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第2章 学園入学編
従話 ポチの冒険(8)後編
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「もう1つ・・・なのだ?」
「うむ。主殿に経験値が送られる際の小さな次元の歪、アレを使おうと思っておるのじゃ。
・・・にしても、このステーキは美味しいのう」
ついにゴブ・リーンまで我輩の作った料理を食べ始めたのだ。
我輩【万物創造】のスキルで食べ物が作れると分かってから、色々と前世でご主人が料理番組で観ていた食べ物の再現を試みているのだ。
野菜はないけど、ひっそり生えている薬草類で代用、肉も魔物の肉で代用しているのだ。
後、調味料はゴブ・リーンが【錬金術】で作ってくれるのだ。
お陰で最近、我輩は配下たちの食事担当になっているのだ。みんなの胃袋をガッチリキャッチなのだ。
と、話がそれてしまっていたのだ。閑話休題なのだ。
「でも、経験値の時の歪は小さすぎて生き物は通れないのだ? どう言う事なのだ」
「ふぉれうわどぅな」
「いや、食べ物を口に入れたまま話しても分からないのだ。食べるか喋るかどちらかにして欲しいのだ」
そう言うと、一瞬我輩の方を見て、
──ガツガツガツガツ
まさかの、食べる方を選んだのだ!
「すまなかったのだ! 食べるのをやめて話して欲しいのだ」
「ぷはー、美味かった。
いやー、すまんすまん。あまりに美味しくてな。止まらなくなってしまったわい。
褒められると悪い気分ではないけど、時と場合を考えて欲しいのだ。
「それで、小さな次元の歪の事だが、確かにあの極微量の歪では生き物を同時に通過させる事は難しい。
じゃがな、何度か実験した結果、僅かな魔力であれば経験値と一緒に移動が可能な事が分かったのじゃ」
なるほど、分かったようで分からないのだ。
「もう少し分かりやすくお願いするのだ」
「これでも簡単に説明したつもりなんじゃがな・・・。
ワシらが経験値を獲得した時に、経験値の一部が主殿に送られる。ここまでは大丈夫じゃな?」
「大丈夫なのだ」
「そしてその経験値がこの結界を超える時に、次元の歪が発生するのじゃ。そしてその歪は前回ミルクが通過した時とは違い、生き物が通れる程のスケールではない。
そこで、ワシはどこまでなら通過できるか検証をしたのじゃ。幸い、300人近い従魔仲間達が日々経験値を稼いでおるからな。色々と検証ができた訳じゃ。
その結果、極々僅かな魔力であれば経験値と共に次元の歪を通過させる事に成功したのじゃ」
うーん、何となく分かったような気がするのだ?
「魔力が通過できる事はわかったけど、それでどうするのだ? 結局生き物は通れなかったら意味がないのだ?」
「そう、そうなのじゃ。良くぞ聞いてくれた。
生き物がダメなら物質を送ることはできないか、ワシはそう考えた。
そして、1グラムまでの重さであれば魔力に変換する事ができる魔道具〝魔力こんばーじょん1号〟を作り上げたのじゃ! 5秒程で元の物質に戻ってしまうがの」
ずっと思っていたけど、ゴブ・リーンのネーミングセンスってご主人に通ずるものがあるのだ・・・。イヤ、これ以上は言うまいなのだ。
「でも、1グラムでは何もできないのだ? ・・・ん? そうでもないのだ?」
1グラムのゴーレムを作れば良いのだ!
「ほほう、意外や意外、気付いたようじゃの?
そうじゃ、そこで【収納】の付与の出番なのじゃ」
あ、あれ。そうなのだ? 思ってたんと違うのだ。けど、恥ずかしいから話を合わせるのだ。
「や、やっぱりそうなのだ!?」
「そうじゃ。1グラムあれば何とか【収納】を付与した魔道具にする事ができる。その魔道具の中にワシの作ったオオカミ型ロボ、ガルフを入れて結界の向こうに送り込むのじゃ。そしてガルフには双方向通信が可能な機能を付けておく。常に通信する事はできないが、経験値が送られる瞬間だけなら僅かな通信も可能になるじゃろう」
あ、ゴーレム案は意外と間違ってなかったのだ。良かったのだ。
「素晴らしいのだ! これで外の世界の事が少し分かるのだ! もしかしたらご主人ともコンタクトが取れるかもなのだ!」
「但し、この作戦には少しだけ問題があっての・・・」
「何なのだ! 少しの問題なら、吾輩すぐに解決してくるのだ!」
「1グラムの物質を送り出そうと思ったら、そこいらの雑魚の経験値で発生する歪では足りないのじゃ。
ワシの計算によると最低でもレベル130以上の魔物を倒した経験値が送りだされたら、1グラムの物質を魔力変換したモノを一緒に送り出す事ができそうじゃ」
何だ、どんな無理難題かと思ったら・・・それならどうにかなりそうなのだ。
「我輩、思い当たる魔物が居るからちょっと行ってくるのだ。
ゴブは準備して待っていて欲しいのだ。倒す直前に【念話】で連絡するのだ」
「ほう、さすがポチ殿じゃ。ではワシはいつ経験値が送られてきても対応できるように準備しておくとしようかの」
早速、我輩は【転移】で目的の場所に向かう。
実は我輩のレベルがまだ低かった頃、1度挑んで敗走した魔物がいたのだ。ダンジョンの攻略には差支えがなかったので、そのままスルーしていたけど、その時のリベンジマッチなのだ。
その時の詳細はいつかどこかでポチ外伝で語るかも知れないのだ!? 語らないかも知れないのだ。
結論から言えば、我輩強くなり過ぎていたのだ。ワンパンだったのだ・・・。
そしてその経験値がご主人に送られた時の次元の歪を使って、ガルムは無事に結界の外へ送り出されたのだ。
まずはミルクにコンタクトを取るように指示が出してあるのだ。【念話】を付与した魔道具も渡してあるので問題ないのだ。
これできっと事態は大きく進展するのだ。ご主人に会える日も大きく近付いたに違いないのだ!
「うむ。主殿に経験値が送られる際の小さな次元の歪、アレを使おうと思っておるのじゃ。
・・・にしても、このステーキは美味しいのう」
ついにゴブ・リーンまで我輩の作った料理を食べ始めたのだ。
我輩【万物創造】のスキルで食べ物が作れると分かってから、色々と前世でご主人が料理番組で観ていた食べ物の再現を試みているのだ。
野菜はないけど、ひっそり生えている薬草類で代用、肉も魔物の肉で代用しているのだ。
後、調味料はゴブ・リーンが【錬金術】で作ってくれるのだ。
お陰で最近、我輩は配下たちの食事担当になっているのだ。みんなの胃袋をガッチリキャッチなのだ。
と、話がそれてしまっていたのだ。閑話休題なのだ。
「でも、経験値の時の歪は小さすぎて生き物は通れないのだ? どう言う事なのだ」
「ふぉれうわどぅな」
「いや、食べ物を口に入れたまま話しても分からないのだ。食べるか喋るかどちらかにして欲しいのだ」
そう言うと、一瞬我輩の方を見て、
──ガツガツガツガツ
まさかの、食べる方を選んだのだ!
「すまなかったのだ! 食べるのをやめて話して欲しいのだ」
「ぷはー、美味かった。
いやー、すまんすまん。あまりに美味しくてな。止まらなくなってしまったわい。
褒められると悪い気分ではないけど、時と場合を考えて欲しいのだ。
「それで、小さな次元の歪の事だが、確かにあの極微量の歪では生き物を同時に通過させる事は難しい。
じゃがな、何度か実験した結果、僅かな魔力であれば経験値と一緒に移動が可能な事が分かったのじゃ」
なるほど、分かったようで分からないのだ。
「もう少し分かりやすくお願いするのだ」
「これでも簡単に説明したつもりなんじゃがな・・・。
ワシらが経験値を獲得した時に、経験値の一部が主殿に送られる。ここまでは大丈夫じゃな?」
「大丈夫なのだ」
「そしてその経験値がこの結界を超える時に、次元の歪が発生するのじゃ。そしてその歪は前回ミルクが通過した時とは違い、生き物が通れる程のスケールではない。
そこで、ワシはどこまでなら通過できるか検証をしたのじゃ。幸い、300人近い従魔仲間達が日々経験値を稼いでおるからな。色々と検証ができた訳じゃ。
その結果、極々僅かな魔力であれば経験値と共に次元の歪を通過させる事に成功したのじゃ」
うーん、何となく分かったような気がするのだ?
「魔力が通過できる事はわかったけど、それでどうするのだ? 結局生き物は通れなかったら意味がないのだ?」
「そう、そうなのじゃ。良くぞ聞いてくれた。
生き物がダメなら物質を送ることはできないか、ワシはそう考えた。
そして、1グラムまでの重さであれば魔力に変換する事ができる魔道具〝魔力こんばーじょん1号〟を作り上げたのじゃ! 5秒程で元の物質に戻ってしまうがの」
ずっと思っていたけど、ゴブ・リーンのネーミングセンスってご主人に通ずるものがあるのだ・・・。イヤ、これ以上は言うまいなのだ。
「でも、1グラムでは何もできないのだ? ・・・ん? そうでもないのだ?」
1グラムのゴーレムを作れば良いのだ!
「ほほう、意外や意外、気付いたようじゃの?
そうじゃ、そこで【収納】の付与の出番なのじゃ」
あ、あれ。そうなのだ? 思ってたんと違うのだ。けど、恥ずかしいから話を合わせるのだ。
「や、やっぱりそうなのだ!?」
「そうじゃ。1グラムあれば何とか【収納】を付与した魔道具にする事ができる。その魔道具の中にワシの作ったオオカミ型ロボ、ガルフを入れて結界の向こうに送り込むのじゃ。そしてガルフには双方向通信が可能な機能を付けておく。常に通信する事はできないが、経験値が送られる瞬間だけなら僅かな通信も可能になるじゃろう」
あ、ゴーレム案は意外と間違ってなかったのだ。良かったのだ。
「素晴らしいのだ! これで外の世界の事が少し分かるのだ! もしかしたらご主人ともコンタクトが取れるかもなのだ!」
「但し、この作戦には少しだけ問題があっての・・・」
「何なのだ! 少しの問題なら、吾輩すぐに解決してくるのだ!」
「1グラムの物質を送り出そうと思ったら、そこいらの雑魚の経験値で発生する歪では足りないのじゃ。
ワシの計算によると最低でもレベル130以上の魔物を倒した経験値が送りだされたら、1グラムの物質を魔力変換したモノを一緒に送り出す事ができそうじゃ」
何だ、どんな無理難題かと思ったら・・・それならどうにかなりそうなのだ。
「我輩、思い当たる魔物が居るからちょっと行ってくるのだ。
ゴブは準備して待っていて欲しいのだ。倒す直前に【念話】で連絡するのだ」
「ほう、さすがポチ殿じゃ。ではワシはいつ経験値が送られてきても対応できるように準備しておくとしようかの」
早速、我輩は【転移】で目的の場所に向かう。
実は我輩のレベルがまだ低かった頃、1度挑んで敗走した魔物がいたのだ。ダンジョンの攻略には差支えがなかったので、そのままスルーしていたけど、その時のリベンジマッチなのだ。
その時の詳細はいつかどこかでポチ外伝で語るかも知れないのだ!? 語らないかも知れないのだ。
結論から言えば、我輩強くなり過ぎていたのだ。ワンパンだったのだ・・・。
そしてその経験値がご主人に送られた時の次元の歪を使って、ガルムは無事に結界の外へ送り出されたのだ。
まずはミルクにコンタクトを取るように指示が出してあるのだ。【念話】を付与した魔道具も渡してあるので問題ないのだ。
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