あはれの継続

宮島永劫

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序 夏休み

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 僕は学校にどうしてもなじめない。僕の通っている学校はお父さんが医者、弁護士、社長など金持ちの子供が通うことで有名らしく、活発で自分から進んで発表する頭のいい子ばかりだ。そんな賢いお友達に比べ、僕は引っ込み思案で意気地なしだからお友達や先生に話しかけられても答えられない。話しかけるなんて以ての外、怖くてできやしない。そんなふうだからお友達ができないのでいつも自分の席でしょんぼりしている。僕はおしゃべりが下手なんだもの。いつも一人でいる僕を心配した先生や女の子たちはたまに寄ってきて声をかけてくれるけど、僕はどうしていいか分からないんだ。もじもじしちゃうし、顔が熱くなっちゃうし、涙と鼻水が出てきちゃう。そんなふうだから結局みんな僕から引いちゃうんだ。できるだけ目立ちたくないんだけどクラスで一番背が低いから並ぶときは一番前、とっても恥ずかしいんだ。後ろのみんなが笑っているようで怖いんだ。学校では口をあける回数が少ないんだ。僕は学校では本当にダメダメ人間、お友達とレベルが違うんだもの。お友達と同じことができない子を味噌みそかすっていうらしい。まさしく、その通り、味噌っ滓さ。なんでこんな有名校にいるんだろう、いやんなっちゃう。

 でも、夏休みの僕は違う。夏休み、僕は嬉しくてしょうがない。学校に行かなくていいんだもの。おじいちゃんの田舎に行くと僕はニコニコだ。おじいちゃんの田舎は田んぼが広がっていて見晴らしがいい。スーパーやコンビニはないし、自動販売機もない。村役場と農協が同じ敷地内で並んでいるけど、そこもうちの学校より小さいし、農協の横の直売場がスーパーを兼ねている。ファミリーレストランはないし、ハンバーガーや牛丼などファーストフードを取り扱うお店はないし、カフェやお洒落なケーキ屋さんもない。服屋さんも本屋さんもない。あるのは古めかしい住宅なんだけど整然としていてとても懐かしい感じがするんだ。車が通るといっても軽トラが時速二十キロくらいでゆっくり走るのがほとんどだ。バスも通勤通学の時間だけだ。通りを歩いても昼間は人にすれ違うことはない。多分、村の人口が少ないんだろうな。騒がしい東京と違ってなんにもない。なんにもないけど僕は笑っちゃうんだ。笑っちゃうのはしんちゃんのせいだ。おじいちゃんの屋敷にやってくる男の子・しんちゃんはいつも笑っているんだ。僕は赤ちゃんの時から一緒にいるんだけど、覚えている限りいつも笑っているんだ。僕はいつもしんちゃんの横にいるんだ。柔らかくてさ、あったかくてさ、とても気持ちいいんだ。横にいても気を使っておしゃべりしなくていいんだ。しんちゃんは難しいことは言わないし、あんまりしゃべんないし、常にニコニコしている。とにかく優しいから僕がどうしても引っ付いちゃうんだ。そんな優しいしんちゃんから、
「よっちゃん、ずっと一緒にいてね」
ってお願いされるんだ。こんな嬉しいお願いは他にないから僕は、
「しんちゃん、ずっと一緒にいてね」
って言うんだ。

 しんちゃんは自分の家のお仕事のお手伝いをしている。見習いだって言ってた。田舎の中でも由緒あるとても古い家だから決まったお召し物を着ているんだ。白衣に袴、とてもかっこいいんだ。しんちゃんのおうちの人間は古い書を読み、書き写すことを必ずやらなきゃなんないんだって。おじいちゃんの屋敷にいるときは朝ごはんを食べた後、二人でお勉強をするけど、しんちゃんは昔の書を手本にして書き写しているんだ。隣にいる僕は学校のワークやドリル、塾の宿題をやる。塾の算数がとても難しいんだけど、しんちゃんの書の方がすごいんだ。僕はちっとも読めないよ。でも、途中でね、筆がゆらゆらちゃうんだ。しんちゃん、僕といっしょにいると楽しくなっちゃうんだって。いつの間にか鼻歌を歌っているんだ。内容は分からないけど、変な歌だ。
「そのお歌、なんだかおもしろいね」
「そぉ? 下手?」
「そんなことないよ。しんちゃん、とってもうまいよ。でも、なんだか変なの」
「そりゃそうさ、きっと変なお歌なんだもの」
「どんな内容なの?」
「分かんないや。ずっと前のよっちゃんの先祖が書いた書に載っていたんだ。私がこれを歌うと、よっちゃんのおじい様やお父様は大笑いするよ」
「うん、笑うよねぇ」
「二人が喜ぶ顔を見るのが私は大好きなの。だから、いつの間にか歌っちゃうんだ」
「そうなんだ」
「うるさかったかなぁ」
「全然」
「じゃ、歌ってもいいかな?」
「いいよ」
しんちゃんは歌い出す。やっぱりおもしろいや。僕は漢字ドリルの練習をやるふりをしながら聴いてたのさ。
   はふん
   ふふふん
   あ~は~れ~
   はふん
   ふふふん
   ずっと好き~

 夏休みの宿題の一つに日記があった。僕は毎日嫌々書いていた。
  西瓜を食べたら美味しかった
  お父さんに買ってもらった本を読んだ
  算数の復習をした
  公園で二キロ走った
  お掃除のお手伝いをした
  お昼はそうめんを作って食べた
とか、どうでもいいことをひねり出して書いていた。夏休みの僕は笑ってばかりいるなんて先生やお友達に知られたくなかったし、しんちゃんのことを知られたくなかったから。お父さんからも、
「おじいちゃんの田舎のことは書かないでね」
って言われていたし。しんちゃんからも、
「恥ずかしいから書かないで」
って言われたから。しんちゃんに言われたら断れないさ。僕としんちゃんの秘密さ、なんか嬉しいよ。

 おじいちゃんの屋敷にいるときはお手伝いをしなきゃならないんだ。清掃が僕らの仕事だ。雑巾がけや庭掃除もしんちゃんと一緒だと楽しかった。雑巾がけは縁側で競争したんだ。しんちゃんは早いから僕はわざとぶつかるのさ。すると、しんちゃんはコロンと転がるのさ。僕も一緒に転がるんだ。大広間でもお尻をぶつけながらじゃれ合うからおじいちゃんに子犬みたいと言われたよ。
 お庭ではほうきでチャンバラごっこをするんだ、おじいちゃんもお父さんもニコニコ笑っている。しんちゃんは優しいし、賢いから絶対危ないことをしないんだ。僕が箒を振り回しても優しく受け止めてくれる。しんちゃん、本当はうまいんだろうなぁ。しんちゃん、きっと強いんだろうなぁ。
 しんちゃんは時代劇の役者さんの真似をしているんだって。
「此処で会ったが百年目」
「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい 」
「やーらーれーたー」
など、どこかで聞いたことがあるような台詞が言いたいんだって。僕もやりたくなっちゃう。
「しんちゃん、僕もやりたいな」
「いいよぉ」
しんちゃんの台詞を真似するのさ。
「やっておしまい!」
「いざ勝負!」
ってふうにね。長い箒を振り回して走り回るチャンバラごっこはホントに楽しいんだ。こんなの学校じゃ考えられないや。学校の先生は危ないことが大嫌いだし、注意するのが大好きだ。危ないからって『傘の先は必ず下を向けること』って傘の持ち方まで指導するんだもの。なんでもかんでもいちいち危ない、危ないって注意するからうんざりしちゃう。そういうことは伝染うつるのかな、頭のいいお友達は騒いだお友達に、
「真面目にしなさい」
って注意するんだ。そんなふうだから僕はいつもビクビクしてるんだ。僕の夏休み、田舎はいいなぁ。誰も注意しないし、怒んないんだ。
 おじいちゃんの屋敷の庭の片隅に桔梗がたくさん咲いている。
「よっちゃんのご先祖様が山田村にやってきてここに屋敷を建てた時から植えてあるんだよ。桔梗は咳を鎮めたり,熱や痛みを和らげる効能があるんだよ。よっちゃんのご先祖様はお薬として苦しむ人に配っていたんだ。作り方も書き残してくれているよ。よっちゃんの先祖はホントにすごいや」
しんちゃんは嬉しそうに言う。
「よっちゃんに質問です。桔梗の花言葉はなんでしょう?」
「知らないや」
「『変わらぬ愛』だって」
「へぇ~、なんだかロマンチックだね」
「ずっと好き~」
しんちゃん、僕、照れちゃうよ。僕はしんちゃんに体をすり寄せたのさ、真夏なのにね。僕らは雑草抜きをしながらポンポンに膨らんだ桔梗のつぼみが開くのを待っていたのさ。

 おじいちゃんの屋敷に寝泊まりするんだけど、僕は毎夜しんちゃんを呼んだ。田舎の夜は怖いんだ。真っ暗だし、窓が開けっ放しなんだもの。大人は横にいてくれるけど僕がうとうとして静かになった途端、広間に行ってしまうんだ。僕とずっと一緒にいてくれないんだ。でも、しんちゃんは違う。ずっと一緒にいてくれるんだ。
「しんちゃん、一緒にいてね」
僕は繰り返し言っちゃうんだ。
「しんちゃん、暗いのって怖くないの?」
って聞くと、
「慣れちゃったよ」
って言う。強いなぁ。
「僕は慣れていないから怖いよ。誰か入ってくるんじゃんないかって」
「そうだねぇ。でもね、今までいろんな人が入ってきたけどみんないなくなっちゃってるよ」
「そうなの?」
「うん、悪い人はいなくなっちゃうみたいだよ」
「どうやって?」
「知らない人が来ると追い返しているよ。自警団の人が、この村には泊まる場所はないって注意してるんだ」
「ふぅん。東京じゃ考えられないよ。知らない人ばかりだよ。夜もお店は開いているし、街灯も多いから明るいよ」
「そっかぁ。山田村と全然違うね。でも、暗いといいことがあるよ」
「いいことってなぁに」
「それはね、よっちゃんが一緒にいてくれることさ」
僕はそれが聞きたくて毎夜のように怖がったよ。そして、しんちゃんのお歌を聴きながらいつの間にか眠っちゃうんだ。しんちゃんの温もりを感じながら。
   よっちゃん
   よっちゃん
   よっちゃんちゃん~
   ずっとずっと一緒にいてね~

 東京に帰らなければならない日、僕は大泣きするんだ。この世の終わりかのように泣いちゃうんだ。東京に戻ってもなんのいいこともないんだもの。学校がつまらないのはしょうがないけど、東京にはしんちゃんがいないんだもの。ずっと一緒にいたいんだもの。お別れの日、いつもニコニコのしんちゃんが寂しそうだ。僕を見つめる黒い瞳はきれいで吸い込まれちゃう。
「よっちゃん、私のこと、思ってくれて嬉しいよ」
って、僕をなぐさめるのさ。
「よっちゃん、私はよっちゃんとずっと一緒だよ」
しんちゃんからよく聞く、ずっと一緒という言葉。
「お別れしなきゃなんないのに、ずっと一緒ってどういうことさ」
僕は怒りっぽく言っちゃう。いけないのは分かってるけどさ、悲しくてさ。
「よっちゃんは東京に行っちゃうけど、ここに残る私はずっとよっちゃんを好きなままでいるからさ。だから、よっちゃんはいつも私と一緒なのさ」
「本当?」
「本当さ」
「ホントにホント?」
「本当さ、私はよっちゃんのことが本当に好きなんだもの」
「うふふ、嬉しいなぁ」
しんちゃんには僕が言ってほしいことが分かるんだ。
「僕のこと、なんでそんなに思ってくれるの?」
僕は甘えるのさ、しんちゃんの優しい言葉が聞きたくて。
「そりゃ、よっちゃんが良い人だからだよ」
「良い人じゃないよ、意気地なしさ。学校では味噌っ滓さ」
「でもさ、ずっと昔からよっちゃんは良い人って決まってるんだよ」
「ん?」
「これまでのよっちゃんが良い人だから、これからのよっちゃんも良い人さ」
「そうなの?」
「そうさ」
「なんで分かるの?」
「だってよっちゃんが昔のよっちゃんとそっくりなんだもの」
「えっ? 僕と昔のよっちゃんがそっくりなの」
「そうだよ。昔のよっちゃんが書いた歴史書を読むとホントそっくりだよ。昔のよっちゃんはとても良い人で昔のしんちゃんは大好きだったんだよ」
「昔のよっちゃんと昔のしんちゃん?」
「そう、よっちゃんとしんちゃんは昔からいるよ。私の曾祖父ひいじい様がしんちゃんって呼ばれていたし、よっちゃんのおじい様はよっちゃんって呼ばれていたんだよ」
「へぇ。おじいちゃんの名前は良明よしあきだから、確かによっちゃんだね」
「私の家は曾祖父様と同じ名前でしんちゃん、よっちゃんの家はおじい様と同じ名前でよっちゃんだよ。長い歴史の中でこれをを繰り返しているんだよ」
「ずっと昔から?」
「そう。きっと私のまごはしんちゃん、よっちゃんの孫はよっちゃんになるよ」
「へぇ、なんかすごいね」
「だから、これからもずっとしんちゃんとよっちゃんは仲良しさ」
しんちゃんの目はずっと僕に向けられている。とても嘘を付いているように思えない。歴史書に残っているなら調べれば分かるけど、
「これからもってどういうことさ?」
しんちゃんは真顔だ。
「私はこれからもずっとよっちゃんが好きだからさ」
「ずっと好きだとどうなるのさ?」
「ずっと仲良しでいられるのさ」
「好きでいられるのかな?」
「私は好きでいられるよ。昔からよっちゃんとしんちゃんはずっと仲良しだからね」
しんちゃんは何でこんなに強いんだろう。僕みたいにフワフワしてない。常に優しい。常に落ち着いている。
「しんちゃんと違って、僕、お馬鹿で味噌っ滓だから君に嫌われちゃう」
「き・ら・わ・な・い」
僕はしんちゃんに抱きついたのさ。
 お父さんが僕らに近づいていた。あれっ、お父さん、泣いてるの?
「しんいちろうはかわいいねぇ」
しんちゃんの頭を撫で、そのまま抱き寄せた。
「しんいちろう、ありがとう」
しんちゃんはお父さんの懐に埋もれた。僕も一緒に抱き着いた。しんちゃんの『ずっと一緒』ってこういうことかな、お父さんもおじいちゃんもみんなしんちゃんが好きだ。中島家の人間はみんなそろってしんちゃんが好きなんだ。おじいちゃんはいつも、
「しんいちろうはいい子だ」
と言っている。お父さんもしんちゃんからのお手紙を見ると必ず言うんだ、
「しんいちろう、かわいい」
「しんいちろうは賢い」
って。しんちゃんと僕が生まれたときは山田村のみんなが喜んだっておじいちゃんが言っていた。山田村のおばあちゃんたちは涙を流して喜んだって言っていた。僕は東京に住んでいるけど、この山田村にいたんじゃないかって思うんだ。懐かしいもの、なにもかも。おじいちゃんはこの村唯一の診療所の医師、村のみんなから尊敬されている。僕の自慢のおじいちゃんだ。お父さんもいづれ継ぐんだろうな。僕もそうなるのかしら。昔のよっちゃんと同じならきっと・・・。
 お父さんが車に乗り込む。別れの時だ。僕はまたしんちゃんに抱きついた。だって、とっても柔らかくて暖かいんだもの。こんなに触れてもいい子なんて他にいない。ずっと一緒にいてって言ってくれる子なんて他にいない。仲良しっていいなぁ。

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