不要とされる寄せ集め部隊、正規軍の背後で人知れず行軍する〜茫漠と彷徨えるなにか〜

サカキ カリイ

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最終章

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それから、僕はお父さんを真似て獣のとり方を覚えないといけなかった。でも残念ながら、あまり上手くいかない。

もちろん、お父さんみたいに大きくないから、丸呑みなんてできない。

でも、そもそもの体の動かし方があまり上手くないみたいだ。なんでこんなに動くの難しいんだろう?

「…そのうち慣れるさ。まだまだ時間はある。」お父さんが慰めてくれる。どうなんだろう。できるようになれるんだろうか。

お父さんは続けて言ってくれた。「それとな、体の動かし方だけが獲物をとる方法の全てではないのじゃぞ。

お前がよく見ておったらわかったと思うが、わしは獲物をとる時に、相手を術にかけておる。

じっと相手の目を見すえる。こうすると、相手はこちらの意のままになるのじゃ。無抵抗になる。それから食べる。

わしは随分年を経て生きておる。動いて獲物をとるばかりだと、もはや難しいことが多いからの。

だから、体の使い方がうまくなくても、術が使えていれば相手を倒せるから、そう心配するでない。

そしてエフィド。お前はわしより様々な術が使えるのだ。わしよりもっともっと強くなれるのだぞ。

獲物をとらえるとき、そして敵を倒すとき。それらの術でもって相手を仕留めるようにしたらいいぞ。」

「ええっ!」僕は驚いた。「僕に、そんな力があるの?全然わからないや。」でもそれが本当なら嬉しいな。

「そのうちわかるさ。その時が来さえすれば。お前が、このわしが教えるところの「敵」を倒すときが来れば。

あますところなくその力を惜しみなく使うのじゃ。
必ずそれら敵を仕留め打ち倒してゆくのじゃ。
わしの子として恥ずかしくない生き方をするのじゃ。」

そう言ったお父さんはなにやら陰のある表情をしていた。口元には笑みをたたえながら、ほの暗い瞳が揺れている。

それを見た僕はどうしてか、背中がぞっとしてしまった。お父さんには悪いけど、その時、ほんのほんの少しだけ、僕はお父さんのことが怖くなったんだ。

僕の大切なお父さんなのに、怖いなんて考えて、ごめんなさい。

胸に痛みがはしる。最近この痛みを感じることは多いんだ。なんだろう。
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