堕落した淫魔は夢を見る

雪之丞 親実

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魔族とハーフ

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  暗い部屋。 
  一人の雌の大きな肖像画。
  長い黒髪、大きな黒い角、褐色の肌、少しつり目の大きな赤い瞳。
  気の強そうな顔付きだが、どことなく優しげでルシカに似ている。
  三兄弟の母、ルシフェルの肖像画だ。
  カグヤはその巨大な肖像画を見上げた。

「やっぱり、綺麗だよな……」

  カグヤは呟いた。

『当たり前じゃ。誰の妹と思うとる』

  カグヤの後ろから、魔王が言った。

「母さんが、今の俺を見たら卒倒すんのかな」
『ルシフェルが生きておったら、お前らは淫魔になどなってはおらん。せいぜい騙されて、欲に溺れるのがオチじゃ』
「今と変わんねぇな」

  カグヤは笑った。
  
「……ルシカとヨゾラ連れて下界に行く」
『……戯言を』
「どーせ、ヨゾラが何をしてぇかなんてバレてんだろ。下界に行ったって捕まえるか、邪魔するか」

  カグヤは振り返って魔王を見上げた。
  
「俺は下界に行っても淫魔である限りは仕事はする。……安心しろ」
『それだけで事足りると思うのか。貴様は仕事を忘れ、己の欲に溺れ掛けた。あれ程、まぐわいをさせたと言うに、まだ思い出さぬか』

  魔王はゆっくりとカグヤに近付くと、カグヤの顎に手を添えた。

「俺にはコレしかねぇのは分かってんだ。……だからさ、許してくれよ。ルシカとヨゾラの事はさ……」

  カグヤの顎に添える魔王の手をカグヤは掴んだ。

『お前は魔族の力を使った。もう、立派な魔族じゃ』

  魔王はカグヤの右手を見詰めた。
  布は巻かれているが、禍々しいオーラまでは隠せていないようだ。

『ルシカとヨゾラを許す代わりに、お前は儂に何をしてくれる?』
「ルシカの分まで精は俺が手に入れる」
『ルシカも淫魔じゃ。精なくば生きては行けぬ』
「……そうだけど。……ルシカじゃ満足には取れねぇよ」
『お前は儂のオモチャじゃ。完全に逃げる事は許さん』
「……淫魔である以上は逃げねぇよ。魔王様だって、ニンゲンの欲が生きる糧なのは知ってる」

  カグヤは魔王の首に手を伸ばした。
  
『お前らは下界では生きて行けぬ。そうなった時は……』
「俺もヨゾラも覚悟してんよ。そん時は煮るなり焼くなり好きにしろ」
『……情など、忌々しいものじゃ』

  魔王は鼻先で笑った。

  
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