82 / 159
第3章 王都騒乱編
従話 ポチの冒険(10)
しおりを挟む
我輩はポチ。前世はトラックにはねられて死んでしまった飼い犬だったのだ。
こちらの世界に転生して早7年、先日誕生日を迎えたのだ。
そして今年も体中をデコられたのだ。我輩、仲間達のオモチャじゃないのだ。だけど、結構楽しかったのだ。・・・クセになりそうなのだ? イヤなのにイヤじゃない・・・哲学なのだ。
この1年でご主人と何回もメッセージのやりとりができ、我輩のやる気も上がる一方なのだ。ダンジョン攻略もガンガン進んでるのだ。
このダンジョンが一体どこまで深いのかは分からないけど、この1年でかなり進んだのだ。最奥に何が待ってるか、それはまだ分からないのだ。
さて、今日もせっせとダンジョン攻略にいそしんでいたらリョーマ従魔団の頭脳、魔ドワーフのゴブ・リーンから【念話】が届いたのだ。
あ、リョーマ従魔団はこの1年でご主人とやりとりして付けた名前なのだ。カッコいいのだ。
〈ポチ殿、大きな次元の歪が発生したのじゃ。すぐこちらに来れるかの?〉
ゴブはこの1年、ダンジョン攻略にはたまにしか参加せず浅い階層で次元の歪について研究していたのだ。
〈分かったのだ。すぐに向かうのだ。他の5人にも連絡して欲しいのだ〉
ゴブにそう返して、【転移】したのだ。色々試して分かったけど、【転移】は一瞬で移動する訳ではなく、距離に応じて少し時間が経過するみたいなのだ。
とは言っても、攻略中の深層からゴブのいる浅い階層までせいぜい10秒程度なのだ。でも我輩が【転移】している間にみんなに連絡してもらえば効率的なのだ。
ちなみに、他の5人と言うのは我輩の直轄、アースドラゴンのアドラン、精霊のジン、魔エルフのマルフ、ケット・シーのタマ、そしてアークデーモンのアクモンなのだ。
「ゴブ待たせたのだ。次元の歪が発生したのだ?」
「おお、待っていたのじゃ。こっちじゃ。未だかつてない大きな歪が発生しておる」
そう言われて、ゴブの指さした方をみると空中に何やら裂け目のようなモノができていたのだ。穴の中は虹色に輝いているのだ。
「これよ! ミルクが消えた時の次元の歪。1年前ミルクはこれに吸い込まれたの」
そう言って教えてくれたのは、1年前ご主人の元に旅立ったミルクとパーティーを組んでいた妖精のシルクなのだ。
「と言う事はこの歪に触れたら、ご主人の所に行けるのだ!?」
我輩はこの空間の裂け目に触れてみたい衝動に駆られたけど、仲間のみんなを置いて行くわけにはいかないのだ。
行かないけど・・・。行きたいのだ。
うー、でもダメなのだ。
でも、ちょっと触ってみるだけ・・・。
前足だけ・・・。
「あたし行かなきゃ! きっとミルク1人でさみしがってると思うの!」
我輩が葛藤していると、横からシルクが空間の裂け目に突っ込んでいく。
「あ! 先を越されたのだ! じゃなかったのだ。
待つのだ。危ないのだ! ミルクの時はたまたま上手く行っただけかもなのだ!」
そう言ってシルクを止めようと前足を伸ばしたのだ。だけど、一歩及ばずシルクは空間の裂け目に到達してしまったのだ。
シルクの体が揺らぎ消えて行く。一歩遅れて我輩の前足も空間の裂け目に届き・・・
───パーーン!
「ぬわぁぁー! なのだー!」
激しい音と共に、我輩だけ弾かれてしまったのだ。後ろに向かいゴロゴロと転がる我輩。物凄い力で弾かれたのだ。
「ふむ、どうやらポチ殿はレベルが高すぎて空間の裂け目を通れなかったようじゃな」
転がった我輩に向かい、冷静にそんな感想を漏らすゴブ・リーン。少しは心配してくれてもいいと思うのだ。
「殿、何遊んでるでござるか?」
丁度やってきたアドランに見られた。遊んでないのだ。
「遊んでないのだ。吹き飛ばされたのだ! どいつもこいつも我輩の心配をしてくれないのだ」
「フハハハ。誰もあの程度でポチ殿がダメージを負うとは思ってないのでな。仕方ないのじゃ。
そんな事より・・・。どうやらシルクは無事に結界の向こう側に着いたみたいじゃの」
手元の観測機? のようなモノを見ながらゴブ・リーンが状況を報告してくれる。そうか、無事に行けたなら良かったのだ。
しかし、まだ空間の裂け目はゆらゆらと虹色の光を放っているのだ。もうワンチャンあるのだ!? って我輩は先に行く訳にはいかないのだ!
「何が起こっているか分からぬが、どうやら今回の歪は長いようじゃの。
しかし、ワシらはレベルが高すぎて通れそうにないのう」
6人の直属の配下の中で一番レベルの低いゴブ・リーンでもレベル120以上あるのだ。ちなみに、シルクはレベル116くらいだったはずなのだ。
そのゴブ・リーンが恐る恐る空間の割れ目を触るが吸い込まれずに弾かれている。我輩、勢いよく触れたから勢いよく弾かれたのだ。軽く触ったくらいなら弾かれて転がる事はなさそうなのだ。
「ミルクとシルクはたまたま通れた可能性も否定できない。他の者は解析が終わらない内はこの歪で移動するのは控えた方がいいじゃろうな」
「そうするのだ。シルクは止められなかったけど、無理して犠牲を出しちゃダメなのだ。
いつか全員まとめてご主人の元に行くのだ」
「じゃが、折角の機会を無駄にするのも如何なものか・・・。
そうじゃ、この機にガルム部隊を主殿の所に送り込むかの」
なるほどなのだ。ガルムはゴーレムであり少し大きな歪でも送り出す事ができたのだ。今回規模の歪なら楽々送り出せそうなのだ。
「ご主人も相当強いはずだから心配ないとは思うけど、よろしくなのだ。
後、折角だからメッセージもいっぱい送るのだ!」
とりあえず、シルクがそっちに行った事、それとガルム部隊を送り出す事を送信なのだ。
「いや、ポチ殿。先日主殿から送られたメッセージを思い出すのじゃ」
先日のメッセージ? あ! ご主人は冬休みで実家に戻るから移動の間はガルムを【収納】にしまうって言ってたのだ。メッセージが届かないのだ!
「他のガルムにメッセージを持たせて、向かわせるしかないじゃろうな」
折角、リアルタイムでメッセージの送受信ができそうな状況だったけど、向こうのガルムが居ないとやり取りができないのだ。こんな状況は想定してなかったから仕方ないとはいえ、勿体ないのだ・・・。
そしてガルム2号にメッセージを持たせ、合計9体のガルム部隊を結界の外に送り込むことに成功したところで、空間の裂け目は消えてしまったのだ。
消える時に裂け目に向かって吸い込む力が働いていたので、1年前ミルクはこれに巻き込まれたと思われるのだ。
それにしても、今回のこの空間の揺らぎは、何が起こったのか分からないけど、悪い予感しかしないのだ。ご主人に悪いことが起きない事を祈るのだ・・・。
こちらの世界に転生して早7年、先日誕生日を迎えたのだ。
そして今年も体中をデコられたのだ。我輩、仲間達のオモチャじゃないのだ。だけど、結構楽しかったのだ。・・・クセになりそうなのだ? イヤなのにイヤじゃない・・・哲学なのだ。
この1年でご主人と何回もメッセージのやりとりができ、我輩のやる気も上がる一方なのだ。ダンジョン攻略もガンガン進んでるのだ。
このダンジョンが一体どこまで深いのかは分からないけど、この1年でかなり進んだのだ。最奥に何が待ってるか、それはまだ分からないのだ。
さて、今日もせっせとダンジョン攻略にいそしんでいたらリョーマ従魔団の頭脳、魔ドワーフのゴブ・リーンから【念話】が届いたのだ。
あ、リョーマ従魔団はこの1年でご主人とやりとりして付けた名前なのだ。カッコいいのだ。
〈ポチ殿、大きな次元の歪が発生したのじゃ。すぐこちらに来れるかの?〉
ゴブはこの1年、ダンジョン攻略にはたまにしか参加せず浅い階層で次元の歪について研究していたのだ。
〈分かったのだ。すぐに向かうのだ。他の5人にも連絡して欲しいのだ〉
ゴブにそう返して、【転移】したのだ。色々試して分かったけど、【転移】は一瞬で移動する訳ではなく、距離に応じて少し時間が経過するみたいなのだ。
とは言っても、攻略中の深層からゴブのいる浅い階層までせいぜい10秒程度なのだ。でも我輩が【転移】している間にみんなに連絡してもらえば効率的なのだ。
ちなみに、他の5人と言うのは我輩の直轄、アースドラゴンのアドラン、精霊のジン、魔エルフのマルフ、ケット・シーのタマ、そしてアークデーモンのアクモンなのだ。
「ゴブ待たせたのだ。次元の歪が発生したのだ?」
「おお、待っていたのじゃ。こっちじゃ。未だかつてない大きな歪が発生しておる」
そう言われて、ゴブの指さした方をみると空中に何やら裂け目のようなモノができていたのだ。穴の中は虹色に輝いているのだ。
「これよ! ミルクが消えた時の次元の歪。1年前ミルクはこれに吸い込まれたの」
そう言って教えてくれたのは、1年前ご主人の元に旅立ったミルクとパーティーを組んでいた妖精のシルクなのだ。
「と言う事はこの歪に触れたら、ご主人の所に行けるのだ!?」
我輩はこの空間の裂け目に触れてみたい衝動に駆られたけど、仲間のみんなを置いて行くわけにはいかないのだ。
行かないけど・・・。行きたいのだ。
うー、でもダメなのだ。
でも、ちょっと触ってみるだけ・・・。
前足だけ・・・。
「あたし行かなきゃ! きっとミルク1人でさみしがってると思うの!」
我輩が葛藤していると、横からシルクが空間の裂け目に突っ込んでいく。
「あ! 先を越されたのだ! じゃなかったのだ。
待つのだ。危ないのだ! ミルクの時はたまたま上手く行っただけかもなのだ!」
そう言ってシルクを止めようと前足を伸ばしたのだ。だけど、一歩及ばずシルクは空間の裂け目に到達してしまったのだ。
シルクの体が揺らぎ消えて行く。一歩遅れて我輩の前足も空間の裂け目に届き・・・
───パーーン!
「ぬわぁぁー! なのだー!」
激しい音と共に、我輩だけ弾かれてしまったのだ。後ろに向かいゴロゴロと転がる我輩。物凄い力で弾かれたのだ。
「ふむ、どうやらポチ殿はレベルが高すぎて空間の裂け目を通れなかったようじゃな」
転がった我輩に向かい、冷静にそんな感想を漏らすゴブ・リーン。少しは心配してくれてもいいと思うのだ。
「殿、何遊んでるでござるか?」
丁度やってきたアドランに見られた。遊んでないのだ。
「遊んでないのだ。吹き飛ばされたのだ! どいつもこいつも我輩の心配をしてくれないのだ」
「フハハハ。誰もあの程度でポチ殿がダメージを負うとは思ってないのでな。仕方ないのじゃ。
そんな事より・・・。どうやらシルクは無事に結界の向こう側に着いたみたいじゃの」
手元の観測機? のようなモノを見ながらゴブ・リーンが状況を報告してくれる。そうか、無事に行けたなら良かったのだ。
しかし、まだ空間の裂け目はゆらゆらと虹色の光を放っているのだ。もうワンチャンあるのだ!? って我輩は先に行く訳にはいかないのだ!
「何が起こっているか分からぬが、どうやら今回の歪は長いようじゃの。
しかし、ワシらはレベルが高すぎて通れそうにないのう」
6人の直属の配下の中で一番レベルの低いゴブ・リーンでもレベル120以上あるのだ。ちなみに、シルクはレベル116くらいだったはずなのだ。
そのゴブ・リーンが恐る恐る空間の割れ目を触るが吸い込まれずに弾かれている。我輩、勢いよく触れたから勢いよく弾かれたのだ。軽く触ったくらいなら弾かれて転がる事はなさそうなのだ。
「ミルクとシルクはたまたま通れた可能性も否定できない。他の者は解析が終わらない内はこの歪で移動するのは控えた方がいいじゃろうな」
「そうするのだ。シルクは止められなかったけど、無理して犠牲を出しちゃダメなのだ。
いつか全員まとめてご主人の元に行くのだ」
「じゃが、折角の機会を無駄にするのも如何なものか・・・。
そうじゃ、この機にガルム部隊を主殿の所に送り込むかの」
なるほどなのだ。ガルムはゴーレムであり少し大きな歪でも送り出す事ができたのだ。今回規模の歪なら楽々送り出せそうなのだ。
「ご主人も相当強いはずだから心配ないとは思うけど、よろしくなのだ。
後、折角だからメッセージもいっぱい送るのだ!」
とりあえず、シルクがそっちに行った事、それとガルム部隊を送り出す事を送信なのだ。
「いや、ポチ殿。先日主殿から送られたメッセージを思い出すのじゃ」
先日のメッセージ? あ! ご主人は冬休みで実家に戻るから移動の間はガルムを【収納】にしまうって言ってたのだ。メッセージが届かないのだ!
「他のガルムにメッセージを持たせて、向かわせるしかないじゃろうな」
折角、リアルタイムでメッセージの送受信ができそうな状況だったけど、向こうのガルムが居ないとやり取りができないのだ。こんな状況は想定してなかったから仕方ないとはいえ、勿体ないのだ・・・。
そしてガルム2号にメッセージを持たせ、合計9体のガルム部隊を結界の外に送り込むことに成功したところで、空間の裂け目は消えてしまったのだ。
消える時に裂け目に向かって吸い込む力が働いていたので、1年前ミルクはこれに巻き込まれたと思われるのだ。
それにしても、今回のこの空間の揺らぎは、何が起こったのか分からないけど、悪い予感しかしないのだ。ご主人に悪いことが起きない事を祈るのだ・・・。
22
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる