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淫魔のお仕事※※突発的ss
カグヤのお仕事★10
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出るのは溜息ばかりだ。
あの謎の撮影をした後、千皇がマンションに戻るのは2日ぶりだった。
あれ以来、ひとりエッチな配信はされず、今日
配信を辞める、との配信があったと咲護から連絡があった。
いつまでもイジける訳にもいかず、仕方なくシャワーだけ浴びて、簡単な着替えを持って行こうと思った。
あくまでも、自分の荷物を取りに来ただけ。
そう思い込ませながら、エレベーターは自室の階で止まった。
カグヤは寝ているだろうか。
いや、毎晩と言うか毎朝、カグヤは千皇が帰るまでは大抵起きてはいた。
家主が居ない間に一人でお楽しみ配信をし、普通に今まで「おかえり」と言われていたと思うと、やはり腹は立つ。
生きて行く上では、十分過ぎるほど尽くしては居るのに。
玄関の前に立つと、ポケットからカードキーを取り出した。
カグヤが起きていても、スルーして荷物を取り出せば良いだけだ。
あそこまで脅したのだから、大人しくはしているだろうが。
カードキーを通すと、小さくカチっと音がした。
ノブを握って開けると、廊下の奥が明るくぐずついた声が聞こえた。
下を向くと、くたびれた見慣れないスニーカーがあった。
千皇は舌打ちをすると、靴を脱いで玄関を上がる。
「やだっ!そのビリビリするヤツ、やだぁあっ!!」
「だったらさ、言う事聞いてよ。現物をさ、試してみようよ~」
泣き声で叫ぶカグヤの声と、聞き覚えのない声が聞こえた。
千皇の脚が止まる。
「ちょっと痛いだけで、後は気持ち良くなるよ~、きっとぉ~」
「ヤダヤダっ!!ごめんなさいっ!!」
「暴れると、ビリビリしちゃうよ~」
「ごめんなさいっ!!謝るから……」
名前を呼ばれた気がした。
少しだけ足を早めると、リビングのソファーに下半身剥き出しで組み敷かれているカグヤと、下着とズボンを中途半端に下げ、片手にスタンガンを持ちながらカグヤの腕を封じ、カグヤの片脚を肩に掲げ、今にも挿入しそうな体勢の見事な太鼓腹の中年男が居た。
カグヤは嫌がり、中年男は夢中で千皇には気付いて居ない。
千皇はそのまま無言で二人に近づくと、カグヤの上に乗ろうとする中年男の襟足を掴んだ。
「……他人の家に勝手に上がり込んで、……何勝手におっぱじめようとしてんだ」
何時になく、低い声がリビングに響く。
男は見上げると、普段通りの無表情な千皇が男を見下している。
男の身体が強ばったのが分かる。
「お、お前かっ!?お、俺達の姫ちゃんの唇を奪ったのはっ!?」
姫ちゃん、と発した言葉に、一瞬千皇には楼依が過ぎった。
が、カグヤのアカウント名だと理解すると溜息を吐いた。
「ひ、姫ちゃんは、み、みんなのモノなんだっ!!」
「みんなのモンが聞いて呆れるな。そんなモンまで持ち出して抜け駆けしようってんだ」
千皇は男の襟足を掴んだまま、男が握っているスタンガンを指差した。
カグヤは顔を手で覆いながら、泣き声を殺している。
「……まぁ、俺には関係ねぇか」
千皇はそう呟くと男から手を離した。
「俺は荷物を取りに来ただけだし、必要なモンは送り付けてやんよ」
そのまま千皇は、ソファーから離れようとした。
「ゃ、やだよぉ……」
顔を手で覆ったまま、カグヤが涙声で呟いた。
「テメェが招いた結果だ。こっちだって、潰しても潰してもキリがねぇ」
「ぉ、俺はただ……、ぐ、グレートレンジャーの……、限定フィギュアが……、欲しかっただけ、なのにぃ……」
泣きながら訴えるカグヤに、千皇は眉間に皺を寄せた。
グレートレンジャーとは、愛と正義と鉄拳で悪の組織から世界を救う、子供達の中で今一番熱い熱血特撮ヒーローだ。
カグヤがそれに夢中なのは知っていた。
千皇の怒りは限界を迎えようとしている。
「……そんな、くだらねぇ理由でコソコソあんなもん配信していたのか」
千皇はでっかい溜息を吐くと、男の肩を掴み力任せにカグヤから引き離した。
そして、そのまま床に男を投げ付けた。
男は背中を強打したのか、呻き声を上げた。
それでも男は上半身を起こし握っていたスタンガンを千皇の足に当てようとしたが、千皇はその手を蹴り上げると、ついでに男の顔面を踏み潰した。
スタンガンは弾け飛び、キッチンの方へと滑って行った。
再び男は呻き声を上げたが、千皇は顔を踏みつけたまま見下ろした。
千皇の足から見える威圧的な目線に、男は小さく悲鳴を上げた。
千皇はそのままでポケットからスマホを取り出すと、手早く操作をし耳に当てる。
男を見下ろしたまま、数秒後に千皇は口を開いた。
「……あー、引き取って欲しいヤツがいんだけど。……カタギだと思う。悪ぃな……」
そう短い会話をすると、千皇はスマホを切った。
コイツは気でも失わせておこうか、とは思ったが、千皇は男の顔面から足を下ろした。
「その粗末なモン、潰されたくなかったらさっさとしまえ」
一切表情を変えない千皇に、男はぶるっと身震いするといそいそと身体を起こし、ズボンを履き直した。
鼻からは血が流れている。
ズボンを履き終わったのを見ると、テレビの前を千皇は指さした。
「画面に向かって正座。痺れても脚を崩すな」
そう指示されて、男は黒いテレビ画面に向かい正座をする。
千皇は床に投げ捨てられたカグヤの下着とズボンを拾うと、カグヤに向かって投げた。
「ひぐっ……、ご、ごめん、な、ざい……」
相変わらずカグヤはソファーに寝そべり、顔を手で覆いながら千皇にそう言った。
「……早くズボン履いて泣きやめ。説教はそれからだ」
テレビ台の横にある棚に置いてあったボックスティッシュをテーブルに置くと、千皇は低く呟いた。
あの謎の撮影をした後、千皇がマンションに戻るのは2日ぶりだった。
あれ以来、ひとりエッチな配信はされず、今日
配信を辞める、との配信があったと咲護から連絡があった。
いつまでもイジける訳にもいかず、仕方なくシャワーだけ浴びて、簡単な着替えを持って行こうと思った。
あくまでも、自分の荷物を取りに来ただけ。
そう思い込ませながら、エレベーターは自室の階で止まった。
カグヤは寝ているだろうか。
いや、毎晩と言うか毎朝、カグヤは千皇が帰るまでは大抵起きてはいた。
家主が居ない間に一人でお楽しみ配信をし、普通に今まで「おかえり」と言われていたと思うと、やはり腹は立つ。
生きて行く上では、十分過ぎるほど尽くしては居るのに。
玄関の前に立つと、ポケットからカードキーを取り出した。
カグヤが起きていても、スルーして荷物を取り出せば良いだけだ。
あそこまで脅したのだから、大人しくはしているだろうが。
カードキーを通すと、小さくカチっと音がした。
ノブを握って開けると、廊下の奥が明るくぐずついた声が聞こえた。
下を向くと、くたびれた見慣れないスニーカーがあった。
千皇は舌打ちをすると、靴を脱いで玄関を上がる。
「やだっ!そのビリビリするヤツ、やだぁあっ!!」
「だったらさ、言う事聞いてよ。現物をさ、試してみようよ~」
泣き声で叫ぶカグヤの声と、聞き覚えのない声が聞こえた。
千皇の脚が止まる。
「ちょっと痛いだけで、後は気持ち良くなるよ~、きっとぉ~」
「ヤダヤダっ!!ごめんなさいっ!!」
「暴れると、ビリビリしちゃうよ~」
「ごめんなさいっ!!謝るから……」
名前を呼ばれた気がした。
少しだけ足を早めると、リビングのソファーに下半身剥き出しで組み敷かれているカグヤと、下着とズボンを中途半端に下げ、片手にスタンガンを持ちながらカグヤの腕を封じ、カグヤの片脚を肩に掲げ、今にも挿入しそうな体勢の見事な太鼓腹の中年男が居た。
カグヤは嫌がり、中年男は夢中で千皇には気付いて居ない。
千皇はそのまま無言で二人に近づくと、カグヤの上に乗ろうとする中年男の襟足を掴んだ。
「……他人の家に勝手に上がり込んで、……何勝手におっぱじめようとしてんだ」
何時になく、低い声がリビングに響く。
男は見上げると、普段通りの無表情な千皇が男を見下している。
男の身体が強ばったのが分かる。
「お、お前かっ!?お、俺達の姫ちゃんの唇を奪ったのはっ!?」
姫ちゃん、と発した言葉に、一瞬千皇には楼依が過ぎった。
が、カグヤのアカウント名だと理解すると溜息を吐いた。
「ひ、姫ちゃんは、み、みんなのモノなんだっ!!」
「みんなのモンが聞いて呆れるな。そんなモンまで持ち出して抜け駆けしようってんだ」
千皇は男の襟足を掴んだまま、男が握っているスタンガンを指差した。
カグヤは顔を手で覆いながら、泣き声を殺している。
「……まぁ、俺には関係ねぇか」
千皇はそう呟くと男から手を離した。
「俺は荷物を取りに来ただけだし、必要なモンは送り付けてやんよ」
そのまま千皇は、ソファーから離れようとした。
「ゃ、やだよぉ……」
顔を手で覆ったまま、カグヤが涙声で呟いた。
「テメェが招いた結果だ。こっちだって、潰しても潰してもキリがねぇ」
「ぉ、俺はただ……、ぐ、グレートレンジャーの……、限定フィギュアが……、欲しかっただけ、なのにぃ……」
泣きながら訴えるカグヤに、千皇は眉間に皺を寄せた。
グレートレンジャーとは、愛と正義と鉄拳で悪の組織から世界を救う、子供達の中で今一番熱い熱血特撮ヒーローだ。
カグヤがそれに夢中なのは知っていた。
千皇の怒りは限界を迎えようとしている。
「……そんな、くだらねぇ理由でコソコソあんなもん配信していたのか」
千皇はでっかい溜息を吐くと、男の肩を掴み力任せにカグヤから引き離した。
そして、そのまま床に男を投げ付けた。
男は背中を強打したのか、呻き声を上げた。
それでも男は上半身を起こし握っていたスタンガンを千皇の足に当てようとしたが、千皇はその手を蹴り上げると、ついでに男の顔面を踏み潰した。
スタンガンは弾け飛び、キッチンの方へと滑って行った。
再び男は呻き声を上げたが、千皇は顔を踏みつけたまま見下ろした。
千皇の足から見える威圧的な目線に、男は小さく悲鳴を上げた。
千皇はそのままでポケットからスマホを取り出すと、手早く操作をし耳に当てる。
男を見下ろしたまま、数秒後に千皇は口を開いた。
「……あー、引き取って欲しいヤツがいんだけど。……カタギだと思う。悪ぃな……」
そう短い会話をすると、千皇はスマホを切った。
コイツは気でも失わせておこうか、とは思ったが、千皇は男の顔面から足を下ろした。
「その粗末なモン、潰されたくなかったらさっさとしまえ」
一切表情を変えない千皇に、男はぶるっと身震いするといそいそと身体を起こし、ズボンを履き直した。
鼻からは血が流れている。
ズボンを履き終わったのを見ると、テレビの前を千皇は指さした。
「画面に向かって正座。痺れても脚を崩すな」
そう指示されて、男は黒いテレビ画面に向かい正座をする。
千皇は床に投げ捨てられたカグヤの下着とズボンを拾うと、カグヤに向かって投げた。
「ひぐっ……、ご、ごめん、な、ざい……」
相変わらずカグヤはソファーに寝そべり、顔を手で覆いながら千皇にそう言った。
「……早くズボン履いて泣きやめ。説教はそれからだ」
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