21 / 159
第1章 幼少期編
第13話 薬草採取?
しおりを挟む
俺は森へ足を踏み入れた。前に何度か母と来た事があるため、入口付近は問題ない。
日本のような急に斜面になっているような山ではなく、外国とかにありそうな傾斜の少ない、なだらかな丘のような地形に木が生えたイメージだと思う。
森の浅いところは、日々冒険者たちも足を踏み入れる為に、獣道のようなものが至る所に作られていた。
昼前だと言うのに、高さ5~10mくらいの木々に覆われた森の中は、若干薄暗い。
獣道のような所を通っても、薬草などは採り尽くされているだろうから、それ以外の所を目指したいけど、足元には場所によって50cm弱の草が生えていて容易に進めそうにもない。
俺の身長は典型的な5歳児くらいだと思うので、せいぜい110cmくらいだろうか? 身長の半分くらいの草が生える森を進むのは容易では無いのだ。・・・普通ならね。
世間には知られていないが、【無属性魔法】のレベルを上げると、とても便利な魔法が色々と使えるようになる。
「『浮遊』!」
俺が魔法を使うと、体がフワリと浮き上がる。よく考えたら、魔法を口に出す必要無いけど、つい勢いで叫んでしまった。
さて、この『浮遊』と言う魔法だが、体を少しだけ、およそ50cm程度浮き上がらせる事ができるのだ。まさに今回にピッタリな魔法である。
ただ、一つだけ問題があり、この魔法は浮き上がるだけの魔法なのだ。通常ならその場に止まることしか出来ない。そこで俺は無い知恵を絞って考えた。浮いたまま動くことは出来ないのかと。
試行錯誤の末に思いついたのは、『浮遊』で浮き上がった状態の俺に、【生活魔法】の一つである『送風』魔法を使うことにより動かす方法だ。
通常は2つの魔法を同時に発動する事はできない為、その様な発想にはならないのだが、俺は色々と試している内に【並列魔法】のスキルをゲットしてしまった。ゲットできてしまったのだ。【スキル早熟】恐ろしい子っ。
自由に飛べる魔法が使えたら、そんな事考える必要も無いのかも知れないけど、今のところ俺は空を自由に飛べる魔法に出会えていない。仕方なく考え出したのがこの方法である。『送風』をどのように当てたら上手く進むか最初は手探りで、部屋の中で何度も壁に激突したのは、良い思い出・・・ではないかな。
【生活魔法】と言うのは属性魔法の劣化版の様な魔法も多いが、この様に応用したら様々な事が出来ることも分かった。今後も暇を見つけて、色々と試して見たいと思っている。ただ、魔力を込めすぎると、昨日の『発火』のように『火炎放射』の魔法と間違えられるレベルになってしまうので、注意が必要だ。
本当の『火炎放射』の魔法とか、俺が本気で使うとどうなるか、気になるところではあるけど、さすがに森の中で試し撃ちをする訳にもいかない。威力の調節が出来そうなのは体感的に分かっているけど、実際にどの程度調節が出来るのかは試してみるしかない。
ここまで独学で色々とやってきたけど、そろそろ魔法の先生みたいな人を探した方が良いのかな? まあ、魔法の威力を試して見てからでも良いか。
と言うか、森の中で少し浮かんで進む子供。側から見たら怪奇現象だね。
そんな事を考えながら、森を進む事10分。悪い足場を無視して飛んでいたので、結構進めたと思う。【地図】のスキルによると森の入口から3kmくらいは入っているようだ。木を避けながらだったけど、時速20km弱は出てたのかな?
近場なら、はぐれの魔物しか出ないって話だったけど、そもそもどのくらいが近場なんだろう? ここはまだ近場だよね??
一応、薬草が生えてそうな場所の条件は聞いてきたけど、この辺りはそこそこ当てはまりそうだから、ちょっと探してみようかな?
対象を植物に絞って・・・、見えてる範囲に一気に【鑑定】!
《【鑑定】結果を整理しました。傷薬草が12本、魔力草が6本、その他の薬草が4本ありました。【地図】にマーキングしました》
あったあった。少し珍しい薬草も生えてるみたいだね。
通常なら一つの対象しか【鑑定】する事は出来ないが、こちらも色々試している間に、見えている範囲を全て同時に【鑑定】できるようになった。やろうと思わなかっただけで、元々【鑑定】レベルが高いと出来たのかも知れない。
更には自動分類して【地図】にマーキングまでできるようになった。その結果を【アナウンス】が教えてくれる。何か色々とチートだけど、もう細かい事は気にしない事にした。
因みに、傷薬草は怪我などの回復ポーションに、魔力草は魔力ポーションの材料になるらしい。どちらも冒険者には必需品で常に不足気味だそうだ。
その後30分程かけて、かなりの量の薬草類を手に入れた。因みに採り方は一応ギルドにあったパンフレットで確認していたが、試しに薬草に手を触れて【収納】を使ったら、キズもなく完璧な形で採取できた。こちらも色々とチート過ぎてヤバい。これは最早、薬草採取では無いかな。薬草収納?
森の中を【鑑定】して、薬草を【収納】する簡単なお仕事です。
さて、十分に集まったから、そろそろ戻ろうかな? 採取しながら結構森の奥の方まで来てしまったみたいだ。ちょっと【地図】で確認してみるか。
ガサっ
ん? 後ろの方から草を踏むような音が聞こえた。何の音だろうと思いつつ振り返る。
「あっ・・・」
思わず声に出してしまったけど、振り向いた先には如何にもゴブリンと言った感じの魔物がいた。身長は俺より大きく、布の服を着て棍棒を手に持っている。
ここまで接近されるまで気付けないとか、本気で探知系のスキルを早く覚えないと・・・。ゴブリン程度なら気付かずに攻撃されても、ステータス差で問題ないかも知れないけど、危険は危険だからね。
それにしても、この世界のゴブリンは思ったより大きいんだな。もう二回りくらい小さいのをイメージしていた。
ただ大きさに関係なく、俺のやる事は変わらないけどね。剣を抜き、一気に距離を詰めるとゴブリンの首をはねる。それと同時に死体を【収納】する。血が飛び散って、他の魔物が寄ってきても嫌だからね。
因みに、昨日の教訓を活かして『身体強化』と『思考速度強化』は常時発動している。
《ゴブリンジェネラルを倒して経験値を獲得しました》
・・・あるぇ? ゴブリンじゃなかった。ちょっと大きいと思ったのは、ジェネラルだったからか。そう言えば【鑑定】してなかったな。でもジェネラルってもっと豪華な服や武器を持ってたりしないんだろうか?
そもそも、森の中に居るゴブリンが豪華な服とか武器とか入手手段ないよね。普通のゴブリンは裸に素手とかなのかな?
まあ、その辺りのことは追々学んで行けばいいや。とりあえず帰ろうかな。
と、その前に試してみることがあったんだ。俺は【収納】からさっき収納したゴブリンジェネラルの魔石だけを取り出すようイメージしてみる。
「おっ、出来た!」
すると、予定通り俺の手の中にはゴブリンジェネラルの魔石が握られていた。これでどれだけ乱獲しても、魔石回収に苦労することは無くなったな。
ついでに剣も一度【収納】して、ゴブリンジェネラルの血や脂を除くイメージで取り出す。こちらも成功して、汚れが一切ない状態で剣が取り出せた。【収納】のスキル万能過ぎないか? ま、汚れくらいなら【生活魔法】の『洗浄』で十分かも知れないけどね。
帰りは周りの魔物の気配を探りながら、行きの半分くらいのスピードで進んでいたら、【気配察知】のスキルを覚えた。もっと早く覚えておけば良かったなぁ。スキルで何匹かゴブリンっぽいのを見かけたけど、時間も無いのでスルーする事にした。
無事に森を出たら、一度家で昼食をとってから、ギルドに報告と依頼を受けに向かう事にしよう。
日本のような急に斜面になっているような山ではなく、外国とかにありそうな傾斜の少ない、なだらかな丘のような地形に木が生えたイメージだと思う。
森の浅いところは、日々冒険者たちも足を踏み入れる為に、獣道のようなものが至る所に作られていた。
昼前だと言うのに、高さ5~10mくらいの木々に覆われた森の中は、若干薄暗い。
獣道のような所を通っても、薬草などは採り尽くされているだろうから、それ以外の所を目指したいけど、足元には場所によって50cm弱の草が生えていて容易に進めそうにもない。
俺の身長は典型的な5歳児くらいだと思うので、せいぜい110cmくらいだろうか? 身長の半分くらいの草が生える森を進むのは容易では無いのだ。・・・普通ならね。
世間には知られていないが、【無属性魔法】のレベルを上げると、とても便利な魔法が色々と使えるようになる。
「『浮遊』!」
俺が魔法を使うと、体がフワリと浮き上がる。よく考えたら、魔法を口に出す必要無いけど、つい勢いで叫んでしまった。
さて、この『浮遊』と言う魔法だが、体を少しだけ、およそ50cm程度浮き上がらせる事ができるのだ。まさに今回にピッタリな魔法である。
ただ、一つだけ問題があり、この魔法は浮き上がるだけの魔法なのだ。通常ならその場に止まることしか出来ない。そこで俺は無い知恵を絞って考えた。浮いたまま動くことは出来ないのかと。
試行錯誤の末に思いついたのは、『浮遊』で浮き上がった状態の俺に、【生活魔法】の一つである『送風』魔法を使うことにより動かす方法だ。
通常は2つの魔法を同時に発動する事はできない為、その様な発想にはならないのだが、俺は色々と試している内に【並列魔法】のスキルをゲットしてしまった。ゲットできてしまったのだ。【スキル早熟】恐ろしい子っ。
自由に飛べる魔法が使えたら、そんな事考える必要も無いのかも知れないけど、今のところ俺は空を自由に飛べる魔法に出会えていない。仕方なく考え出したのがこの方法である。『送風』をどのように当てたら上手く進むか最初は手探りで、部屋の中で何度も壁に激突したのは、良い思い出・・・ではないかな。
【生活魔法】と言うのは属性魔法の劣化版の様な魔法も多いが、この様に応用したら様々な事が出来ることも分かった。今後も暇を見つけて、色々と試して見たいと思っている。ただ、魔力を込めすぎると、昨日の『発火』のように『火炎放射』の魔法と間違えられるレベルになってしまうので、注意が必要だ。
本当の『火炎放射』の魔法とか、俺が本気で使うとどうなるか、気になるところではあるけど、さすがに森の中で試し撃ちをする訳にもいかない。威力の調節が出来そうなのは体感的に分かっているけど、実際にどの程度調節が出来るのかは試してみるしかない。
ここまで独学で色々とやってきたけど、そろそろ魔法の先生みたいな人を探した方が良いのかな? まあ、魔法の威力を試して見てからでも良いか。
と言うか、森の中で少し浮かんで進む子供。側から見たら怪奇現象だね。
そんな事を考えながら、森を進む事10分。悪い足場を無視して飛んでいたので、結構進めたと思う。【地図】のスキルによると森の入口から3kmくらいは入っているようだ。木を避けながらだったけど、時速20km弱は出てたのかな?
近場なら、はぐれの魔物しか出ないって話だったけど、そもそもどのくらいが近場なんだろう? ここはまだ近場だよね??
一応、薬草が生えてそうな場所の条件は聞いてきたけど、この辺りはそこそこ当てはまりそうだから、ちょっと探してみようかな?
対象を植物に絞って・・・、見えてる範囲に一気に【鑑定】!
《【鑑定】結果を整理しました。傷薬草が12本、魔力草が6本、その他の薬草が4本ありました。【地図】にマーキングしました》
あったあった。少し珍しい薬草も生えてるみたいだね。
通常なら一つの対象しか【鑑定】する事は出来ないが、こちらも色々試している間に、見えている範囲を全て同時に【鑑定】できるようになった。やろうと思わなかっただけで、元々【鑑定】レベルが高いと出来たのかも知れない。
更には自動分類して【地図】にマーキングまでできるようになった。その結果を【アナウンス】が教えてくれる。何か色々とチートだけど、もう細かい事は気にしない事にした。
因みに、傷薬草は怪我などの回復ポーションに、魔力草は魔力ポーションの材料になるらしい。どちらも冒険者には必需品で常に不足気味だそうだ。
その後30分程かけて、かなりの量の薬草類を手に入れた。因みに採り方は一応ギルドにあったパンフレットで確認していたが、試しに薬草に手を触れて【収納】を使ったら、キズもなく完璧な形で採取できた。こちらも色々とチート過ぎてヤバい。これは最早、薬草採取では無いかな。薬草収納?
森の中を【鑑定】して、薬草を【収納】する簡単なお仕事です。
さて、十分に集まったから、そろそろ戻ろうかな? 採取しながら結構森の奥の方まで来てしまったみたいだ。ちょっと【地図】で確認してみるか。
ガサっ
ん? 後ろの方から草を踏むような音が聞こえた。何の音だろうと思いつつ振り返る。
「あっ・・・」
思わず声に出してしまったけど、振り向いた先には如何にもゴブリンと言った感じの魔物がいた。身長は俺より大きく、布の服を着て棍棒を手に持っている。
ここまで接近されるまで気付けないとか、本気で探知系のスキルを早く覚えないと・・・。ゴブリン程度なら気付かずに攻撃されても、ステータス差で問題ないかも知れないけど、危険は危険だからね。
それにしても、この世界のゴブリンは思ったより大きいんだな。もう二回りくらい小さいのをイメージしていた。
ただ大きさに関係なく、俺のやる事は変わらないけどね。剣を抜き、一気に距離を詰めるとゴブリンの首をはねる。それと同時に死体を【収納】する。血が飛び散って、他の魔物が寄ってきても嫌だからね。
因みに、昨日の教訓を活かして『身体強化』と『思考速度強化』は常時発動している。
《ゴブリンジェネラルを倒して経験値を獲得しました》
・・・あるぇ? ゴブリンじゃなかった。ちょっと大きいと思ったのは、ジェネラルだったからか。そう言えば【鑑定】してなかったな。でもジェネラルってもっと豪華な服や武器を持ってたりしないんだろうか?
そもそも、森の中に居るゴブリンが豪華な服とか武器とか入手手段ないよね。普通のゴブリンは裸に素手とかなのかな?
まあ、その辺りのことは追々学んで行けばいいや。とりあえず帰ろうかな。
と、その前に試してみることがあったんだ。俺は【収納】からさっき収納したゴブリンジェネラルの魔石だけを取り出すようイメージしてみる。
「おっ、出来た!」
すると、予定通り俺の手の中にはゴブリンジェネラルの魔石が握られていた。これでどれだけ乱獲しても、魔石回収に苦労することは無くなったな。
ついでに剣も一度【収納】して、ゴブリンジェネラルの血や脂を除くイメージで取り出す。こちらも成功して、汚れが一切ない状態で剣が取り出せた。【収納】のスキル万能過ぎないか? ま、汚れくらいなら【生活魔法】の『洗浄』で十分かも知れないけどね。
帰りは周りの魔物の気配を探りながら、行きの半分くらいのスピードで進んでいたら、【気配察知】のスキルを覚えた。もっと早く覚えておけば良かったなぁ。スキルで何匹かゴブリンっぽいのを見かけたけど、時間も無いのでスルーする事にした。
無事に森を出たら、一度家で昼食をとってから、ギルドに報告と依頼を受けに向かう事にしよう。
33
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる