R18 溺愛カレシと、甘い甘いエッチ♡ オトナの#秒恋 〜貴方と刻む、幸せなミライ〜

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piece10 悠里は俺のもの、俺は悠里のもの

写真集

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***


2人でローテーブルの前に並んで座り、一緒に写真集を開いていく。

せっかくだから、最初からゆっくり見たいな、と剛士が言ってくれたのだ。

悠里の写真だけでなく、純粋に、この作品を楽しもうとしてくれる。
彩奈の写真部や、ファッション部が、一生懸命作ったものを大事に考えてくれる剛士が、愛おしい。

恥ずかしいけれど、やっぱり見て貰えるのは嬉しいなと、悠里の胸は甘く弾んだ。


剛士が、丁寧に1ページ目を捲る。
「おお……」
見開きで現れたコンセプトフォトに、彼は感嘆の声を漏らした。

この写真のテーマは、「森の妖精」。
光差し込む木々と、佇む人影の対比が美しいページになっている。
人影は、顔や衣装の詳細は見えない。
しかし、風に棚びくドレスのスカートの流れが芸術的だ。
まさに「妖精」が、そこに居るかのように見える瞬間を捉えた1枚だった。

「すごいな……日本じゃないっていうか、現実じゃないみたいな。幻想的な写真だよな」
「うん。人間の世界じゃないような雰囲気にしたかったって、言ってたよ」

剛士が、しっかりとコンセプトを感じ取ってくれたのが嬉しい。
悠里は、写真部とファッション部が目指した世界観を補足し、微笑んだ。


長い指が、ゆっくりとページを捲っていく。

もうすぐ、自分の写る場所に、辿り着く……
一緒に写真集を楽しみながらも、次第に悠里の胸は、緊張に浮き足立っていった。


「あ……」
剛士が、はたとページを捲る手を止めた。

そこは、大樹の枝が写る写真。
そして、淡い黄色のドレスを纏った悠里が、太い枝に座ってこちらを見ている写真だった。


イメージは、森で迷った人間が出会う、不思議な少女。
人間離れした雰囲気を演出するために、工夫を凝らした1枚だ。

枝に腰掛けて、片脚はブランコのようにぶらつかせ、もう片脚は立てて。
気怠げに樹にもたれかかり、じっと、こちらを見つめる。

丈の長い、薄いレースのあしらわれたドレス。
枝に流れるスカートのラインが、美しい。
空から差し込む光も相まって、布地が淡く輝いているように見える。
とても神秘的な作品になっていると思う。


しかし、片膝を立てて座っているため、枝から降ろした方の脚は、太腿の高い位置から見えている。
それに加えて裸足なので、片側の脚は、本当に全て見せている状態だった。


剛士の反応が気になり、悠里は上目遣いに窺う。
見上げた彼の横顔には、優しい微笑みが浮かんでいた。

「うん……すごい綺麗」
「ほ、本当?」
「うん」
ぎゅっと手を包み込まれ、悠里の胸は甘く早鐘を打つ。


「月並みな表現しか思いつかないけど……ほんと、妖精が座ってるみたい」
剛士は傍らの悠里に向き直り、柔らかく微笑んだ。
「悠里、こういう雰囲気似合うな」

恥ずかしさに真っ赤になった悠里の頬を撫で、剛士は思いつくままに賛辞を贈る。
「服も綺麗だし、髪もなんか、パーマかかってて、可愛い。あと、瞼がピンクと黄色になってて、唇もちょっと赤くて、可愛い。うん、可愛い」


ひと息に『可愛い』を連呼され、思わず悠里は両手で頬を覆ってしまう。
「あ……ありがと……」

ドレスやヘアメイクに決して詳しくはない剛士が、一生懸命に言葉を尽くして、褒めてくれる。
その気持ちが嬉しくて、悠里は恥じらいながらも彼の肩に身を寄せた。


「ねえ、悠里の写真、まだある?」
「う、うん……あと、もう1枚」
「やった」
「あ、でも、それは後ろ姿なんだ。髪型もまた違うし……」

後ろ姿のフォトは、悠里が担当したもの以外にも、何点かある。
自分の写真に気づいて貰えるかな、と悠里は少し、不安になる。
しかし剛士は、自信ありげに笑った。

彼は嬉しそうに、再びページを捲り始める。


もう1枚も、すぐそこだ。
気づいてくれるだろうか。
恥ずかしさと期待に、悠里の胸は膨らんだ。

そのページに辿り着いた瞬間、剛士の手が止まった。
「おお……」
そうして、感嘆の吐息を漏らしている。


気づいてくれた!
嬉しくなり、思わず悠里は、繋いだままだった彼の手を握る。
大きな手が、応えるように握り返してくれた。


淡い水色の、マーメイド型のドレス。
崖と滝のある風景で、悠里は滝を見上げているように佇んでいる。
長いドレスの裾は地にまで広がり、穏やかに波打っている。

髪は緩やかに巻いて、アップに纏めて。
自然な後れ毛が、首と背中にかかっている。


トクトク、と悠里の胸が鼓動を速める。

このドレスは、背中から腰にかけて、大きく開いたデザインだ。
開いた部分には、左右でクロスするようにリボンが編まれている。
が、そのリボンは殆ど紐のような細さなので、背中が全て見えているようなものだ。


剛士は沈黙して、じっと写真を見つめている。

先程の、脚を露出した写真よりも、恥ずかしいかも知れない。
悠里は思わず、目を伏せてしまう。


「綺麗……だな……」
殆ど吐息だけの声で、剛士が言った。
「本当? 嬉しいな」

可愛いではなく、綺麗だと剛士に言って貰えることは、滅多にない。
悠里の頬に、甘い熱が集まる。
恥ずかしかったけれど、写真集を見せて良かった。

悠里は微笑んで、剛士を見上げる。
「でも、これが私って、よくわかったね。顔も見えないし、けっこう遠くから撮られた写真なのに」
「当たり前だろ」

剛士の唇が、ふいに悠里の耳を掠めた。
「俺、悠里の身体……全部、覚えてるよ?」


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