無限魔力のゴーレム使い ~無力な奴隷から最強への一歩は逆転の発想から~

喰寝丸太

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第4章 樹聖エルフ王国編

第80話 水脈ヤシ

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 俺はワーカーアントを求めて森を歩いた。
 今日は生憎とすぐには見つからない。
 雨粒が身体にかかる。
 ちぇ、弱り目に祟り目だな。
 上を見上げると一面の青空で雲一つない。

 良く観察してみるともの凄く大きいヤシの木から雨が降っていた。
 1メートラの実が落ちていて、これには見覚えがある。
 たしか水脈ヤシだ。
 そうかこれが水脈ヤシか。
 確かに水脈だな。
 カサカサと音がしてワーカーアントが現れた。
 俺は銃魔法でそれを仕留める。
 白い体液を水脈ヤシの雨が洗い流した。
 ワーカーアントを二十匹ぐらい仕留めたが、ソルジャーアントが出てこない。
 なんでだ。
 水脈ヤシの雨が止んだ。
 途端にソルジャーアントがやってきた。
 そうか、匂いか。
 ワーカーアントの血の匂いがソルジャーアントを引き寄せるのか。
 ならワーカーアントの血を撒けばジェネラルアントがやってくるかも。

 アイテム鞄から出したワーカーアントを魔法で切り刻む。
 来たな。
 ソルジャーアントの大群だ。
 死魔法連発で充分だろう。

 ソルジャーアントを百匹ぐらい仕留めたが、一向にジェネラルアントは出てこない。
 これは巣穴を探る方が早いか。
 ワーカーアントが葉を切り取り巣に帰る後をつける事にした。

 障害物がうっとおしい。
 魔法で全て焼き払ってしまいたくなる。
 魔力ゴーレムも蔦に敵わない。
 トレントゴーレムが鉈で蔦を掃う。
 トレントゴーレムが居てもの凄くありがたいと思う。

 ポタポタと上から水滴が落ちてくる。
 また水脈ヤシかな。

 見上げると1メートラほどの黒い楕円球状の物が沢山ある。
 果物かな。
 美味しいのだろうか。
 ドサッと重たい音を立てて黒い物が落ちる。
 そしてボヨンと跳ねる。
 それはもぞもぞと蠢いていた。
 げぇ、ヒルのお化けだ。
 たしか、ビックリィーチュとかいう名前だった気がする。
 火は駄目だよな。
 死魔法を使っちゃえ。
 死魔法を使うとビックリィーチュは身をよじった。
 もぞもぞは止まらない。
 死魔法が破られた。
 こいつらの特性は。
 真っ二つにされても死なない事だ。
 そうか、半分は死んだが。
 半分は生きているのか。
 死魔法を何度も当てれば死ぬかな。
 それより風魔法で刻んだ方が速いか。
 いや地道にゴーレムで退治しよう。
 ゴーレムなら血を吸われる事も無い。

 俺の体温を感知しているのか。
 俺がビックリィーチュの下を通るとぼとぼとと落ちてくる。
 ゴーレムが一匹づつ剣で刺し殺した。
 大分手間を掛けてしまった。

 ワーカーアントの姿は既に見えない。
 振り出しだ。
 ワーカーアントを探して森を探索する。

 甘い香りのする空間に出た。
 嫌な予感がする。
 やっぱりだ。
 粘液を纏った触手を備えた植物が生えている。
 資料によればイータープラントだ。

 迂回するのも面倒だ。
 風魔法で切り刻む。
 触手の圏外からの風魔法には手も足も出ないらしくて。
 瞬く間に駆逐された。
 粘液の中から魔石を取り出すのはいやだな。
 ゴーレムにやって貰おう。
 帰ったらゴーレムを洗わないと。

 しばらく進むとまた甘い香りだ。
 またかよと思ったら今度は色とりどりの花が咲き乱れていた。
 マリリと親戚が亡くなって落ち込んでいるリンナに摘んでいってやろう。
 魔力視に反応がある。
 迷彩スキルを使っているようだ。
 銃魔法で仕留める。
 姿を現したのは大蛇だった。
 これが、ミラージュスネークか。
 魔力視がなければ苦戦していたかもな。

 エルフ国の森は物騒だな。
 辺境の森と大差がない。

 しばらく進みワーカーアントを見つける事に成功した。
 ワーカーアントの後をつけると、ワーカーアントは地面の穴に吸い込まれる様に消えて行った。
 穴は一メートラぐらいしかない。
 これじゃ人間は入れない。
 ソルジャーアントはどこから出入りしているのだろう。
 特殊な出入り口があると考えたが上手い手が見つからない。
 今日は引き返そう。

 街に帰りリンナの部屋に顔を出す。

「花を摘んできたんだ」
「ありがとう。懐かしい花ばかりだわ」
「探索はやっているけど、進展はまだないよ」
「皆がミリタリーアントの本道を探しているけど、見つからないのだから気にする事はないわ」
「焦らないでやっていくつもりだよ」
「ええ、お願い。ヴァレ兄の無念を晴らして」

 リンナの部屋を後にしてマリリの店になる予定の場所に行く。

「マリリさん。花を摘んできました」
「ありがとう」
「モリーとユフィアは役に立ってますか」
「簡易魔道具を作れる数は少ないけど。売れている数もそんなにないから。ちょうど良いわ。それに暇な時は応対もしてくれるし良い子よ」
「そうですか。俺が構ってやれないんでよろしくお願いします」
「リンナさんって凄いのね。簡易魔道具を作る量が多くて捌ききれないわ」

 魔力ゴーレムから魔力を吸い取る技を教えたんだっけ。
 モリーとユフィアにも教えておくべきだろう。

 奥の部屋で入ると作業していたモリーとユフィアが顔を上げる。

「悪いな。仕事中だったか」
「勉強中。難しい」
「私、勉強は得意なのでだいぶ進みました」

 俺は魔力ゴーレムの簡易魔道具を二人に渡し使い方を教えた。

「無限魔力って素晴らしい」
「その言葉を人の前でいうなよ。聖騎士が飛んでくる事になる。魔力チャージって名前にしとけ」
「了解」
「分かりましたわ」

「なるべく人前では使うなよ。奪う為に人殺しがやってくる事もありそうだからな」
「「はい」」

 さてと、そろそろミリタリーアントの巣穴の本道を探す為に何か考えないと。
 それに死魔法以外のソルジャーアントの撃退法だ。

「ライタ、何か罠的な物はないかな」
『うーん、地雷が良いんだけど。撤去するのがな。子供の事故が絶えないし俺は反対だな』
「危なくない地雷ってのはどうだろう」
『そんな都合の良いのがあるかな』
「エルフ国は暖かい。踏むと冷やす地雷なんてどうかな。人間なら少しぐらいなら凍死しないでしょ。虫には効果絶大だと思うな」
『いいね。誘導スキルを応用すれば作れそうだ』

 新兵器の算段も立ったしこれで一歩前進かな。
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