無限魔力のゴーレム使い ~無力な奴隷から最強への一歩は逆転の発想から~

喰寝丸太

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第2章 Sランク成り上がり編

第29話 ワイバーンの領域への旅、帰路

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 魔獣が襲ってくる事を除けば帰路は順調だ。
 宿敵とも呼べる魔獣スチールビートルに出会った。

 トレントゴーレムはどの程度通用するかな。
 スキルを三回重ねがけして望んだ。

 スチールビートルは遅いので全くゴーレムの動きについていけてない。
 ゴーレムは執拗に足の関節を攻める。
 パキっと乾いた音がして、足の一本が動かなくなった。
 そこからは同じ展開で六本の足全てが動かなくなり、止めは俺が刺した。
 一段と強くなった気がする。
 その後苦戦するような魔獣は現れなかった。



 そして、オークの領域を抜けるという所で馴染みある緑色の魔力を捉えた。

 その魔力に向かって進む。
 やっぱり、そこにはリンナが居て、薬草を採っていた。

「久しぶりってほどじゃないけど、久しぶり。一度、工房には顔を出さないといけないと思っていたから丁度いい」
「裏組織はどうなったの」
「残党はまだ残ってるみたいだけど、壊滅したかな」

「何か頼み事とかあるの。薬師の仕事以外では役に立たないわよ」
「薬草を商人に売らせたいんだ。薬草を栽培とか出来ないかな」

「薬草の周辺には良く似た雑草が生えてるでしょ。栽培して種をとってもあれになっちゃうのよ」
「それじゃ、薬草は雑草が突然変異して生えるって事」
「そうよ、突然変異の条件も分かっているわ」
「秘密とかじゃなければ教えてくれないか」
「いいわ、魔力を濃くするのよ。魔法使いを三十人ほど集めて、雑草に魔力放出を魔力が無くなるまで掛ければいいの」

 それだけか。
 普通にやったら大赤字なんだろうな。
 けど、俺には魔力ゴーレムがある。

「何日もその処理をしないといけないのか?」
「一度やれば問題ないわ。ただし、魔法使いは偽物じゃなくて魔力が千以上の本物が必要よ」
「貴重な薬草なら、割があうんじゃ」
「魔力放出を持った魔法使いを三十人集めるのは至難の技なのよ」

 そうか、なら独占できるな。
 マリリに朗報を届けられそうだ。

「ありがとう。凄い参考になったよ。ちなみに人工栽培が出来るとして、売り先はどうしたら良い」
「薬師ギルドで買い取ってくれると思うわ。たぶんその後に個人個人の取引が始まるのでしょうけど」
「そうだね、ギルドの中抜きが無くなれば売るほうも買うほうも得だと思う」

「具体的な話をしたって事は当てがあるって事よね。成功したら私に安く売って」
「うん、友達価格を適用するよ」

「魔獣の数が多くって、森の奥に行けないのよ」
「その現象は何時から」
「そうね、たぶん五年前からだと思う」
「根拠は」
「薬草がね、二割ほど急に増えたのが五年前。それから少しづつ魔獣が増えたの」

 五年前っていうとライタが来た時だ。
 まさか、何か関係があるのかな。

「考えこんでいたようだけど、何か心当たりが」
「ちょっとね。気のせいだと思う」

 俺は雑草を何本か根っこ毎、採取して馬ゴーレムに載せた。

「じゃあ、行くよ」


 しばらく歩き、周りに人がいないのを確かめる。
 雑草に向かって、魔力ゴーレム三十体に魔力放出を行わせた。
 魔力視で観察していると、突然雑草に魔力が宿る。
 こんなに簡単に出来ていいのか。

 雑草を毎回オークの領域からもってくるはめんどくさい。
 どこかで雑草を栽培、出来ないかな。

 街に帰って早々、マリリの所に顔を出した。
 マリリはやっぱり、店の窓から外を眺めている。

「マリリさん、商売の話を持ってきましたよ」
「本当に、嬉しいわ」

「薬草を人工栽培できる手段を発明しました」
「私が薬草を売るって訳ね」

「それでですね、薬草になる前の雑草の栽培もお願いします」
「うーん、それはちょっと。そうだ、フェリライト村の村長に相談してみましょ」
「それは良いアイデアだと思います。乾燥させて駄目な薬草は村にポーション職人を呼び込めば良いですね」
「そうね。村に常に薬があれば、病人も減るし。良いこと尽くめじゃないかしら」

「何時から始めましょう」
「最初は小規模で良いと思うわ」
「それなら、明日にもオークの領域に行って雑草を集めて来ます」
「雑草の栽培にもノウハウは必要だと思うから、私は薬師ギルドの資料を探すわ」

「やったじゃねえか。フィルは只の変態ではなかった訳か。出来る男だな」

 近くで聞いていたルシアラが言って来た。
 ひどいや、エロフィギュアの事は言わないで欲しい。

「薬草の栽培に禁忌は使ってないだろうな」

 セシリーンは相変わらず禁忌禁忌ってうるさい。

「使ってません」

「薬師ギルドとは盲点だな。薬草の確保手段がなければ始まらないがな」

 ルシアラが感心した様子で言う。

「リンナっていうポーション職人からヒントを貰いました。彼女がそのうちに来るかもしれないのでその時はよろしくお願いします」

 マリリとの打ち合わせを終え帰宅した。



 明日から忙しくなるな。
 今のところやらなくちゃいけないのは、反発スキル試す事と魔力を操作する魔道具を作る事と加速砲の強化だな。
 すぐ出来るのは魔道具だから、手早く終わらせよう。

 魔石に回路魔法を掛けて、魔力放出の簡易魔道具作成する。
 魔力視でみながら実際に試してみた。
 手に持った簡易魔道具から一直線に魔力が放出され、胴体を突き抜ける。

 全然何も感じないな。
 魔力に魔力をぶち当てたら変化しないだろうか。

 簡易魔道具をもう一つ作り魔力の流れを交差させる。
 魔力の流れは変わらなかったが、魔力を捉えたような気がした。
 今なら動かせると思う。
 ステータスをチェックすると魔力操作スキルがあった



 スキルを発動すると簡易魔道具の放出している軌道が変化。
 遂にやったぞ。

 魔力放出を掛ける人間が二人いれば魔力操作は物に出来るな。
 たぶん、他人の魔力を体の中に入れて吸収すると魔力疲労が起こるのだろう。
 だから、この方法は知られていないのか。
 魔力ゴーレムを二体作り、体の中で交差させれば出来る可能性がある。
 でも、それは俺にしか出来ない。

 検証には簡易魔道具を作るべきだろうと思い、円環を二つに割った形の簡易魔道具を作った。
 腹に当てて動作させると、丁度体内で魔力の放出が交差する仕組みだ。



 早速トレントゴーレムに魔力操作のスキルを試す。
 全体を強化するのは難しいが一部分なら出来ると判明。
 俺には並列システムという味方があるから、全体の強化も思いのままだ。
 並列システムの起動数が百を超えるな。
 限界はあるんだろうか。

 とりあえず一万、起動してみた。
 全然、平気だ。
 これなら当分は大丈夫だな。



「それにしても、ステータス長くなって、鬱陶しくなったな」

 独り言を言ったとたん。

『変えてやったぞ』

「今の誰!? ライタじゃないよね」
『俺は何も言ってない』

 もしかして超越者か。
 前に会った時に俺の中に何か入れやがったな。
 どうりで監視が無いはずだ。

 まあ良い。ステータスを表示してみる。
 スキルを振り分けろとのメッセージがあった。
 項目を作って振り分ければ良いらしい。
 そして出来たのがこれ。

――――――――――――――――

名前:フィル
魔力:54/54

生活スキル:7
生産スキル:4
特殊スキル:3
武術スキル:6
魔法スキル:5
鑑定スキル:1
レアスキル:3
――――――――――――――――
 生活スキルだけ見たいと念じるとこうなる。

――――――――――――――――

名前:フィル
魔力:54/54

生活スキル:
 洗浄
 生水
 種火
 冷却
 照明
 送風
 乾燥
生産スキル:4
特殊スキル:3
武術スキル:6
魔法スキル:5
鑑定スキル:1
レアスキル:3
――――――――――――――――

 便利になったが釈然としない。
 無料ただで超越者がこんなことしてくれる訳が無いと思う。
 絶対何か裏があるはずだ。
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