#秒恋4 恋の試練は元カノじゃなくて、元カノの親友だった件。

ReN

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piece10おまけのお話 悠里と拓真

お待ちしておりましたよ!

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久しぶりに4人で遊んだ土曜日。
剛士に家まで送って貰った悠里は、すぐにスマートフォンを取り出す。

ひとつめの呼び出し音が鳴ったかどうか、というスピーディーさで、拓真が応答した。
『もしもし悠里ちゃん! お待ちしておりましたよ!』

「待っていてくれたんですか?」
思わず悠里は笑ってしまう。
『だって悠里ちゃん、オレと彩奈ちゃんとバイバイした後、ゴウと話したでしょ?』

さすがは拓真。何でもお見通しというわけだ。
「ふふ、はい!」
悠里は口元に微笑みを浮かべながら、肯定した。


2月の終わりの土曜日。久しぶりに4人で遊んだ今日。
悠里の最寄り駅まで、送ってくれた剛士。
駅前ロータリーのベンチに腰かけ、2人で話をした。
抱きしめてくれた。
腕の中で、泣かせてくれた。
帰宅した悠里は早速、拓真に電話をかけたというわけだ。


拓真が、すまなそうな声で囁いた。
『昨日のこと……ゴウに話して、ごめんね?』
「……ふふ、バラしたなー?」
冗談めかして悠里が抗議すると、拓真も笑いながら謝ってきた。
『やー、ごめん!ごめんね! 悠里ちゃん、許して?』
「ふふっ」
可笑しくなって、2人とも笑い始めた。


「……でも、膝のケガのことは、黙っていてくれたんですね」
『うん、まあね』
拓真は戯けたように答えた。

『だってオレ、不可抗力と言えど、悠里ちゃんに触っちゃったしね。ゴウにはヒミツにしとかないと、オレがヤバいでしょ!』
「あはは」

本当は、剛士に知られたくない、心配をかけたくないと思う、悠里の気持ちを尊重して。
拓真は、ケガのことを剛士に伏せてくれたのだろうに。
こうしてふざけてみせて、悠里を笑わせてくれる。
拓真の心遣いは本当に、温かい。


悠里は、柔らかな声音で囁いた。
「ありがとう、拓真さん」
『どういたしまして! それで……大丈夫だった? ゴウと、ゆっくり話せた?』
「……うん」

本当は、全てを話せてはいない。
自分は、剛士に隠し事をした。嘘をついた。
ズキリと胸が疼き、我知らず、悠里の声は引き攣れてしまった。


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