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第一章
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「敵襲!敵襲!」
見張りの叫び声がした。「敵鳥魔物襲来!」
対応策が形になったと思われたため、前回敵襲にあった場所にも見張りを配置したのだ。
策の主眼は、弱点の補強であった。
この砦で用意されていた武器は、弓矢、単発の小型大砲、壁を登る敵用の、石と共に下へ投下する網、投石機などであった。
網は、壁の穴から直に石を落とすより、網と共に落としたほうが効果的だろうということで用意されていた。
剣や槍もあるが、近接戦闘用なので侵入されたときなどに使うようになる。
鳥型魔物が、砦の上から来るとき、これらの武器で具合が悪かった点は、砦から上空に向けて射出できる武器があまり無かったことだった。
弓、砲撃、投石機などで射出されたものは、放物線を描いて下に落ち、上へ向けての射出は難しかったのだ。
だが現在、矢は目標へ直線的に射られていた。もちろん上空へも。
鳥型魔物は、そのほぼ全数が矢とともに翼を絡め取られ、落下し次々と壁下へ落ちて行った。
これには本隊が荷で運んできたボウガンと、網が活躍したのだ。
ボウガンから射出された矢は直線的に飛ぶため、上空を狙うのに都合が良かった。
また、敵の動きが素早く弓矢を当てるのが困難と手記にあったことを考慮して、矢と網とをロープで結び、目標物を網で絡めとるようにした。
これにより目標をとらえる範囲が広がり、素早い動きを封じることもできた。
網の分だけ重量がかさむが、ボウガンの威力だと射出することができた。
今落ちて行く敵は、この矢と網により、体を網にとられて落ちていったのであった。
小型大砲に関しては、上下左右への狙いの調整が遅く、上空を素早く動き回る敵へは狙いづらいため今回は予備のような位置づけになっていた。
兵士たちは、落ちたまま動けなくなっている敵をそのまま通常の弓矢で射殺そうとした。
ギズモンドが待ったをかけた。
火をつけて火矢にし、それで射殺せと命じたのだ。
先だって攻撃が出来ず亡くなった弓兵たち、兵士たちの無念をはらせ、彼らの策で、彼らと、今、共に戦うのだと。
そこに守られるようにして正規軍の真ん中にいたハモンドが、金髪を振り乱さんばかりに慌てて走って来て、口を挟んだ。
「そんな面倒なことはせず、せっかく落としたのだから早く早く殺してしまえ!」
ギズモンドは言った。
「早く倒すのには賛成である。
ついては、ハモンド殿のような大貴族が使えると話にある火魔法などで加勢をお願いしたい。
魔法があればもっと早く打ち倒せる。
自分はまだ魔法と言われているものを、生活魔法を除き、それほど目にしたことがないように思う。ぜひ拝見したい。」
ハモンドは口をパクパクさせていたが、このあたりは都合がよくないので難しいとかなんとかいいながら、正規軍の後方へ下がってしまった。
ハモンドが引き下がったので火矢の準備をさせた。
レベラは、ハモンド側の話にも一理ある、火矢をいきなり放つと、網が燃え敵が逃げのびないか危惧があると提言、受け入れられたため、
まず一斉に通常の矢や砲撃で殺し、その後弔い合戦と称して火矢を射かけた。
火は油を用いたのでゴウゴウと燃えた。
煙があたりに立ちこめ、砦に到着したときと同様になっていたが、
今回燃えて煙となっているのは敵であった。
見張りの叫び声がした。「敵鳥魔物襲来!」
対応策が形になったと思われたため、前回敵襲にあった場所にも見張りを配置したのだ。
策の主眼は、弱点の補強であった。
この砦で用意されていた武器は、弓矢、単発の小型大砲、壁を登る敵用の、石と共に下へ投下する網、投石機などであった。
網は、壁の穴から直に石を落とすより、網と共に落としたほうが効果的だろうということで用意されていた。
剣や槍もあるが、近接戦闘用なので侵入されたときなどに使うようになる。
鳥型魔物が、砦の上から来るとき、これらの武器で具合が悪かった点は、砦から上空に向けて射出できる武器があまり無かったことだった。
弓、砲撃、投石機などで射出されたものは、放物線を描いて下に落ち、上へ向けての射出は難しかったのだ。
だが現在、矢は目標へ直線的に射られていた。もちろん上空へも。
鳥型魔物は、そのほぼ全数が矢とともに翼を絡め取られ、落下し次々と壁下へ落ちて行った。
これには本隊が荷で運んできたボウガンと、網が活躍したのだ。
ボウガンから射出された矢は直線的に飛ぶため、上空を狙うのに都合が良かった。
また、敵の動きが素早く弓矢を当てるのが困難と手記にあったことを考慮して、矢と網とをロープで結び、目標物を網で絡めとるようにした。
これにより目標をとらえる範囲が広がり、素早い動きを封じることもできた。
網の分だけ重量がかさむが、ボウガンの威力だと射出することができた。
今落ちて行く敵は、この矢と網により、体を網にとられて落ちていったのであった。
小型大砲に関しては、上下左右への狙いの調整が遅く、上空を素早く動き回る敵へは狙いづらいため今回は予備のような位置づけになっていた。
兵士たちは、落ちたまま動けなくなっている敵をそのまま通常の弓矢で射殺そうとした。
ギズモンドが待ったをかけた。
火をつけて火矢にし、それで射殺せと命じたのだ。
先だって攻撃が出来ず亡くなった弓兵たち、兵士たちの無念をはらせ、彼らの策で、彼らと、今、共に戦うのだと。
そこに守られるようにして正規軍の真ん中にいたハモンドが、金髪を振り乱さんばかりに慌てて走って来て、口を挟んだ。
「そんな面倒なことはせず、せっかく落としたのだから早く早く殺してしまえ!」
ギズモンドは言った。
「早く倒すのには賛成である。
ついては、ハモンド殿のような大貴族が使えると話にある火魔法などで加勢をお願いしたい。
魔法があればもっと早く打ち倒せる。
自分はまだ魔法と言われているものを、生活魔法を除き、それほど目にしたことがないように思う。ぜひ拝見したい。」
ハモンドは口をパクパクさせていたが、このあたりは都合がよくないので難しいとかなんとかいいながら、正規軍の後方へ下がってしまった。
ハモンドが引き下がったので火矢の準備をさせた。
レベラは、ハモンド側の話にも一理ある、火矢をいきなり放つと、網が燃え敵が逃げのびないか危惧があると提言、受け入れられたため、
まず一斉に通常の矢や砲撃で殺し、その後弔い合戦と称して火矢を射かけた。
火は油を用いたのでゴウゴウと燃えた。
煙があたりに立ちこめ、砦に到着したときと同様になっていたが、
今回燃えて煙となっているのは敵であった。
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