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第17話 恐怖の王族の弱点

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「ワレが一番最初じゃ 玉座を担いでくるから楽しみにするのじゃ がはは」
「では 行ってきます。・・・。」

高笑いをするガネーシャと寄り添うように歩くクロレラはランタンをもって出発した。
玉座はないと思うけど。

「ガネーシャたち大丈夫かな? ミリー・メソスティグマがまた現れたたら化け物より怖くないか?でも ガネーシャたちが本気を出したら 実は強かったりしてな」

「ショウスケ? メソスティグマって昼間にショウスケが見たって言う子よね?本当にいるのかしら」
「ああ キノコの下敷きになって消えたんだ」
「怖くなってきたわ」

怖がり出したリザリアを見たライラがハニカムと「ショウスケさんはお上手ですね。ですが怖いだけでは楽しめません。 助かるためにも王族のエルフには特有の弱点があるのでお教えしましょう。それはケガレを与えること・・・エルフたちは長い年月をかけて大地に自らの血をばら撒きました。そのケガレによってキノコしか生えない大地となり、王族はこの大地では眠ることができないという呪いのような影響を受けるようになってしまったのでした。つまり・・ 寝不足になっていることを祈りましょう。ふふふ」

「ライラさんも 便乗してるじゃないか?ははは」

キノコが生えるほど エルフの血がばら撒かれている大地とか怖すぎるだろ。
俺の笑っていたけど内心は リザリアと同じ気持ちだった。
それにしても 俺が襲われた話はなかったことになっているな。
怪力少女なんて存在しないのか?

「ガネーシャたちが帰ってきたわ」
そんな話をしているとガネーシャたちが帰ってきた。
早いな。


「ほら これが遺物じゃ」
「壁の石?」
「クロレラが怖がってのう。帰って来たのじゃ がはは ショウスケよ。ワレの分も任せたぞ」

ガネーシャは クロレラに頼られて嬉しかっただろうけどクロレラは怖いのか表情が辛そうだった。

「次は私たちの番ね ライラさん」
「では ショウスケさん行ってきます。」

二人は 明るいランタンを掲げるように持つと薄暗いトリデの方へ消えていった。
次は俺の番だけど 二人が何を持って帰ってくるかで俺の頑張り度合が変わってくる。
そして 小瓶を渡してミリーを復活させてしまった手前、ミリーが現れたらと思うと心配になってきた。
だけど 待っているとガネーシャが話しかけてきた。

「クロレラの様子が 思わしくないのじゃ 水を差して悪いのじゃが二人を呼んできてもらえぬか」

クロレラは 怖がっていたのかと思っていたら本当は冷や汗をかいていた。
俺は ガネーシャたちに先に休むように伝えるとスマートフォンを取り出した。
「ほんとは 使いたくなかったけど・・・スイッチオン」

小さなライトが灯った。
トリデへの道は 歩くとジャリジャリといい音がする。
昔は異種族のいろんな人たちが ここを進んだんだろう。 
さらに進んでいくと崩れたガレキや 建物を突き抜けてはいている立派なキノコがあったり
そこから落ちた胞子が一粒光っており、これが青白い光で不気味に見えた。
「もっと先に進んだのか?」

そして指令室の小山の下にある小川にたどり着くと 二人とは違う痕跡が見つかった。

「踏み慣らされた道に 古びているけど使えそうなバケツまである」

これは生活の跡だ。
道沿いに指令室へ向かうと 今度は火を起こした炭の跡もあり誰かがここでキャンプをしていたことは間違いないだろう。
「この炭は・・まだ 新しい」

指令室のある小山の頂きついた。
だけど 見渡す限りの殺風景な景色で木や草が生えている。
「何もなかったな・・いいや 植物が生えている」
エルフたちが大地を血で汚したというのは無理があるけど 小山の頂きにだけ草や木が生えていると言うことは
雨でこの部分だけが洗い流されたからかもしれない。

「この土地は本当に何かで汚染されていたんだ」

ふと気づくと中央の草だけ倒れていて まるで誰かのベッドに使われていたかのようだった。
ライラさんの言葉を思い出した「キノコの大地では眠ることができない。。」
じゃぁ この草のベッドの持ち主は?
そのとき 背中に気配を感じる

「ミリーの弱点を攻めに来るなんて さすがショウスケ」

振り返ればそこにはミリー・メソスティグマが立っていた。
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