ヒーローになりたかった君へ

シミテクト

文字の大きさ
1 / 3
プロローグ

プロローグ

しおりを挟む


「助けて…助けて…誰か……神様……ッ」

恐怖のあまり腰を抜かしてしまっている少女の目の前には、見たこともないが立っており、怯える彼女をまるで嘲笑うかの様にゆっくりと近づいている。


その怪物の大きさは大人の男性と同じくらいであろうか。
2mはなさそうではあるが、二本足で立っており、全身が黒い肌で覆われている。
特筆すべきはその両腕、手の先が鋭い刃物のようになっており、その腕を振るえば少女の身体を両断することは簡単だろう。

その光景を木に隠れながらじっと息を潜めながら1人の男ががばれないように遠くから見つめていた。

「はぁ…はぁ………なんなんだよ…あれ……」

自分の存在がバレたらすぐにあの怪物に殺されてしまう。
それが分かっていながらも口から恐怖が言葉となり出てきてしまう。

震える身体を押し殺して、自分の存在がバレない事を祈りながら、彼はじっと息を潜めている。

(一体なんだ…あんな生物見たことないぞ…)

その怪物は今までの人生で見たこともないものであった。
生物ではあるのだろう。
しかし、やつからは生物特有の雰囲気が感じられない。

まるで機械の様な無機質な存在感を感じさせられる。

(ってかなんなんだよ!!なんで俺は今なんでこんな状況に巻き込まれてんだよ!!)

青年は心の中で悪態をつきながらも、どうにかしてあの少女を助けられないか考えていた。

手元にあるもので使えそうなものは、先程自分が起きた時横にあった戦国時代を彷彿とさせる日本刀。

あの怪物の移動速度は分からないが、少女は腰を抜かしてしまっており、すぐに動けるかはわからない。自分が時間を稼いで逃げたとしてもすぐに追いつかれる可能性も高いだろう。

(つまり………結局やるしかないってことかよ…)

男は覚悟を決め、日本刀の柄を両手で力強く握りしめる。

想像よりもよっぽど重いんだよな、と恐怖を感じながらも冷静な自分がいる事に安心を覚える。

「……よし……いくかっ………」

神城優希かみしろゆうきは覚悟をきめ、背後からその怪物に飛びかかり刀を振り下ろした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。

火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。 王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。 そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。 エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。 それがこの国の終わりの始まりだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...