#秒恋4 恋の試練は元カノじゃなくて、元カノの親友だった件。

ReN

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piece6 密室の恐怖

恐怖の始まり

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放課後になり、悠里は彩奈と連れ立って駅に向かう。
いつものように、駅構内で10分程立ち話をする。

「あはは、話が尽きないねえ」
彩奈が楽しげに微笑んだ。
「また今度、お茶しながらゆっくり話そ!」
「うん!」

悠里もにっこり微笑んで、彩奈の手を握る。
「……じゃあ彩奈。また明日ね!」
「おー、悠里、また明日ね!」
彩奈もしっかりと悠里の手を握り返し、名残惜しそうにその手を振った。


遠ざかっていく、親友の背中。
悠里は、しっかりと目に焼き付ける。

改札をくぐり、ホームへの階段を登っていく彩奈。
それを見届けると、悠里は細く、息を吐いた。
そうして踵を返し、駅の外へと向かう。
カンナの待つ、カラオケボックスへと。


「おっそーい!」
カラオケボックスの待合スペースには、既にカンナと、4人の男子生徒がいた。
「センパイを待たせるなんて、いい度胸じゃん」
「すみません」
悠里は両手で鞄を持ち、頭を下げる。

男子生徒たちが歓声をあげて悠里を迎える。
今日は、勇誠学園の制服が2人、近隣の共学高校の制服が2人だ。
悠里は唇を噛み、目を伏せる。
「うわ、本物だー!」
「めっちゃかわいいー!」
「実物の方がいいじゃん!」

ああ、そうだ。この人たちは、学祭の写真を見て集められた人だった。
悠里は妙に冷えた頭で考える。
「さすがに今日は着物着てないか!」
「当たり前だろー」
硬い表情をした悠里をよそに、男子生徒は盛り上がっている。

「ほら、さっさと部屋入るよ!」
受付を済ませたカンナが皆を急かす。
悠里を逃すまいとするかのように、男子生徒たちが彼女の周りを囲んだ。
思わず脚を竦ませた悠里をカンナが急き立て、エレベーターに乗り込む。
悠里は俯き、ぎゅっと目を閉じた。

目的の階への到着を告げる、軽快なエレベーターの音。
それは悠里にとって、恐怖の始まりを告げる音だった。

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