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二年生の二学期
👹
しおりを挟む化け物みたいな形相の女らしき物体が、慢侮するように「ぐふぐふ」と独特な笑い声をあげた。
「なんなの、この雑魚。カスじゃん。今、こんなのやつと付き合ってんのかよ、小沢は」小ばかにしたように、南を横目で見る。
「浜田さん、あの、この子、普通の子なんで、家に帰してあげてください」南が、恐る恐る懇願した。
間髪入れずに、浜田と呼ばれた女が吠え猛って、「バカなこと言うんじゃないよ、今この状況で帰せるわけないじゃないの、殺すよ。おらっ」と、砕けたコンクリートの粒や砂埃を蹴り上げる。
「そもそも、汚れて可哀想だって? わたしらは可哀想じゃないんかい」
「いや、そんなこと――」南がたじろいだ。
「わたしらにも帰れって言うんだな? どこに帰れって? え? 言ってみな」
そのやり取りを聞いて、奈緒の表情がますます怯えで歪んでゆく。
「残念だけど、当分ここにいてもらうしかないよね」理沙が腕を組んで呟くと、この子の右ひじを引いて、部屋の奥に行くように促す。
それを見ながら、浜田がジャケットのポケットに両腕を入れてせせら笑った。
「しかしあれだね。小沢も落ちたもんだな。こんな身障とつるんでるようじゃ、先が思いやられるよ。再教育しないと使えねぇ」
「もう学校違いますよ。だいぶ足洗った感じになってるし。それより、あの金髪女にもっと金持ってこさせましょうよ」
萌音がそう提案すると、この女らしき塊は、ギラリとねめつけて歯噛みする。
「連絡先知らねっつーだろ、お前ら。何度聞きだしてこいって言っも、なんで毎回ヘマって帰ってくんだよ。こないだだって、自宅までつけさせてんのに途中で撒かれやがって、くそが」
そう言って右手で萌音の右乳房を鷲掴みにすると、激しく押したり引いたりして上半身をなぶり揺らし、頬に唇を接近させた。
「この体でまた上手いこと稼いでこいよ。お前の巨乳ならいくらでも稼げるんだろうがよ、え?」
小声で凄まれた萌音が、恐ろしさのあまり顔を背けて、小さく「……はい」と答える。すると、その返答に満足した様子の浜田は、彼女を突き倒してキッチンスペースの向こうにある玄関ドアへとがに股でのっしのっしと歩いていって、そのまま1Kの部屋を出ていった。
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