45 / 84
第8章 領主ヴァンパイアから始まる教会排斥
第45話 領主をヴァンパイア化
しおりを挟む
「兄ちゃん、遂に領主の趣味を掴んだぜ」
「お手柄だな」
「へへーん。なんと古銭収集が領主の趣味らしいよ」
「約束の金貨十枚だ」
うーん、古銭かぁ。
オークションで競り落とすか。
いやそこまで時間に猶予はないな。
じゃあ、あれで行くか。
俺は宝石瓜が競り落とされるのを待った。
もちろん漬物を領主に贈るためだ。
何日かして待望の宝石瓜が手に入った。
それに一円玉を付けて領主に贈る。
もっと珍しいお金がありますという手紙と共に。
その日のうちに会いたいと返答があった。
今回は失敗しても良いとの気持ちでのぞんだ。
武器が武器だけに取り上げられる可能性もあるからだ。
俺は約束の時間に城の城門に貸し馬車で乗りつけた。
一張羅をジュサに作ってもらい身に着けて謁見にのぞむべく門をくぐる。
「カワバネ商店のサクタか。話は聞いている。規則でな。身を改めさせて貰う」
「はい」
上着は言うに及ばず、パンツの中まで調べられた。
「石が嵌ったペンダントにポーションが2本それに財布か」
「ポーションを舐めてみろ」
「はい」
俺はポーション瓶の蓋を取って中身を舐める。
口の中に甘い味と鉄錆の味が広がった。
「毒ではないようだな。何の薬だ」
「貧血の薬です。血から作られています」
「なるほどな」
兵士がポーション瓶の中身を舐める。
「確かに血の味だ。通って良いぞ」
「ご苦労様です」
案内の使用人が呼ばれて謁見を待つ部屋まで案内される。
一時間待たされ謁見は叶った。
「領主のセバスター・ラモンドだ。面をあげろ」
「カワバネ商店のサクタです。お見知りおきを」
「宝石瓜、馳走になった。聞きたいのだがあのコインはどういう由来の物だ」
「それがさっぱり分かりません。若い時に各地を放浪いたしまして、そこで偶然手に入れたものです。なんと道端に落ちていました」
「ほうそんな事が」
「もう一つ手に入れた珍しいお金があるのですが。条件によっては献上させて頂いてもよいと思っています」
「なんだ。はよ申せ」
「領主様のコインのコレクションを見せて欲しいのです」
「なんだそんな事か。許す」
俺は領主と二人趣味の部屋に入る。
ここには護衛を入れないのはバートからの情報で分かっていた。
同じ趣味を持つ人間を入れて悦に入るのが楽しみらしい。
「では約束の珍しいお金です」
俺は一万円札を差し出した。
「なんと、紙のお金とは初めて見たぞ」
領主はモノクルを着け仔細に一万円札を眺め始めた。
チャンスだ。
俺はポーションをペンダントトップに掛ける。
ペンダントトップはポーションを纏いスライムの姿を取り戻した。
俺はヴァンパイアスライムのと金を領主の口に押し付ける。
領主は声もなく窒息した。
「ヴァンパイアになれ【メイクアンデッド】。解き放たれた死よ蹂躙せよ」
「はい、ボス。蹂躙開始します」
「いや蹂躙はしなくていいから。いつも通り業務をしていろ。いいか、教会とは手を切れ。理由を聞かれたら、ネオシンク教に入信したと言え」
「はい、ボス」
ふぃー、一仕事を終えた気がする。
後は領主を守る盾だな。
ヴァンパイアの護衛をつけるのがよさそうだな。
そうだとっておきがいるじゃないか。
ラスモンドが適任だ。
顔が知られているから、覆面をさせよう。
剣筋から見破られそうな気もするが。
その時はその時だ。
店の倉庫に戻って、ラスモンドを起こした。
「仕事だ。命に代えても領主を守れ」
「はい、ボス」
俺の予備の覆面と手紙を渡して領主に会いに行かせた。
よしこれで良い。
この街で領主にやらせることは。
宗教の自由。
税金を安くする。
禁忌持ちの取り締まりを無くす。
とりあえずこの辺りだな。
教会はどう出て来るだろう。
反教会の貴族もいる事はいる。
でも、ネオシンク教への転身は許せないかもしれないな。
出方を待っているだけじゃあ駄目だな。
攻めないと。
そうだ。
シュプザム教会に税金を掛けよう。
地味な嫌がらせになるかも。
大人しく払うかな。
いやひと悶着あるだろう。
それと犯罪行為をしている輝職同盟の人間は多数いたはずだ。
俺が皆殺しにしたが、調べれば犯罪証拠はでるだろう。
それを告発してやれ。
その事を理由に輝職同盟をテロ集団に指定させてやろう。
教会はその辺りが上手いんだよな禁忌持ち以外は殺していない。
何か手を考えよう。
いや待てよ。
汚職の罪で裁くのはどうだ。
絶対、領主に金が渡っているはず。
領主と相談してみよう。
実に平穏に一週間が過ぎた。
輝職同盟の告発も汚職の告発もまだしてないから当然だけどな。
証拠固めは大事だし、時間が掛かる。
一週間の間に宝石瓜が三個届いて、遂に俺のレベルが60に。
新たに作れる事になったアンデッドはデュラハンだ。
この辺りだとほとんど伝説の存在になる。
ヴァンパイアより弱いという事はないだろう。
次のレベルに上げるのは宝石瓜より格の高い存在を見つけ出さないと。
思い当たる節はないな。
この街が落ち着いたらゆっくり考えてみようか。
「お手柄だな」
「へへーん。なんと古銭収集が領主の趣味らしいよ」
「約束の金貨十枚だ」
うーん、古銭かぁ。
オークションで競り落とすか。
いやそこまで時間に猶予はないな。
じゃあ、あれで行くか。
俺は宝石瓜が競り落とされるのを待った。
もちろん漬物を領主に贈るためだ。
何日かして待望の宝石瓜が手に入った。
それに一円玉を付けて領主に贈る。
もっと珍しいお金がありますという手紙と共に。
その日のうちに会いたいと返答があった。
今回は失敗しても良いとの気持ちでのぞんだ。
武器が武器だけに取り上げられる可能性もあるからだ。
俺は約束の時間に城の城門に貸し馬車で乗りつけた。
一張羅をジュサに作ってもらい身に着けて謁見にのぞむべく門をくぐる。
「カワバネ商店のサクタか。話は聞いている。規則でな。身を改めさせて貰う」
「はい」
上着は言うに及ばず、パンツの中まで調べられた。
「石が嵌ったペンダントにポーションが2本それに財布か」
「ポーションを舐めてみろ」
「はい」
俺はポーション瓶の蓋を取って中身を舐める。
口の中に甘い味と鉄錆の味が広がった。
「毒ではないようだな。何の薬だ」
「貧血の薬です。血から作られています」
「なるほどな」
兵士がポーション瓶の中身を舐める。
「確かに血の味だ。通って良いぞ」
「ご苦労様です」
案内の使用人が呼ばれて謁見を待つ部屋まで案内される。
一時間待たされ謁見は叶った。
「領主のセバスター・ラモンドだ。面をあげろ」
「カワバネ商店のサクタです。お見知りおきを」
「宝石瓜、馳走になった。聞きたいのだがあのコインはどういう由来の物だ」
「それがさっぱり分かりません。若い時に各地を放浪いたしまして、そこで偶然手に入れたものです。なんと道端に落ちていました」
「ほうそんな事が」
「もう一つ手に入れた珍しいお金があるのですが。条件によっては献上させて頂いてもよいと思っています」
「なんだ。はよ申せ」
「領主様のコインのコレクションを見せて欲しいのです」
「なんだそんな事か。許す」
俺は領主と二人趣味の部屋に入る。
ここには護衛を入れないのはバートからの情報で分かっていた。
同じ趣味を持つ人間を入れて悦に入るのが楽しみらしい。
「では約束の珍しいお金です」
俺は一万円札を差し出した。
「なんと、紙のお金とは初めて見たぞ」
領主はモノクルを着け仔細に一万円札を眺め始めた。
チャンスだ。
俺はポーションをペンダントトップに掛ける。
ペンダントトップはポーションを纏いスライムの姿を取り戻した。
俺はヴァンパイアスライムのと金を領主の口に押し付ける。
領主は声もなく窒息した。
「ヴァンパイアになれ【メイクアンデッド】。解き放たれた死よ蹂躙せよ」
「はい、ボス。蹂躙開始します」
「いや蹂躙はしなくていいから。いつも通り業務をしていろ。いいか、教会とは手を切れ。理由を聞かれたら、ネオシンク教に入信したと言え」
「はい、ボス」
ふぃー、一仕事を終えた気がする。
後は領主を守る盾だな。
ヴァンパイアの護衛をつけるのがよさそうだな。
そうだとっておきがいるじゃないか。
ラスモンドが適任だ。
顔が知られているから、覆面をさせよう。
剣筋から見破られそうな気もするが。
その時はその時だ。
店の倉庫に戻って、ラスモンドを起こした。
「仕事だ。命に代えても領主を守れ」
「はい、ボス」
俺の予備の覆面と手紙を渡して領主に会いに行かせた。
よしこれで良い。
この街で領主にやらせることは。
宗教の自由。
税金を安くする。
禁忌持ちの取り締まりを無くす。
とりあえずこの辺りだな。
教会はどう出て来るだろう。
反教会の貴族もいる事はいる。
でも、ネオシンク教への転身は許せないかもしれないな。
出方を待っているだけじゃあ駄目だな。
攻めないと。
そうだ。
シュプザム教会に税金を掛けよう。
地味な嫌がらせになるかも。
大人しく払うかな。
いやひと悶着あるだろう。
それと犯罪行為をしている輝職同盟の人間は多数いたはずだ。
俺が皆殺しにしたが、調べれば犯罪証拠はでるだろう。
それを告発してやれ。
その事を理由に輝職同盟をテロ集団に指定させてやろう。
教会はその辺りが上手いんだよな禁忌持ち以外は殺していない。
何か手を考えよう。
いや待てよ。
汚職の罪で裁くのはどうだ。
絶対、領主に金が渡っているはず。
領主と相談してみよう。
実に平穏に一週間が過ぎた。
輝職同盟の告発も汚職の告発もまだしてないから当然だけどな。
証拠固めは大事だし、時間が掛かる。
一週間の間に宝石瓜が三個届いて、遂に俺のレベルが60に。
新たに作れる事になったアンデッドはデュラハンだ。
この辺りだとほとんど伝説の存在になる。
ヴァンパイアより弱いという事はないだろう。
次のレベルに上げるのは宝石瓜より格の高い存在を見つけ出さないと。
思い当たる節はないな。
この街が落ち着いたらゆっくり考えてみようか。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる