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piece8 ずっと話したかった
君は優しすぎる
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「っていうか、悠里ちゃんは、いつも通りに呼べばいいのに。今カノなんだからさ」
「あ、あの、ちが……まだ、お付き合いはしてなくて……」
エリカの言葉に、悠里は慌てて首を横に振る。
「いやいや、実質彼女でしょ! 剛士は悠里ちゃんのこと、めちゃめちゃ好きじゃん」
エリカは、弾かれたように笑い出した。
「そうでなきゃ、ゴウって呼んで、なんて言わないよ。親友と、悠里ちゃんしか呼ばない、特別な呼び方。剛士にとって、それだけ特別なんだよ、悠里ちゃんがさ」
悠里は、エリカの声を反芻しながら、真っ赤に染まっていく顔を持て余す。
そうだったとしたら、本当に嬉しい。
『ゴウって、呼べよ』
腰を屈めて、自分と目線を合わせて。
剛士は、ゆっくりと囁いた。
『悠里』
真っ直ぐに自分を見つめてくれた、切れ長の瞳――
悠里は熱くなった頬を手で隠し、俯いた。
エリカが、優しく目を細める。
「悠里ちゃんが、いつも通りに呼ばずに話してたのは、私に気を遣ってくれたんでしょ?」
「それは……」
口ごもる悠里に、エリカは微笑んだ。
「……カンナのことを、剛士に相談しなかったのも。私のため?」
ああ、鋭い人だ、と悠里は心の中で白旗を上げる。
この人を誤魔化すことは、できない。
悠里は、降参の微苦笑を浮かべた。
「エリカさんとゴウさんの、話し合いの邪魔を、したくなくて……」
エリカの親友であるカンナと、悠里がトラブルになっていると知られてしまったら。
きっと2人は、話し合いをするどころではなくなる。
剛士もエリカも、過去と決別して前に進むことができなくなる。
せっかく、ここまで来たのだから。
あと、もう少しなのだから――
その一心で、悠里は口を閉ざしてきたのだ。
「……やっぱり、そうか」
体育座りをしたエリカは、膝の上に乗せた腕を枕にし、そっと顔をうずめた。
「……お人好しだなあ、悠里ちゃんは」
今まで元気だったエリカの声に、僅かな翳りが見え、悠里は言葉を失う。
エリカは、腕に頭を乗せたまま悠里の方を向くと、悲しい顔で微笑んだ。
「君は、優しすぎる……剛士と、おんなじだ」
「あ、あの、ちが……まだ、お付き合いはしてなくて……」
エリカの言葉に、悠里は慌てて首を横に振る。
「いやいや、実質彼女でしょ! 剛士は悠里ちゃんのこと、めちゃめちゃ好きじゃん」
エリカは、弾かれたように笑い出した。
「そうでなきゃ、ゴウって呼んで、なんて言わないよ。親友と、悠里ちゃんしか呼ばない、特別な呼び方。剛士にとって、それだけ特別なんだよ、悠里ちゃんがさ」
悠里は、エリカの声を反芻しながら、真っ赤に染まっていく顔を持て余す。
そうだったとしたら、本当に嬉しい。
『ゴウって、呼べよ』
腰を屈めて、自分と目線を合わせて。
剛士は、ゆっくりと囁いた。
『悠里』
真っ直ぐに自分を見つめてくれた、切れ長の瞳――
悠里は熱くなった頬を手で隠し、俯いた。
エリカが、優しく目を細める。
「悠里ちゃんが、いつも通りに呼ばずに話してたのは、私に気を遣ってくれたんでしょ?」
「それは……」
口ごもる悠里に、エリカは微笑んだ。
「……カンナのことを、剛士に相談しなかったのも。私のため?」
ああ、鋭い人だ、と悠里は心の中で白旗を上げる。
この人を誤魔化すことは、できない。
悠里は、降参の微苦笑を浮かべた。
「エリカさんとゴウさんの、話し合いの邪魔を、したくなくて……」
エリカの親友であるカンナと、悠里がトラブルになっていると知られてしまったら。
きっと2人は、話し合いをするどころではなくなる。
剛士もエリカも、過去と決別して前に進むことができなくなる。
せっかく、ここまで来たのだから。
あと、もう少しなのだから――
その一心で、悠里は口を閉ざしてきたのだ。
「……やっぱり、そうか」
体育座りをしたエリカは、膝の上に乗せた腕を枕にし、そっと顔をうずめた。
「……お人好しだなあ、悠里ちゃんは」
今まで元気だったエリカの声に、僅かな翳りが見え、悠里は言葉を失う。
エリカは、腕に頭を乗せたまま悠里の方を向くと、悲しい顔で微笑んだ。
「君は、優しすぎる……剛士と、おんなじだ」
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