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第2話 モルモットのモキチと人魚
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平岡は肩をガシっとつかむ
「頼んだぜ」
視線を伸ばすと 片岡月子がパソコン操作に顔の眉間をしかめて、猫背を通り越したエイリアンのような姿勢でパソコンのキーボードを押している。
そして上司がやってくる・・・。
笑顔の二人は 楽しそうに会話をしていたけど、笑っているように見えなかった。
「お嬢様なのにな・・」と上司はこぼすと席に戻っていった。
俺は立ち上がって片岡月子のところへ行くと一緒に自動販売機へ向かった。
片岡と俺はスマートフォンを取り出し購入アプリを起動する。
「ストレスフリー時代のため・・」と書かれた下に商品のメニューが書かれていて
それを片岡に押すようにとマートフォンを差し出すとためらう表情を浮かべた
片岡は自分のスマートフォンを俺に見せてきた。
そこには7商品のメニューが載った画面がある。
「商品メニューが1商品の人を見るのは初めてです。そのアプリ壊れてますよ、クスクス」
俺たちは同じコーヒーを二本買って飲んだ。
・・・・・
家に帰る途中で道端の草を摘んで花束のように握ると家に入る。
室内に入るとアロマのように草のいい香りが呼吸に混ざってきた。
プイプイ プイプイ
モルモットの「モキチ」も気が付いたようだ。
ゲージを開けて上から草を入れようとすると ジャンプをして草をクワえようとする。
「食べてるところ悪いけど 今日のキャンプはモキチも一緒にいかないか?」
「プイ?」
キャンプのテントにリュックに・・氷とお酒・・モルモットフード・・。
準備を整えてキャンプ場へ向かう。
テントを張って 中にモキチと草を入れると火を起こす準備をする。
ある程度細く裂かれた木を ナイフを水平に当ててカンナをかける要領で薄く引いてやると木の皮がはがれるように
ささくれが出来る。
奇麗にささくれができた。
次は厚いささくれだった。
小さなフシに邪魔をされて力を込めた。
平凡にナイフが過ぎる。
そうして よく燃えそうなフェザースティックが完成した。
豆を入れてミルを回すと今日の豆の回す回数に予想を立てる。
コーヒーを淹れるドリッパーの準備をして今日は「青森県産 渾神の清水」をポットに入れてお湯を沸かす。
テントにテナントを立てれば後は待つだけ。。。
日が落ちて 湖面に月が浮かんだころ。。
チャポン・・・ チャポン・・・
バシャ!
湖面から人魚が現れた。
動揺を隠せずにキョロキョロとしたり水をすくって眺めたり口に含んだりしていた。
そしてこちらを見つけると 甘く微笑みかけてきた。
「人間さん。私の歌を聴きませんか?」
コーヒーカップを人魚にかざす
「それより コーヒーを淹れていたんだ。よかったら飲んでいかないか?」
「そうね それは素敵よ。コーヒーという飲み物を頂くわ。お礼に私は歌ってあげる」
ドリッパーにお湯を注ぎ コーヒーが膨らんで来たら少し待つ。
再びお湯を回すように注いで 琥珀色の水滴を抽出したら出来上がり。
カップを人魚に差し出すと 人魚は勢いよくカップを持ち上げるが口を付けるとカップを下ろして口に手を当ててうずくまった。
「そ。。それじゃ お礼に歌を歌ってあげるわ・・」
「待つでござる・・」
声が聞こえてテントを見ると中から子供サイズの「モキチ」が出てきた。
モキチは サバイバルナイフを両側の腰に差し二足歩行でこちらに歩いてくると
「拙者も 参加するでござる」といって 鍋にかけてあるお湯に草を入れて煮込み始めた。
ドリッパーに草を入れるとグリーンの液体が抽出される。
「モキチ」は勢いよくカップを持ち上げるが口を付けるとカップを下ろして口に手を当ててうずくまった。
リュックを持ってくる。
中からお酒と氷を取り出してお酒をリュックに戻す。
二人のコーヒーとグリンティーを温め直してから二人のカップり氷を入れる。
温まったそれを ドッとカップに流し込めば氷結の砕ける音がするコーヒーとグリンティーの出来上がり。
二人は カップを飲み干した。
「ごちそうさま」
「ご馳走さまでござる」
「どういたしまして」
カップを片付けようとすると人魚が手伝ってくれた。
「いつかは人魚の生き方も変わるのかしら?ねえ そこに置いてある木の実、私に恵んでちょうだい?」
人魚はこないだエルフっぽい女の子からもらったドングリを指さした。
「代わりにコレとアイスコーヒーのお礼にコレをあげるわ」
人魚が差し出したのは サンゴの欠片とインゴットのコインだった。
コインには「月子へ。幸せな人生をすごしなさい」と書かれていた。
「それ。かなり前に友達のサカナくんが咥えてきたの。人間ってそういうのが好きなんでしょ?バイバイ」
ジャポン!!
人魚は湖面の中へ消えていった。
テントを片付けると「モキチ」は元のモルモットの姿に戻った。
スマートフォンを見ると時刻と土曜日の文字が見える。
俺は家を目指して山を下りた。
・・・・・
帰る途中に黄色くまぶしい光を放っている看板がある。
「24時間パソコン教室」
窓の奥には 歩き回る教師と7人の生徒が見える。
一人の生徒が教室から外へ出てきた。
「あれ?もしかして!」
片岡月子が俺を見つけて小走りで駆け寄ってきた。
「見つかっちゃいましたね。もう2年も通っているんですよ。今では教室の子たちはみんな若い子ばっかり・・」
ポケットから人魚にもらったコインを手渡した。
「そ・・そ・・そのコインは おばあさまから頂いたお守り・・う。。ううううぅぅぅ」
コインを受け取ると泣き崩れてうずくまってしまった。
交番のお巡りさんが ペンライトをチラ チラと向けてきたけどそのまま通り過ぎていった。
片岡月子が立ち上がって 力のこもった顔付きになった。
「あの。。私 決めました。会社を辞めます!私は私の出来ることで社会に貢献していけばいいんです!!」
俺はモキチと家に帰ると冷凍庫から「青森県産 渾神の清水」の氷を取り出した。
「頼んだぜ」
視線を伸ばすと 片岡月子がパソコン操作に顔の眉間をしかめて、猫背を通り越したエイリアンのような姿勢でパソコンのキーボードを押している。
そして上司がやってくる・・・。
笑顔の二人は 楽しそうに会話をしていたけど、笑っているように見えなかった。
「お嬢様なのにな・・」と上司はこぼすと席に戻っていった。
俺は立ち上がって片岡月子のところへ行くと一緒に自動販売機へ向かった。
片岡と俺はスマートフォンを取り出し購入アプリを起動する。
「ストレスフリー時代のため・・」と書かれた下に商品のメニューが書かれていて
それを片岡に押すようにとマートフォンを差し出すとためらう表情を浮かべた
片岡は自分のスマートフォンを俺に見せてきた。
そこには7商品のメニューが載った画面がある。
「商品メニューが1商品の人を見るのは初めてです。そのアプリ壊れてますよ、クスクス」
俺たちは同じコーヒーを二本買って飲んだ。
・・・・・
家に帰る途中で道端の草を摘んで花束のように握ると家に入る。
室内に入るとアロマのように草のいい香りが呼吸に混ざってきた。
プイプイ プイプイ
モルモットの「モキチ」も気が付いたようだ。
ゲージを開けて上から草を入れようとすると ジャンプをして草をクワえようとする。
「食べてるところ悪いけど 今日のキャンプはモキチも一緒にいかないか?」
「プイ?」
キャンプのテントにリュックに・・氷とお酒・・モルモットフード・・。
準備を整えてキャンプ場へ向かう。
テントを張って 中にモキチと草を入れると火を起こす準備をする。
ある程度細く裂かれた木を ナイフを水平に当ててカンナをかける要領で薄く引いてやると木の皮がはがれるように
ささくれが出来る。
奇麗にささくれができた。
次は厚いささくれだった。
小さなフシに邪魔をされて力を込めた。
平凡にナイフが過ぎる。
そうして よく燃えそうなフェザースティックが完成した。
豆を入れてミルを回すと今日の豆の回す回数に予想を立てる。
コーヒーを淹れるドリッパーの準備をして今日は「青森県産 渾神の清水」をポットに入れてお湯を沸かす。
テントにテナントを立てれば後は待つだけ。。。
日が落ちて 湖面に月が浮かんだころ。。
チャポン・・・ チャポン・・・
バシャ!
湖面から人魚が現れた。
動揺を隠せずにキョロキョロとしたり水をすくって眺めたり口に含んだりしていた。
そしてこちらを見つけると 甘く微笑みかけてきた。
「人間さん。私の歌を聴きませんか?」
コーヒーカップを人魚にかざす
「それより コーヒーを淹れていたんだ。よかったら飲んでいかないか?」
「そうね それは素敵よ。コーヒーという飲み物を頂くわ。お礼に私は歌ってあげる」
ドリッパーにお湯を注ぎ コーヒーが膨らんで来たら少し待つ。
再びお湯を回すように注いで 琥珀色の水滴を抽出したら出来上がり。
カップを人魚に差し出すと 人魚は勢いよくカップを持ち上げるが口を付けるとカップを下ろして口に手を当ててうずくまった。
「そ。。それじゃ お礼に歌を歌ってあげるわ・・」
「待つでござる・・」
声が聞こえてテントを見ると中から子供サイズの「モキチ」が出てきた。
モキチは サバイバルナイフを両側の腰に差し二足歩行でこちらに歩いてくると
「拙者も 参加するでござる」といって 鍋にかけてあるお湯に草を入れて煮込み始めた。
ドリッパーに草を入れるとグリーンの液体が抽出される。
「モキチ」は勢いよくカップを持ち上げるが口を付けるとカップを下ろして口に手を当ててうずくまった。
リュックを持ってくる。
中からお酒と氷を取り出してお酒をリュックに戻す。
二人のコーヒーとグリンティーを温め直してから二人のカップり氷を入れる。
温まったそれを ドッとカップに流し込めば氷結の砕ける音がするコーヒーとグリンティーの出来上がり。
二人は カップを飲み干した。
「ごちそうさま」
「ご馳走さまでござる」
「どういたしまして」
カップを片付けようとすると人魚が手伝ってくれた。
「いつかは人魚の生き方も変わるのかしら?ねえ そこに置いてある木の実、私に恵んでちょうだい?」
人魚はこないだエルフっぽい女の子からもらったドングリを指さした。
「代わりにコレとアイスコーヒーのお礼にコレをあげるわ」
人魚が差し出したのは サンゴの欠片とインゴットのコインだった。
コインには「月子へ。幸せな人生をすごしなさい」と書かれていた。
「それ。かなり前に友達のサカナくんが咥えてきたの。人間ってそういうのが好きなんでしょ?バイバイ」
ジャポン!!
人魚は湖面の中へ消えていった。
テントを片付けると「モキチ」は元のモルモットの姿に戻った。
スマートフォンを見ると時刻と土曜日の文字が見える。
俺は家を目指して山を下りた。
・・・・・
帰る途中に黄色くまぶしい光を放っている看板がある。
「24時間パソコン教室」
窓の奥には 歩き回る教師と7人の生徒が見える。
一人の生徒が教室から外へ出てきた。
「あれ?もしかして!」
片岡月子が俺を見つけて小走りで駆け寄ってきた。
「見つかっちゃいましたね。もう2年も通っているんですよ。今では教室の子たちはみんな若い子ばっかり・・」
ポケットから人魚にもらったコインを手渡した。
「そ・・そ・・そのコインは おばあさまから頂いたお守り・・う。。ううううぅぅぅ」
コインを受け取ると泣き崩れてうずくまってしまった。
交番のお巡りさんが ペンライトをチラ チラと向けてきたけどそのまま通り過ぎていった。
片岡月子が立ち上がって 力のこもった顔付きになった。
「あの。。私 決めました。会社を辞めます!私は私の出来ることで社会に貢献していけばいいんです!!」
俺はモキチと家に帰ると冷凍庫から「青森県産 渾神の清水」の氷を取り出した。
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