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嫌われたい
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それにしても、今から材料調達しても時間がない。
結局一つも作れなかった、イベント…やりたかったんだけどな。
俺が出来たのは炭料理だけ、あんなのレイチェルちゃんにあげられないだろ。
家に帰ると、炭料理が見えて虚しくなってきた。
炭料理を眺めていたら、一番初めで試作品として作ったクッキーをよく見てみた。
表は黒いけど裏は黒くない、半分にすればあげられる。
包丁で慎重に切って、とりあえず綺麗にきれた。
こういうのは味じゃなくて、心が大切なんだ…きっと俺の心が届くかもしれない。
そう思って袋にクッキーを詰めて、レイチェルちゃんがいる王都に急いだ。
王都はイベント最終日だからか、凄く盛り上がっていた。
好きな人にあげたり、恋人同士で分け合ったり愛が溢れている。
ふと女の子の集団を見かけて目を細めて見ていた。
すると女の子達が口を揃えて「ゼロ様ぁ!!」と声を出していた。
ゼロの姿は見えないけど、相変わらずモテモテなんだな。
俺はレイチェルちゃんのところに行くから別にゼロが何をしているのか、いいし…
そう思っても、ゼロ達がいる群れから目が離せなかった。
そんな時、背中に強い衝撃あり…地面に転げた。
起き上がろうとする俺の目の前で手に持っていたクッキーを踏みつけられた。
袋に入っているとはいえ、クッキーが砕ける音がした。
見上げると、ニヤニヤ笑う男がいて歩いていった。
何処にでもいるのかよ、スキップしながらレイチェルちゃんのところに行っていた。
俺は袋を開けて中身のクッキーを見つめた。
こんなにボロボロになったクッキー…あげられるわけない。
なんかこの前から調子悪い、これも罰なのか?
大人しく家に帰ろう。
そう思っていたら、前から楽しそうに話している恋人同士が歩いてきて、ぶつかった。
足で何とか踏ん張ろうと力を入れるが、身体が傾くのはどうする事も出来ない。
そのまま倒れそうになり、目を閉じて痛み耐えようとした。
しかし痛みは来る事がなく、壁に激突した。
「いったた…」
「大丈夫か?」
「ご、ごめんなさ……」
壁だと思ったら人だったみたいで、声を掛けられた。
またぶつかってしまい、謝ろうと顔を上げて驚いた。
ゼロが俺の目の前にいて、言葉が何も出て来なくなる。
さっき転んだ時に服が砂まみれになっていたから、砂を落としてくれた。
酷い事を言った俺の事を心配してくれて、胸が苦しくなった。
さっきは女性に囲まれていたのに、今は誰もいないみたいだ。
比べるのも変だけど、レイチェルちゃんよりモテるんだから俺に構うより女の子のところに戻ってやれよ。
「ありがとう、じゃあ…」
「もう行くのか?」
「いやだって、さっき女の子に囲まれてただろ?ゼロだって俺に構ってる暇なんてないよ」
「俺は暇だけど」
ゼロはそう言うが、後ろにいる女の子達が見えないのかよ。
凄いギラついた目で見てるぞ、それに騎士団は忙しいだろ。
情けない顔の俺を気遣ってるんだろうけど、そんな気遣いいらない。
俺はゼロに優しくしてもらえるような奴じゃないんだ。
今日は歩いて帰りたい気分だ、いろいろ無心になりたいし…
そのまま王都の外まで歩いて、足を止めて振り返る。
「なに?」
「てっきりあの女に渡すと思ってた」
「別に、関係ないだろ」
つい嫌な事を言ってしまって、自分がもっと嫌いになる。
なんでゼロは俺なんか好きなんだよ、可愛くもないし…炭料理を渡す男だぞ。
レイチェルちゃんをあの女呼ばわりをされた事より、俺に話しかけてきた事の方が腹が立った。
なんでそんなに俺に優しく出来るんだよ、ゼロが分からない。
行こうとしたら、ゼロは俺の手を掴んでいたから振り返った。
ゼロの手にはクッキーの袋が握られていた。
「これ…」
「返せ!」
「渡しに来たんじゃないのか?」
「そんな、ボロボロのクッキー…あげられるわけないだろ」
だんだん声が小さくなって、ボソボソと喋った。
クッキーというより、もう粉みたいなもんだし…捨てる。
元々焦げていた部分を削っていたから、カタチも歪だし…
結局一つも作れなかった、イベント…やりたかったんだけどな。
俺が出来たのは炭料理だけ、あんなのレイチェルちゃんにあげられないだろ。
家に帰ると、炭料理が見えて虚しくなってきた。
炭料理を眺めていたら、一番初めで試作品として作ったクッキーをよく見てみた。
表は黒いけど裏は黒くない、半分にすればあげられる。
包丁で慎重に切って、とりあえず綺麗にきれた。
こういうのは味じゃなくて、心が大切なんだ…きっと俺の心が届くかもしれない。
そう思って袋にクッキーを詰めて、レイチェルちゃんがいる王都に急いだ。
王都はイベント最終日だからか、凄く盛り上がっていた。
好きな人にあげたり、恋人同士で分け合ったり愛が溢れている。
ふと女の子の集団を見かけて目を細めて見ていた。
すると女の子達が口を揃えて「ゼロ様ぁ!!」と声を出していた。
ゼロの姿は見えないけど、相変わらずモテモテなんだな。
俺はレイチェルちゃんのところに行くから別にゼロが何をしているのか、いいし…
そう思っても、ゼロ達がいる群れから目が離せなかった。
そんな時、背中に強い衝撃あり…地面に転げた。
起き上がろうとする俺の目の前で手に持っていたクッキーを踏みつけられた。
袋に入っているとはいえ、クッキーが砕ける音がした。
見上げると、ニヤニヤ笑う男がいて歩いていった。
何処にでもいるのかよ、スキップしながらレイチェルちゃんのところに行っていた。
俺は袋を開けて中身のクッキーを見つめた。
こんなにボロボロになったクッキー…あげられるわけない。
なんかこの前から調子悪い、これも罰なのか?
大人しく家に帰ろう。
そう思っていたら、前から楽しそうに話している恋人同士が歩いてきて、ぶつかった。
足で何とか踏ん張ろうと力を入れるが、身体が傾くのはどうする事も出来ない。
そのまま倒れそうになり、目を閉じて痛み耐えようとした。
しかし痛みは来る事がなく、壁に激突した。
「いったた…」
「大丈夫か?」
「ご、ごめんなさ……」
壁だと思ったら人だったみたいで、声を掛けられた。
またぶつかってしまい、謝ろうと顔を上げて驚いた。
ゼロが俺の目の前にいて、言葉が何も出て来なくなる。
さっき転んだ時に服が砂まみれになっていたから、砂を落としてくれた。
酷い事を言った俺の事を心配してくれて、胸が苦しくなった。
さっきは女性に囲まれていたのに、今は誰もいないみたいだ。
比べるのも変だけど、レイチェルちゃんよりモテるんだから俺に構うより女の子のところに戻ってやれよ。
「ありがとう、じゃあ…」
「もう行くのか?」
「いやだって、さっき女の子に囲まれてただろ?ゼロだって俺に構ってる暇なんてないよ」
「俺は暇だけど」
ゼロはそう言うが、後ろにいる女の子達が見えないのかよ。
凄いギラついた目で見てるぞ、それに騎士団は忙しいだろ。
情けない顔の俺を気遣ってるんだろうけど、そんな気遣いいらない。
俺はゼロに優しくしてもらえるような奴じゃないんだ。
今日は歩いて帰りたい気分だ、いろいろ無心になりたいし…
そのまま王都の外まで歩いて、足を止めて振り返る。
「なに?」
「てっきりあの女に渡すと思ってた」
「別に、関係ないだろ」
つい嫌な事を言ってしまって、自分がもっと嫌いになる。
なんでゼロは俺なんか好きなんだよ、可愛くもないし…炭料理を渡す男だぞ。
レイチェルちゃんをあの女呼ばわりをされた事より、俺に話しかけてきた事の方が腹が立った。
なんでそんなに俺に優しく出来るんだよ、ゼロが分からない。
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ゼロの手にはクッキーの袋が握られていた。
「これ…」
「返せ!」
「渡しに来たんじゃないのか?」
「そんな、ボロボロのクッキー…あげられるわけないだろ」
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元々焦げていた部分を削っていたから、カタチも歪だし…
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