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淫魔とクリスマス※クリスマスSS
クリスマスと言う名の戦い
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一番奥のVIP席。
中央にめちゃくちゃ無愛想なサンタ帽を被った楼依が座っている。
周りには何人もの女性客が、楼依の横へと仁義なき戦いを繰り広げて居た。
テーブルにはこれでもか、と思う量のグラスやボトル。
プレゼント等は受け取らない主義なので、プレゼントの山はない。
ただ、楼依の横、女性達はただそれだけだ。
一列に座らせ、楼依と向かい合わせ、と言う案も出たのだが、結局誰が正面に座るか、で再びバトルになる。
楼依はでっかい溜息を吐くと、騒ぐ女性達を余所にお酒を人数分作り、テーブルに並べた。
「来てくれて嬉しいけど……」
等と心には思って居ない事を言い出すと、楼依は立ち上がった。
「俺の身体は一つしかねぇし、仲良く皆が飲むのが、俺への最高のプレゼント」
そう言うと、自分の分を一気に飲み干してカウンターへと戻った。
女性客達は、その一言で静かになりうっとりとなって居る。
そして、嫌われたくない一心からか、ギクシャクしながら皆で飲み始めた。
楼依はカウンターの隅に座った。
そして、頭をつっ伏する。
「いやー、さすがNo.1ですね。どうであれ、皆を黙らせるなんて 」
カウンターの中で、次から次へと来る注文されたカクテルを作りながら、佐藤が言った。
「……あんなセリフ、気持ち悪ぃ……」
楼依は胸を摩った。
その時、ボーイのいらっしゃいませー、との声と聞き覚えのある声が聞こえた。
「や、やっぱり悪いよ……。仕事なんだし……」
「大丈夫だって。仕事なんだから」
楼依は顔を上げる。
「お、楼依君。はい、連れて来た」
カウンターに座る楼依の前に、瑠依は背後でビクビクしているルシカの手を楼依に突き付けた。
「……悪ぃ」
そう言って、楼依はルシカの手を取って引き寄せた。
VIP席は遠いせいか、楼依の客からは見えないが他のホストの女性客何人かはルシカの存在に気付いている。
男物の服装だが、自信のないその表情は着飾った女性よりも綺麗だ。
楼依と並ぶと絵になる。
「アタシは神代先輩に絡んで来るので、ルシカちゃんよろしく」
「やっぱり帰るよ。……邪魔しちゃうし」
「何言ってんの。楼依君だって恋人とのクリスマスは初めてなんだし、迷惑とか思わないの」
瑠依はルシカの背中を押した。
「……こっちの席。狭いけど……」
楼依はギュッとルシカの手を握ると、隅っこの小さいBOX席に引っ張った。
後ろから、セットを持った佐藤が着いて来た。
弱めの甘い酒を、と楼依は佐藤に言うと佐藤はテーブルにセットを置いて席を離れた。
ソファーにルシカを座らせると、楼依もその横に座った。
「……あのさ、……ゴメンな、突然……」
ルシカは俯いた。
顔が見れない。
楼依はルシカの手の甲に手を重ねると、指を絡めた。
「これくらいなら、誰も気付かない」
ギュッと握る。
「謝んなよ。休みをもぎ取れなかった俺も情けねぇし、ウンザリしてた。……瑠依が連れて来てくれて、嬉しいんだよ、これでも」
「……でも、女の子達は楼依を目当てで来てんだ。俺はいつでも楼依を独り占め出来るんだし、くりすますが特別ってのも、俺にも分かるし。まして、男の俺が、さ……」
「特別だから、俺はお前と過ごしたい。瑠依が言ってただろ?初めてだって」
俯いているルシカの顔が真っ赤になった。
握った手も熱くなる。
「こっそり早目に上がる。……連れて帰るから、覚悟しとけ」
握った手は熱を帯びたまま、何時の間にか手の平を合わせ指を絡めている。
嬉しさと恥ずかしさに、ルシカの心臓は破裂しそうだった。
中央にめちゃくちゃ無愛想なサンタ帽を被った楼依が座っている。
周りには何人もの女性客が、楼依の横へと仁義なき戦いを繰り広げて居た。
テーブルにはこれでもか、と思う量のグラスやボトル。
プレゼント等は受け取らない主義なので、プレゼントの山はない。
ただ、楼依の横、女性達はただそれだけだ。
一列に座らせ、楼依と向かい合わせ、と言う案も出たのだが、結局誰が正面に座るか、で再びバトルになる。
楼依はでっかい溜息を吐くと、騒ぐ女性達を余所にお酒を人数分作り、テーブルに並べた。
「来てくれて嬉しいけど……」
等と心には思って居ない事を言い出すと、楼依は立ち上がった。
「俺の身体は一つしかねぇし、仲良く皆が飲むのが、俺への最高のプレゼント」
そう言うと、自分の分を一気に飲み干してカウンターへと戻った。
女性客達は、その一言で静かになりうっとりとなって居る。
そして、嫌われたくない一心からか、ギクシャクしながら皆で飲み始めた。
楼依はカウンターの隅に座った。
そして、頭をつっ伏する。
「いやー、さすがNo.1ですね。どうであれ、皆を黙らせるなんて 」
カウンターの中で、次から次へと来る注文されたカクテルを作りながら、佐藤が言った。
「……あんなセリフ、気持ち悪ぃ……」
楼依は胸を摩った。
その時、ボーイのいらっしゃいませー、との声と聞き覚えのある声が聞こえた。
「や、やっぱり悪いよ……。仕事なんだし……」
「大丈夫だって。仕事なんだから」
楼依は顔を上げる。
「お、楼依君。はい、連れて来た」
カウンターに座る楼依の前に、瑠依は背後でビクビクしているルシカの手を楼依に突き付けた。
「……悪ぃ」
そう言って、楼依はルシカの手を取って引き寄せた。
VIP席は遠いせいか、楼依の客からは見えないが他のホストの女性客何人かはルシカの存在に気付いている。
男物の服装だが、自信のないその表情は着飾った女性よりも綺麗だ。
楼依と並ぶと絵になる。
「アタシは神代先輩に絡んで来るので、ルシカちゃんよろしく」
「やっぱり帰るよ。……邪魔しちゃうし」
「何言ってんの。楼依君だって恋人とのクリスマスは初めてなんだし、迷惑とか思わないの」
瑠依はルシカの背中を押した。
「……こっちの席。狭いけど……」
楼依はギュッとルシカの手を握ると、隅っこの小さいBOX席に引っ張った。
後ろから、セットを持った佐藤が着いて来た。
弱めの甘い酒を、と楼依は佐藤に言うと佐藤はテーブルにセットを置いて席を離れた。
ソファーにルシカを座らせると、楼依もその横に座った。
「……あのさ、……ゴメンな、突然……」
ルシカは俯いた。
顔が見れない。
楼依はルシカの手の甲に手を重ねると、指を絡めた。
「これくらいなら、誰も気付かない」
ギュッと握る。
「謝んなよ。休みをもぎ取れなかった俺も情けねぇし、ウンザリしてた。……瑠依が連れて来てくれて、嬉しいんだよ、これでも」
「……でも、女の子達は楼依を目当てで来てんだ。俺はいつでも楼依を独り占め出来るんだし、くりすますが特別ってのも、俺にも分かるし。まして、男の俺が、さ……」
「特別だから、俺はお前と過ごしたい。瑠依が言ってただろ?初めてだって」
俯いているルシカの顔が真っ赤になった。
握った手も熱くなる。
「こっそり早目に上がる。……連れて帰るから、覚悟しとけ」
握った手は熱を帯びたまま、何時の間にか手の平を合わせ指を絡めている。
嬉しさと恥ずかしさに、ルシカの心臓は破裂しそうだった。
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