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第19話 テントで起こった、二人の決意表明

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キャンピングカーに戻るとグッタリとしたクロレラと心配そうに見守るガネーシャがいた。
テーブルの上には 石ころとスパイスが置かれているがカレーの匂いではなく薬のような独特の匂いがしていた。

ガネーシャの側に行くと ガネーシャは 無言で首を左右に振るポーズをするのでクロレラの様態は思った以上に悪いのかもしれない。
せめてというわけじゃないけど cabin02の空調システムを最適にして俺とリザリアはテントで寝ようと外に出た。
そのとき ガネーシャが真剣なまなざしをこちらに送って「エルフの里になら 薬があるかもしれぬ・・」というと車のドアを閉める。

テントに眠るとリザリアは 上を見上げたままショウスケに話しかけてきた。
「ねえショウスケ。ガネーシャの石をスパイスに変える力って もしかしたら二人の旅が困らないようにガネーシャが考えたスキルじゃないかしら?」

「天女は自分と違って非力だから クロレラの薬も作れるように考えたスキルだったってことか?」

この世界の魔法は複雑すぎて興味がわかないけど
魔力量よりも心にどんな呪文を書き込むかがカギになっている気がする。
1,000種類ものスパイスを心に呪文に刻んだのなら 魔法の力だけで比べるなら俺より弱いだろう。

リザリアの声が ぽつりとテントに響いた。
「愛よね。。」

俺は 真っ暗なのにガッツポーズをした。
「愛かもしれない。けどスパイスを売れば旅費は稼げるし、病気の薬だって作れるんだ。カレーは最強だよ!」

リザリアは両手を口に当てているのか 「クスクス」という笑い声がかすれて聞こえてきた。
「なあ リザリア。明日 エルフの隠れ里へ行ってみないか?」

「私もそう思ってたの。でも ショウスケは 初対面の相手が苦手よね?」
「ああ cabin02が欲しくって部活はやらなかったし友達も少なかったから苦手になってしまったんだ。
キャンプ生活を送っていくなら最低限でいいだろと思ってた。
でも 隠れ住んでいるエルフに会いに行くのにマズイことになった。初対面の印象は大切なんだ」

「ショウスケは ショウスケのままでいいじゃない?」
「里に薬草があるのに 手に入れられなかったらクロレラを助けられないじゃないか」
「運命に導かれてみればいいじゃない!」
「リザリアだって 初対面の相手が苦手じゃないか!」
「天女は天界では同じ生活の繰り返しなのよ!苦手にもなるわ」
「じゃぁ どうするんだよ?」
「・・・よ。 ショウスケだって・・・。」

今までの旅でどうしてケンカをしたことがないのかが不思議なくらいの言い合いになった。
リザリアは 優しそうで実は理想に夢を見ているんだ。
明日はリザリアの理想通りの交渉なんてできないだろうさ。

でも 薬草・・絶対に・・手に入れて見せる・・グーグー
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