに声を掛けてくる者はいない。
この時間は密室政治のような物だろう。
見ていると何人かは連れ立って部屋を出て行き、しばらくすると戻ってくる。
休憩時間は終わり王様が先ほどと同様に入って来て会議が再び始まった。
「ドラゴンとドラゴンテイマーの追放に賛成の方、拍手を」
議長がそう言うと疎らに拍手が起こった。
「なんらかの譲歩に賛成の方」
またも、疎らに拍手が起こる。
「議長、新たな提案があります。ドラゴンテイマーは最初、魔道具を作っていました。それを作らせるのです」
過半数に達する拍手が起きた。
なるほど、ベヒーモスなどの強敵が来ない限り、魔道具で戦力は強化できる。
時間が経てば経つほどこちらが有利になる。
「では、魔道具を作らせるという事で」
王様がゆっくりと頷く。
「最後に審議継続に賛成の方」
割れんばかりの拍手が起こった。
結局のところ魔道具を作る以外は決まらずか。
城から出てきたミニアにお疲れと文字を出した。
「疲れてない」
ミニアは相変わらず元気だな。
「魔道具。ひと月で。一万個」
何だってー。
ミニアの作れる量を大きく超えている。
とんだ無茶振りだ。
密室政治で何があったか分からないが何かきな臭いものを感じる。
できなければそれを理由に追放なんてな。
時間を掛ければ掛けただけ有利になるのにか。
再び戦争の気配があるのなら、ドラゴンは貴重な戦力だ。
分からないな。
ザンダリルに相談しかないか。
待てよ、タルコットも頼りになるか。
タルコットは現在、国境の町から俺が運んで王都に居る。
とりあえず聞いてみよう。
街道脇の草原にザンダリルを呼び出した。
「何かな」
「貴族おかしい。陰謀の臭い」
「奴らが謀をしているだって。それは何時もの事だよ」
「情報がほしい」
「そうだな。戦争の気配はないようだよ。停戦は守られているとギルドの情報ではそうなっている。トナークが攻め込んでこないのに何か理由があるのかも」
「使えない」
「そう言うなよ。近々、ヤオマクに帰るんだ。何か分かったら伝言魔法で知らせるよ」
「そうして」
ザンダリルは空振りか。
タルコットに期待か。
「呼び出しとは新商品ですかな」
「違う。トナークの情報が。ほしい」
「はてトナークですか。停戦は続くようです。食料の買い付けなどもしていないと仲間の商人から聞いています」
「他には」
「トナークには若干の混乱があるようです。兵士が国内で戦闘を行ったとか。粛清された貴族も居ない事から内乱ではないと情報通は言っていました。平民が反乱したにしても不思議だと。首謀者の遺体をさらしているとかもないそうです。誰かを探している風もないと。不思議だと商人の間で持ちきりです」
「ありがと」
ふーん、反乱ねぇ。
なんだろね。
発表出来ない反乱か。
リトワースの残党が反乱を起こしたのなら、首謀者の遺体ぐらいさらすだろう。
人を探さないのも不自然だ。
それにリトワースの残党が反乱したなら発表できる。
謎が深まったな。
この国の中央は当然、事態を把握しているはずだ。
魔法でなんとか解決したい。
どうするべきかな。
ミニアやピッパに認識阻害を掛けて送り込むのは危険だな。
だけど頼める人も居ない。
千里眼魔法を開発するか。
無理だな取っ掛かりもつかめない。
盗聴器はどうだ。
そちらも魔道具で作るのは無理そうだ。
だけど、ひと月は猶予があるから、ゆっくり考えよう。
そう言っても俺は城へは入れない。
ピッパに感覚共有を掛けてミニアと一緒に城へ入って貰った。
俺は前庭に待機だ。
ミニアが案内されて、すり鉢状の会議室に入る。
まだ半分ぐらいしか席に着いてないな。
程なくして進行役の人が声を上げた。
議長かな。
「静粛に。王の入場となります」
ラッパが吹かれ王様が入ってくる。
すり鉢の底にあたる席に王様が着いて会議が始まる。
地方にいる貴族も多いのだろう。
それなら半分の空席も納得できる。
「本日の議題はトナークとの交渉です。交渉は現在まとまっておりません。前進の糸口がようやく掴めたところです」
「それは何だ」
王様が口を開く。
「ドラゴンとドラゴンテイマーの追放です。その条件を飲めば賠償に応じると言っております」
「何だそんな事か。交渉というのはある程度の譲歩を双方が見せるべきだ。ドラゴンテイマーだけ追放して、ドラゴンを残すというのはどうでしょう。みなさん」
貴族の男性が発言して賛同を求めた。
拍手は疎らだ。
良かった。
ミニアと引き離されて、たまるものか。
「逆はどうだ。ドラゴンを追放して、テイマーを残すというのは」
別の貴族が発言した。
さっきより拍手は疎らだ。
「軍を預かる者として、軍事力が減るのは容認できない。隙を見せればトナークは攻め込んでこよう」
軍服を着た貴族が発言した。
かなりの数の者が拍手したようだ。
過半数に届いているだろう。
「成果を上げた者を冷遇は出来ない。違いますか。みなさん」
別の貴族が発言する。
拍手の音は大きいが半数には届かない。
どうすりゃいいのよ、これ。
「みなさん。いったん休憩とします」
議長が言った。
貴族は幾つかの塊に分かれた。
派閥があるのだろう。
ミニアに声を掛けてくる者はいない。
この時間は密室政治のような物だろう。
見ていると何人かは連れ立って部屋を出て行き、しばらくすると戻ってくる。
休憩時間は終わり王様が先ほどと同様に入って来て会議が再び始まった。
「ドラゴンとドラゴンテイマーの追放に賛成の方、拍手を」
議長がそう言うと疎らに拍手が起こった。
「なんらかの譲歩に賛成の方」
またも、疎らに拍手が起こる。
「議長、新たな提案があります。ドラゴンテイマーは最初、魔道具を作っていました。それを作らせるのです」
過半数に達する拍手が起きた。
なるほど、ベヒーモスなどの強敵が来ない限り、魔道具で戦力は強化できる。
時間が経てば経つほどこちらが有利になる。
「では、魔道具を作らせるという事で」
王様がゆっくりと頷く。
「最後に審議継続に賛成の方」
割れんばかりの拍手が起こった。
結局のところ魔道具を作る以外は決まらずか。
城から出てきたミニアにお疲れと文字を出した。
「疲れてない」
ミニアは相変わらず元気だな。
「魔道具。ひと月で。一万個」
何だってー。
ミニアの作れる量を大きく超えている。
とんだ無茶振りだ。
密室政治で何があったか分からないが何かきな臭いものを感じる。
できなければそれを理由に追放なんてな。
時間を掛ければ掛けただけ有利になるのにか。
再び戦争の気配があるのなら、ドラゴンは貴重な戦力だ。
分からないな。
ザンダリルに相談しかないか。
待てよ、タルコットも頼りになるか。
タルコットは現在、国境の町から俺が運んで王都に居る。
とりあえず聞いてみよう。
街道脇の草原にザンダリルを呼び出した。
「何かな」
「貴族おかしい。陰謀の臭い」
「奴らが謀をしているだって。それは何時もの事だよ」
「情報がほしい」
「そうだな。戦争の気配はないようだよ。停戦は守られているとギルドの情報ではそうなっている。トナークが攻め込んでこないのに何か理由があるのかも」
「使えない」
「そう言うなよ。近々、ヤオマクに帰るんだ。何か分かったら伝言魔法で知らせるよ」
「そうして」
ザンダリルは空振りか。
タルコットに期待か。
「呼び出しとは新商品ですかな」
「違う。トナークの情報が。ほしい」
「はてトナークですか。停戦は続くようです。食料の買い付けなどもしていないと仲間の商人から聞いています」
「他には」
「トナークには若干の混乱があるようです。兵士が国内で戦闘を行ったとか。粛清された貴族も居ない事から内乱ではないと情報通は言っていました。平民が反乱したにしても不思議だと。首謀者の遺体をさらしているとかもないそうです。誰かを探している風もないと。不思議だと商人の間で持ちきりです」
「ありがと」
ふーん、反乱ねぇ。
なんだろね。
発表出来ない反乱か。
リトワースの残党が反乱を起こしたのなら、首謀者の遺体ぐらいさらすだろう。
人を探さないのも不自然だ。
それにリトワースの残党が反乱したなら発表できる。
謎が深まったな。
この国の中央は当然、事態を把握しているはずだ。
魔法でなんとか解決したい。
どうするべきかな。
ミニアやピッパに認識阻害を掛けて送り込むのは危険だな。
だけど頼める人も居ない。
千里眼魔法を開発するか。
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だけど、ひと月は猶予があるから、ゆっくり考えよう。
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