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二年生の二学期
🐿️
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読み上げ終わった南が感心しながら手紙を見返す。
「男の友情だよね。二人ともお互いをちゃんと見てる。ぜんぜん知らなかった。それにわたし、こんなこと言ったっけ。」
「うん? わたしも知らない。だってわたしが考えたから」奈緒がアイスカフェラテをズズズと吸い干して答える。
「え? どういうこと?」
「わたしが 考え ました」
「うそってこと?」
「人聞きわるい。ふぃくしょんと言って、ください」奈緒が、あからさまに顔をしかめる。
「おんなじじゃない」
ズズズとストローでコーラを吸い上げた南が眉間に皺を寄せて、ふくれっ面の奈緒を見やる。それからもう一度手紙を一瞥しながら頬杖をついた。
「奈緒って筆まめだよね、わたしにもよくてはがき送ってくれるし。ちなみにわたし、どちらに対してもそんなふうに思ってないけどね。そこらへんもだいぶ盛ってるよね。ほぼうそで」
「いいの、それで」
しれっと答えたこの子を見て、南がしょうがないといった感じに微笑んだ。そしてもう一度手紙を瞥見する。
「結構な策士だよね、君って。それとこれ、高木務様になってるよ。それに土屋なのか高木なのか分かんないところあるし。あとおじゃべりだって」
「やだ、もう。なんで早く言ってくれないの」
ムッとした南が姿勢を正して睨んできた。
「わたしのせいじゃないよ。今気づいたんだから文句言わないの」
むすりと頬を膨らませた奈緒が、モモタのボールペンを放りだす。走る猫のノックカムだったので転がらない。
「今日はもうやらない。帰ってからする」と不貞腐れた。
聞き流した南が、コーラの蓋を開けて、氷を口に含んでぼりぼりと噛み砕く。
「それで――気になって確認したいんだけれど、あの二人って、お互いこれに書いてあるようなこと少しくらいは言ってたの?」
「え……言ってたよ」裏腹に視線を逸らす。あからさまに。
「うそでしょ」
「うん、うそ。ひみつ。んふふ、ひ・み・つ」
「盛ってたどころか、おおもとも完全にうそじゃない」
南につっこまれた奈緒は、頬いっぱいに笑みを湛えて、顔を楽しげに膨らませた。
「男の友情だよね。二人ともお互いをちゃんと見てる。ぜんぜん知らなかった。それにわたし、こんなこと言ったっけ。」
「うん? わたしも知らない。だってわたしが考えたから」奈緒がアイスカフェラテをズズズと吸い干して答える。
「え? どういうこと?」
「わたしが 考え ました」
「うそってこと?」
「人聞きわるい。ふぃくしょんと言って、ください」奈緒が、あからさまに顔をしかめる。
「おんなじじゃない」
ズズズとストローでコーラを吸い上げた南が眉間に皺を寄せて、ふくれっ面の奈緒を見やる。それからもう一度手紙を一瞥しながら頬杖をついた。
「奈緒って筆まめだよね、わたしにもよくてはがき送ってくれるし。ちなみにわたし、どちらに対してもそんなふうに思ってないけどね。そこらへんもだいぶ盛ってるよね。ほぼうそで」
「いいの、それで」
しれっと答えたこの子を見て、南がしょうがないといった感じに微笑んだ。そしてもう一度手紙を瞥見する。
「結構な策士だよね、君って。それとこれ、高木務様になってるよ。それに土屋なのか高木なのか分かんないところあるし。あとおじゃべりだって」
「やだ、もう。なんで早く言ってくれないの」
ムッとした南が姿勢を正して睨んできた。
「わたしのせいじゃないよ。今気づいたんだから文句言わないの」
むすりと頬を膨らませた奈緒が、モモタのボールペンを放りだす。走る猫のノックカムだったので転がらない。
「今日はもうやらない。帰ってからする」と不貞腐れた。
聞き流した南が、コーラの蓋を開けて、氷を口に含んでぼりぼりと噛み砕く。
「それで――気になって確認したいんだけれど、あの二人って、お互いこれに書いてあるようなこと少しくらいは言ってたの?」
「え……言ってたよ」裏腹に視線を逸らす。あからさまに。
「うそでしょ」
「うん、うそ。ひみつ。んふふ、ひ・み・つ」
「盛ってたどころか、おおもとも完全にうそじゃない」
南につっこまれた奈緒は、頬いっぱいに笑みを湛えて、顔を楽しげに膨らませた。
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