無限魔力のゴーレム使い ~無力な奴隷から最強への一歩は逆転の発想から~

喰寝丸太

文字の大きさ
52 / 120
第3章 貴族活躍編

第52話 ダリウス再戦

しおりを挟む
 道の両側を岩の断崖がそびえ立っているダリウスが待ち構えていたのはそんな所だった。
 俺が飛んで来たので慌てて魔法を撃ち込んできたのだろう。
 俺がここを通るのはどこで知ったのだろう。
 ひょっとしてダリウスは貴族派から情報を得ているのか。
 それなら、ロレットに俺を派遣したのも貴族派だろう。

「待ちくたびれたぞ」
「そうか、じゃさっそくやろうか」
「土魔法、土魔法……土魔法。必殺爆土陣だ」

 さてと、どんな攻撃なんだろうな。
 地面の至る所に魔力の塊がある。
 踏んだら爆発するという落ちじゃないだろうな。
 魔木のゴーレムを一体出して魔力がある所に差し向けると、地面から何本もの杭が出てきた。
 なんだ地雷もどきか。
 俺は魔力視で魔法が仕掛けてある所を確認。
 ライタに火魔法を撃ちこむように指示した。

 炎の玉が地面で爆発、土を抉り取り、土ぼこりが舞いあがった。



「なにっ、もの凄く勘がいいな。いや魔力がある所が分かっているのか。貴様も察知結界スキルを持っているのか」

 こいつ馬鹿だな。
 手の内をあっけなくさらしていやがる。
 なるほど前に魔力ゴーレムを感知したのは察知結界スキルか。
 推測するに察知結界スキルは魔力を張り巡らして、他人の魔力が接触したのを知らせるのだろう。
 魔力視みたいなスキルが存在するんだな。
 でもなんかこいつの持っているスキルって全部俺の劣化版だな。



 うわーと言う声が俺の後方から聞こえてくる。
 何だと視線をやるとゴーレム馬車が五頭のフォレストウルフに追われていた。
 ダリウスがにやりと笑う。

「馬車が爆土陣に突っ込んでくるぞ。さてどうする」

 俺は魔力がある所全てを火魔法で破壊するようライタに指示した。
 そして、銃魔法で馬車を追うフォレストウルフを狙撃する。
 馬車は火魔法で地面が抉られたのを見て急停車。
 銃弾はフォレストウルフを全てしとめた。

「なんなんですか。あなた達は魔法使いの決闘ですか。迷惑です。よそでやって下さい」

 御者が文句を言ってくる。
 ごもっともな意見だが、逃げなくてもいいのか。



「うるさい、黙れ。皆殺しにされたいのか」

 ダリウスが切れた。
 悲鳴を上げながら馬車に乗っている人達が逃げる。
 乗り合い馬車だったんだな。

「妻が、身重の妻がいるんです。何かあったらあなた達を許さない」

 乗り合い馬車に乗っていた若い男がダリウスに詰め寄る。

「なんの喜劇だ。風魔法」

 風の刃が男に迫る。
 土魔法の盾で守ってやった。

「ひっ」

 土魔法に風の斬撃が刻まれたのを見て男が腰を抜かす。



「悪者は青い髪の奴らしいな。助太刀する」

 初老のハンターらしき人が剣を片手に馬車から降りてきた。

「それよりも、腰を抜かした人を避難させてくれ」

 俺の言葉に初老のハンターは頷き、男を馬車の中まで引きずっていった。

「ええい、邪魔だ。風魔法、風魔法、風魔法」

 土魔法で守ろうとしたが、風魔法の一つが初老のハンターを直撃。

「ライレンスさん、しっかりして。僕のせいだ。僕があんな行動を取らなければ」
「これを使え」

 俺はエリクサーを一本念動を使い渡してやった。
 若い男はエリクサーを初老の男に飲ませ、なんとか馬車の中に避難。



 ダリウスはそうとう苛立ったのだろう。
 馬車を魔法で破壊しようとした。
 俺は土魔法で馬車を守ってやった。
 そして、巨大クレイゴーレムを作り、馬車を戦いの圏外に押し出した。



「仕切りなおしだ。土魔法、土魔法……土魔法」

 ダリウスの足元から魔力の塊が生まれ、じわじわと俺の方に寄ってくる。
 ダリウスは作戦を切り替えたみたいだ。
 でも魔力視で見えているから、無駄な努力だ。
 俺は火魔法で対抗して、土魔法を吹き飛ばした。



「やっぱりだな、魔力が分かっているな。貴様その力どうやって得た?」
「言えるわけないだろう」
「貴様も禁忌を犯したのか」

 そうかこいつも禁忌を使ったのか。
 通りで見慣れないスキルを使うと思った。
 ちょっと突いてみたくなった。

「その通りだ」
「良い事を聞いた。お前は実験で何人生贄を使った?」
「俺は自分を実験台にしたよ。誰も犠牲にしていない」
「ふん、正義漢ぶりやがって」
「第一そんな事すれば教会が黙っていないだろう」
「金があればそんなのわけないさ」

 教会にも腐敗があるのだな。
 お金で禁忌を見逃すとは。
 超越者にばれてないのだろうか。
 そんなはずは無いな。
 超越者には分かっているはずだ。
 進化の目がありそうだから放置しているんだろう。
 絶対そうに違いない。

「お前も闇ギルドに入ったらどうだ」
「断る」



「ふんっ、吠え面かくなよ」
「風魔法、風魔法……風魔法。名付けて岩落陣だ」

 風魔法が岩肌を抉り、岩が俺目掛けて落ちてくる。
 俺が土魔法で盾を出すと岩は盾に当たって重低音を響かせた。

「どうした、全然効いてないぜ」
「くそっ、こうなれば魔力結晶ゴーレムで直接決着をつける」
「そうくると思ったよ。対策は用意してあるぜ」

 俺はオリハルコンの弾丸を取り出し、銃魔法にセットした。
 銃が吠え魔力結晶ゴーレムの胴体に穴が開いて、キラキラと破片が宙を舞った。
 ゴーレムは倒れぴくりとも動かない。

「馬鹿な。魔力結晶ゴーレムがやられるとは」
「お前には禁忌の事とか喋ってもらおうか」

 ダリウスが突然、指笛を吹くと、猪が一頭駆け込んで来る。
 ダリウスは猪にまたがり、ゴーレムを残し一目散に逃げ出した。
 あれっ、逃げるのか。
 魔力結晶ゴーレムは俺が貰っちゃうよ。
 いやー儲けたな。
 魔力結晶ゴーレム十体をアイテム鞄にいそいそと仕舞い込んだ。



「ほれ、若いの。冒険者の坊主に礼を言いな」
「ありがとうございました」
「こっちも巻き込んで悪かった」
「あなたっ!」

 緊迫した若い女の声が馬車から聞こえた。

「お前、大丈夫か!」

 どうやら奥さんが産気づいたらしい。

「こりゃ大変だ。坊主、ゴーレム使いだろ。最寄の村までなんとかならんか」
「やってみるよ」

 俺は馬ゴーレムを起こして、馬車を村まで走らせた。
 途中なんと木の橋が落ちている。

「少し揺れるよ」

 俺は土魔法で橋をかけその場をしのいだ。
 細い川を渡ると村は目の前だった。



 村に入るやいなや若い男は産婆を探しに飛び出して行き、俺はやる事がないので魔力結晶の研究を始めた。
 魔力結晶の硬さはミスリルより硬くてオリハルコンより柔らかい。
 ゴーレムに使用すると魔法防御が使える。
 ゴーレム使いに魔力を供給できる。
 分かったのはこんな所か。
 ゴーレム以外の使い道が中々思い浮かばない
 マリリの所に貸し出すぐらいしか考え付かなかった。

 しばらく経つと男が俺の所にやって来て言う、元気な女の子が産まれたと。
 命の恩人に名前をつけて欲しいというのでマリアナと名付けた。

 次の日、王都に戻り王城にロレットの件を報告。
 将軍の公爵からお褒めの言葉を頂いた。
 褒美は後日貰えるらしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~

めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。 しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。 そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。 その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。 (スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)

処理中です...