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第23章 講師のドラゴン
第133話 ストーカー
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つけられている。
気のせいじゃないはずだ。
昨日ぞくっときたのはこれが原因か。
学園でわざと行き止まりの廊下を進み振り返った。
ありゃ、いない。
そんな馬鹿な。
今も見られている気がする。
これはもしかして姿隠しの魔法か。
俺は姿隠しやぶりを発動した。
魔法のイメージは。
void main(void)
{
system("dir /AH > テニツチスシ"); /*認識阻害の魔法名鑑定*/
}
俺の所には何にも情報が届かない。
これは俺に対する挑戦だな。
よかろう、受けてやる。
『dir』のオプションの『/AH』以外の物を探し出せというのだな。
ゴーレムは魔道具なので決まりきった魔法しか実行できない。
俺はゴーレムをドラゴンの所に連れて来た。
やるぞ。
『/AH』の魔法語は『メチク』だ。
こういうのは後ろに追加していくタイプだから、次に試すのは『メチクア』だ。
反応なしか。
次に行くぞ、『メチクイ』。
そして『メチクト』の時に反応があった。
魔法名は『ヒニミチ』だ。
「魔法名『ヒニミチ』の奴、隠れて居ないで出て来い」
「ちっ、もうばれましたか。さすが魔法の達人ですね」
声は若い女だ。
やはり生徒の一人だな。
「いいから早く姿を現せ」
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
トントカイモゆふチカカスニコ・ホク・ホト・ヒニミチルコラシンふよレ・む」
めがねを掛けた女の子が姿を現した。
呪文が気になったので解析する。
void main(void)
{
system("attrib -H -S ヒニミチ.body"); /*体の属性をスーパー隠し属性に*/
}
おお、スーパー隠し属性って奴ではないか。
リトワースの暗部よ、バージョンアップした魔法がここにあるぞ。
おっと目的を忘れるところだった。
問いたださなければ。
「なんの目的があって俺のあとをつける」
「私、ヴィナです。ホムン先生好きです。付き合って下さい」
「そういうのいいから」
「えー、枯れてますね。研究材料もとい弟子にして下さい」
弟子入り志願ね。
見た所、頭も良さそうだ。
どうするかな。
「理由を聞かせろ」
「未知の呪文ってワクワクしませんか。胸がきゅんときます」
「確かに魔法は面白いが、きゅんとはこないな」
「先生の事を考えてもきゅんときますよ」
「それは研究材料としてだろ」
「まあ、そうですけど。それの何がいけませんか」
「悪くは無いが。何か俺を見る目がまるで獲物を狙う蛇に見える」
「ひどい、年頃の女の子に向って蛇だなんて」
「傷つくたまでもないだろう」
「賠償を要求します。一日付き合って下さい」
「いいだろ。弟子にするか一日、一緒にいて考える」
「決まりですね。せっかく来たのですから。短縮詠唱の秘密を教えてください。短縮詠唱が使えるようになる秘術が知りたいです」
「駄目だ。図に乗るなよ」
「ちぇ、ケチ」
「そうだな。魔力増強の魔道具を与えてやろう」
俺から魔道具を受け取ると不満そう。
「ねぇねぇ呪文は」
「甘ったれた声を出しやがって、特別だぞ。好意じゃないからな。勘違いするなよ。
ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
カイリ・けカセニネけカセラレ・
カセニほカラセイミゆふヒニミチルトラナリふよレ・
カセラほカラセイミゆふカイモセふよレ・
モチミチろナセフワゆカセニネカセラよレ・
カソリラトイゆカセニよレ・
カソリラトイゆカセラよレ・
トントカイモゆふソラセン・メホン・カイモセ・ヒニミチルトラナリふよレ・
カニモイろテチニカゆアオワワけヌワワよレ・む。
覚えられないだろう。後で紙に書いて渡そうか」
「いいえ、大丈夫です。全て覚えました」
こいつ、もの凄く頭が良いんじゃないだろか。
彼女に渡した呪文のイメージはこうだ。
void main(void)
{
TEL *tpi,*tpo; /*魂の定義*/
tpi=topen("ヒニミチ.soul"); /*ヴィナの魂を開く*/
tpo=topen("temp"); /*仮魂を開く*/
mana_up20(tpi,tpo); /*魔力増強*/
tclose(tpi); /*閉じる*/
tclose(tpo); /*閉じる*/
system("copy /-Y temp ヒニミチ.soul"); /*ヴィナの魂書き換え*/
time_wait(3600*100); /*一時間待つ*/
}
『mana_up20』は魔力を20増強する。
ライブラリに既に追加してあるからヴィナも使えるはずだ。
ヴィナが次に会った時にこの魔道具をジャラジャラと着けてくるのが目に浮かんだ。
そうすれば音がして姿隠しの意味がなくなるだろう。
魔力増強と姿隠しを天秤にかけて悩むがいい。
気のせいじゃないはずだ。
昨日ぞくっときたのはこれが原因か。
学園でわざと行き止まりの廊下を進み振り返った。
ありゃ、いない。
そんな馬鹿な。
今も見られている気がする。
これはもしかして姿隠しの魔法か。
俺は姿隠しやぶりを発動した。
魔法のイメージは。
void main(void)
{
system("dir /AH > テニツチスシ"); /*認識阻害の魔法名鑑定*/
}
俺の所には何にも情報が届かない。
これは俺に対する挑戦だな。
よかろう、受けてやる。
『dir』のオプションの『/AH』以外の物を探し出せというのだな。
ゴーレムは魔道具なので決まりきった魔法しか実行できない。
俺はゴーレムをドラゴンの所に連れて来た。
やるぞ。
『/AH』の魔法語は『メチク』だ。
こういうのは後ろに追加していくタイプだから、次に試すのは『メチクア』だ。
反応なしか。
次に行くぞ、『メチクイ』。
そして『メチクト』の時に反応があった。
魔法名は『ヒニミチ』だ。
「魔法名『ヒニミチ』の奴、隠れて居ないで出て来い」
「ちっ、もうばれましたか。さすが魔法の達人ですね」
声は若い女だ。
やはり生徒の一人だな。
「いいから早く姿を現せ」
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
トントカイモゆふチカカスニコ・ホク・ホト・ヒニミチルコラシンふよレ・む」
めがねを掛けた女の子が姿を現した。
呪文が気になったので解析する。
void main(void)
{
system("attrib -H -S ヒニミチ.body"); /*体の属性をスーパー隠し属性に*/
}
おお、スーパー隠し属性って奴ではないか。
リトワースの暗部よ、バージョンアップした魔法がここにあるぞ。
おっと目的を忘れるところだった。
問いたださなければ。
「なんの目的があって俺のあとをつける」
「私、ヴィナです。ホムン先生好きです。付き合って下さい」
「そういうのいいから」
「えー、枯れてますね。研究材料もとい弟子にして下さい」
弟子入り志願ね。
見た所、頭も良さそうだ。
どうするかな。
「理由を聞かせろ」
「未知の呪文ってワクワクしませんか。胸がきゅんときます」
「確かに魔法は面白いが、きゅんとはこないな」
「先生の事を考えてもきゅんときますよ」
「それは研究材料としてだろ」
「まあ、そうですけど。それの何がいけませんか」
「悪くは無いが。何か俺を見る目がまるで獲物を狙う蛇に見える」
「ひどい、年頃の女の子に向って蛇だなんて」
「傷つくたまでもないだろう」
「賠償を要求します。一日付き合って下さい」
「いいだろ。弟子にするか一日、一緒にいて考える」
「決まりですね。せっかく来たのですから。短縮詠唱の秘密を教えてください。短縮詠唱が使えるようになる秘術が知りたいです」
「駄目だ。図に乗るなよ」
「ちぇ、ケチ」
「そうだな。魔力増強の魔道具を与えてやろう」
俺から魔道具を受け取ると不満そう。
「ねぇねぇ呪文は」
「甘ったれた声を出しやがって、特別だぞ。好意じゃないからな。勘違いするなよ。
ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
カイリ・けカセニネけカセラレ・
カセニほカラセイミゆふヒニミチルトラナリふよレ・
カセラほカラセイミゆふカイモセふよレ・
モチミチろナセフワゆカセニネカセラよレ・
カソリラトイゆカセニよレ・
カソリラトイゆカセラよレ・
トントカイモゆふソラセン・メホン・カイモセ・ヒニミチルトラナリふよレ・
カニモイろテチニカゆアオワワけヌワワよレ・む。
覚えられないだろう。後で紙に書いて渡そうか」
「いいえ、大丈夫です。全て覚えました」
こいつ、もの凄く頭が良いんじゃないだろか。
彼女に渡した呪文のイメージはこうだ。
void main(void)
{
TEL *tpi,*tpo; /*魂の定義*/
tpi=topen("ヒニミチ.soul"); /*ヴィナの魂を開く*/
tpo=topen("temp"); /*仮魂を開く*/
mana_up20(tpi,tpo); /*魔力増強*/
tclose(tpi); /*閉じる*/
tclose(tpo); /*閉じる*/
system("copy /-Y temp ヒニミチ.soul"); /*ヴィナの魂書き換え*/
time_wait(3600*100); /*一時間待つ*/
}
『mana_up20』は魔力を20増強する。
ライブラリに既に追加してあるからヴィナも使えるはずだ。
ヴィナが次に会った時にこの魔道具をジャラジャラと着けてくるのが目に浮かんだ。
そうすれば音がして姿隠しの意味がなくなるだろう。
魔力増強と姿隠しを天秤にかけて悩むがいい。
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