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本編
第16話 初恋
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英弘8(2026)年2月
期末試験が無事に終了し、春休みに入った理仁親王と近衛智久、二条明子、徳川佐喜子の学友グループ。
そんなある日、理仁は珍しく1人(と言っても側衛の田中が同行しているが)が3人がアルバイトをしているファストフード店を訪問していた。
平日のピーク時を過ぎて人もまばらであり、スタッフもマネージャーの女性社員と学友3人のみとかなり少ない。ちなみに明子が厨房に入っており、カウンター前にいるのは佐喜子と智久だ。
「いらっしゃいませ~...って理仁殿下!?」
佐喜子は普段の様な呼び方ではなく外なので敬称で呼んでいる。
「そういえば佐喜子ちゃんがシフト入ってるときに来るのは初めてかも。制服凄く似合ってるね、可愛い」
そう言って微笑む理仁と顔を真っ赤にする佐喜子。
「え、あ...ありがと...」
また、理仁も自分が言った言葉に照れたのか頬を染める。
「あ、ご注文はいかがなさいますか?」
「これのセットで」
フリーズした佐喜子に代わって智久が注文を尋ねる。慌てて彼は指をさしたのだがそれは『侍セット』と呼ばれるボリューミーなバーガーであった。
「サイドメニューはどうされますか?」
「サラダにしようかな。ドレッシングは胡麻ドレッシングで」
「ドリンクはいかがなさいますか?」
「お茶で」
「店内でお召し上がりになられますか?」
「はい」
「お会計900円です」
「1000円でお願いします」
「お釣り100円のお返しとレシートです。モニターの前でお待ちください。ありがとうございます」
そうやり取りをしてから理仁は移動する。彼の頬は先程の発言のせいで真っ赤になっていた。明子に対して言った際には何も感じなかったのに佐喜子に対してだけは恥ずかしくなってしまう。
(これが...人を好きになるってことなのかな...)
理仁は19年(もうすぐ20年となるが)の人生の中で初めて抱いた感情に戸惑っていた。
(佐喜子ちゃんは本当に良い子だし...肝も据わっている。ぶれる事のない自分の軸を持った素晴らしい女性だ...きっと皇室に入ったとしても適応していくに違いない。でも...)
そう思っている時だった。
「レシート番号103番のお客様~!」
佐喜子の声が聞こえた。自分のレシートを確認するとしたに103と書かれている。
「ごゆっくりお食事をお楽しみください、ありがとうございます」
そう言って笑顔を見せる佐喜子に彼の頬はほのかに赤く染まった。
◇◇◇
理仁が食事を終えて帰宅し夕方ごろに勤務を終えスタッフルームに集まった3人。
「ねえねえ、おっさんに可愛いって言われてフリーズしてたよね佐喜子ちゃん!」
明子がそう言って佐喜子をからかう。
「うん...何かね...凄く胸がポカポカしたというか...ドキドキしたような...そんな気持ち...」
そう頬を赤らめながらはにかむ姿に明子は(おぉ~...こりゃ相当惚れ込んでんな~)と感じた。
智久も(お互いに好きなのは傍から見てれば分かるしな...まあ...アイツの特殊な立場を考えると二の足踏んでるんだろうな...)と2人のお互いへの恋心を察しつつ理仁の心情を慮っていた。
「ま、俺らも交際初めて長いし相談あるならいつでも来い」
「そうそう!私ら2人の味方だからさ!」
そう言って佐喜子の肩を叩く2人。佐喜子は「ありがとう、2人共」と笑顔を見せた。
両片想いとなった2人を明子と智久は優しく見守るのであった。
期末試験が無事に終了し、春休みに入った理仁親王と近衛智久、二条明子、徳川佐喜子の学友グループ。
そんなある日、理仁は珍しく1人(と言っても側衛の田中が同行しているが)が3人がアルバイトをしているファストフード店を訪問していた。
平日のピーク時を過ぎて人もまばらであり、スタッフもマネージャーの女性社員と学友3人のみとかなり少ない。ちなみに明子が厨房に入っており、カウンター前にいるのは佐喜子と智久だ。
「いらっしゃいませ~...って理仁殿下!?」
佐喜子は普段の様な呼び方ではなく外なので敬称で呼んでいる。
「そういえば佐喜子ちゃんがシフト入ってるときに来るのは初めてかも。制服凄く似合ってるね、可愛い」
そう言って微笑む理仁と顔を真っ赤にする佐喜子。
「え、あ...ありがと...」
また、理仁も自分が言った言葉に照れたのか頬を染める。
「あ、ご注文はいかがなさいますか?」
「これのセットで」
フリーズした佐喜子に代わって智久が注文を尋ねる。慌てて彼は指をさしたのだがそれは『侍セット』と呼ばれるボリューミーなバーガーであった。
「サイドメニューはどうされますか?」
「サラダにしようかな。ドレッシングは胡麻ドレッシングで」
「ドリンクはいかがなさいますか?」
「お茶で」
「店内でお召し上がりになられますか?」
「はい」
「お会計900円です」
「1000円でお願いします」
「お釣り100円のお返しとレシートです。モニターの前でお待ちください。ありがとうございます」
そうやり取りをしてから理仁は移動する。彼の頬は先程の発言のせいで真っ赤になっていた。明子に対して言った際には何も感じなかったのに佐喜子に対してだけは恥ずかしくなってしまう。
(これが...人を好きになるってことなのかな...)
理仁は19年(もうすぐ20年となるが)の人生の中で初めて抱いた感情に戸惑っていた。
(佐喜子ちゃんは本当に良い子だし...肝も据わっている。ぶれる事のない自分の軸を持った素晴らしい女性だ...きっと皇室に入ったとしても適応していくに違いない。でも...)
そう思っている時だった。
「レシート番号103番のお客様~!」
佐喜子の声が聞こえた。自分のレシートを確認するとしたに103と書かれている。
「ごゆっくりお食事をお楽しみください、ありがとうございます」
そう言って笑顔を見せる佐喜子に彼の頬はほのかに赤く染まった。
◇◇◇
理仁が食事を終えて帰宅し夕方ごろに勤務を終えスタッフルームに集まった3人。
「ねえねえ、おっさんに可愛いって言われてフリーズしてたよね佐喜子ちゃん!」
明子がそう言って佐喜子をからかう。
「うん...何かね...凄く胸がポカポカしたというか...ドキドキしたような...そんな気持ち...」
そう頬を赤らめながらはにかむ姿に明子は(おぉ~...こりゃ相当惚れ込んでんな~)と感じた。
智久も(お互いに好きなのは傍から見てれば分かるしな...まあ...アイツの特殊な立場を考えると二の足踏んでるんだろうな...)と2人のお互いへの恋心を察しつつ理仁の心情を慮っていた。
「ま、俺らも交際初めて長いし相談あるならいつでも来い」
「そうそう!私ら2人の味方だからさ!」
そう言って佐喜子の肩を叩く2人。佐喜子は「ありがとう、2人共」と笑顔を見せた。
両片想いとなった2人を明子と智久は優しく見守るのであった。
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