FRIENDS

緒方宗谷

文字の大きさ
581 / 803
二年生の二学期

🐿️

しおりを挟む
 読み上げ終わった南が感心しながら手紙を見返す。
「男の友情だよね。二人ともお互いをちゃんと見てる。ぜんぜん知らなかった。それにわたし、こんなこと言ったっけ。」
「うん? わたしも知らない。だってわたしが考えたから」奈緒がアイスカフェラテをズズズと吸い干して答える。
「え? どういうこと?」
「わたしが 考え ました」
「うそってこと?」
「人聞きわるい。ふぃくしょんと言って、ください」奈緒が、あからさまに顔をしかめる。
「おんなじじゃない」
 ズズズとストローでコーラを吸い上げた南が眉間に皺を寄せて、ふくれっ面の奈緒を見やる。それからもう一度手紙を一瞥しながら頬杖をついた。
「奈緒って筆まめだよね、わたしにもよくてはがき送ってくれるし。ちなみにわたし、どちらに対してもそんなふうに思ってないけどね。そこらへんもだいぶ盛ってるよね。ほぼうそで」
「いいの、それで」
しれっと答えたこの子を見て、南がしょうがないといった感じに微笑んだ。そしてもう一度手紙を瞥見する。
「結構な策士だよね、君って。それとこれ、高木務様になってるよ。それに土屋なのか高木なのか分かんないところあるし。あとおじゃべりだって」
「やだ、もう。なんで早く言ってくれないの」
 ムッとした南が姿勢を正して睨んできた。
「わたしのせいじゃないよ。今気づいたんだから文句言わないの」
 むすりと頬を膨らませた奈緒が、モモタのボールペンを放りだす。走る猫のノックカムだったので転がらない。
「今日はもうやらない。帰ってからする」と不貞腐れた。
 聞き流した南が、コーラの蓋を開けて、氷を口に含んでぼりぼりと噛み砕く。
「それで――気になって確認したいんだけれど、あの二人って、お互いこれに書いてあるようなこと少しくらいは言ってたの?」
「え……言ってたよ」裏腹に視線を逸らす。あからさまに。
「うそでしょ」
「うん、うそ。ひみつ。んふふ、ひ・み・つ」
「盛ってたどころか、おおもとも完全にうそじゃない」
 南につっこまれた奈緒は、頬いっぱいに笑みを湛えて、顔を楽しげに膨らませた。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

讃美歌 ② 葛藤の章               「崩れゆく楼閣」~「膨れ上がる恐怖」

エフ=宝泉薫
青春
少女と少女、心と体、美と病。 通い合う想いと届かない祈りが織りなす終わりの見えない物語。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

怪談

馬骨
ホラー
怪談です。 長編、中編、短編。 実話、創作。 様々です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

処理中です...