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真夏の悪夢
真幸の悪夢
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下界の夏は暑い。
昼間のセミの声が余計に暑さを感じさせ、夜も夜とて暑い。
魔界には四季がないが、雨や雪は降る。
昼でも暗いせいか、暑さもない。
雨や雪の日は寒いが、それだけだ。
「あつぃ……」
窓を全開に開け、それでも風は入らない。
扇風機なるものを付けても、生暖かい風だ。
ヨゾラはダラっとソファーに座りながら、天井を見上げる。
その時、玄関が開く音がすると、しばらくして短い廊下を歩く音もした。
「ただいま、って、あつっ!!」
リビングに籠った熱に、バイトから帰って来た真幸はあまりの暑さに驚いた。
「お~……、おかえりぃ~……」
ぐだっとしながらヨゾラはそう返した。
「エアコン付けんかいっ!!熱中症になってまうっ!!」
真幸はテーブルにビニール袋をドカッと置くと、窓を閉めて壁に掛かっていたエアコンのリモコンを手に取った。
壁の天井近くにある、大きな機械にリモコンを向けると、ピッと言う小さな音と共に、小さな風の音が聞こえた。
瞬く間に、部屋が涼しくなった。
「あー……、何だこれ。涼しくて気持ちい~……」
ヨゾラはふにゃっとした笑みを浮かべた。
「日本の夏、舐めるなよ。部屋涼しして水分ちゃんと取らんと死んでまう」
「仕方ねぇじゃん。使い方とか知らねぇし。あっちの世界だと、火山の近くじゃない限りはこんなに暑くねぇし」
「そーかい。そー言えば兄さんは?」
「姫神さんが食事に誘った。俺も誘われたけど、真幸がバイトだし、邪魔したくないから断った」
ふーんと真幸は呟くと、テーブルの前に座り込み置いたビニール袋を広げて中身を取り出した。
「今日は土用の丑の日言うて、ウナギ食う日やねん」
「うなぎ?」
「それ食うて、夏にも負けない体力を付けろ、って事やな。言うても、こんだけやとスタミナのスの字も付かへんが」
ガサゴソとビニール袋から二つのタッパを取り出した。
「バイト先からもろうてん。2つしかないから丁度えぇ」
「……ふーん。何かいろいろと細かいな、下界って」
「豪に入れば郷に従えや。俺汗だくやねん。風呂使わせて貰うから、先に食うとってえぇで」
そう言いながら真幸は立ち上がると、ヨゾラの部屋へと行ってしまった。
真幸を待って居ようかと思ったのだが、丁度お腹も空いたので、2つのタッパのうち1つを手に取った。
まだ、温かい。
蓋を開けると、ほんわかといい匂いがした。
丁寧に割り箸まで入っている。
いただきます、と手を合わせ小さく呟くと、箸をうなぎに滑らせた。
茶色い、少し焦げ目のあるふわっとした感覚に驚くも、一口口に入れた。
甘いタレとホロホロの食感が堪らない。
「うめ……」
そう呟くと、一口、また一口と口に運んで行った。
1/3くらい食べた時だった。
何となく、身体がほんのり熱くなった、気がした。
そして、ほんのり下半身が疼いた。
「……なん、だ?」
そのほんのりが、だんだんと強くなった。
頭の中がほわ~となる様な、このハジメテ食した美味い食べ物が、身体と思考の奥底を変えて行く様な感じだ。
下半身が、ムズムズする。
そっと下半身を触ると、何故かペニスも硬くなっている。
布越しとは言え、触ったら触ったでゾクゾクとムズムズが増えて行く。
身体の中が熱を持ち出した様な、気持ちまでもが高揚して行く様な訳の分からない感覚だ。
(……これ、ヤバい……)
ヨゾラは、箸を咥えたまま立ち上がると、そのまま自分の部屋へと行った。
昼間のセミの声が余計に暑さを感じさせ、夜も夜とて暑い。
魔界には四季がないが、雨や雪は降る。
昼でも暗いせいか、暑さもない。
雨や雪の日は寒いが、それだけだ。
「あつぃ……」
窓を全開に開け、それでも風は入らない。
扇風機なるものを付けても、生暖かい風だ。
ヨゾラはダラっとソファーに座りながら、天井を見上げる。
その時、玄関が開く音がすると、しばらくして短い廊下を歩く音もした。
「ただいま、って、あつっ!!」
リビングに籠った熱に、バイトから帰って来た真幸はあまりの暑さに驚いた。
「お~……、おかえりぃ~……」
ぐだっとしながらヨゾラはそう返した。
「エアコン付けんかいっ!!熱中症になってまうっ!!」
真幸はテーブルにビニール袋をドカッと置くと、窓を閉めて壁に掛かっていたエアコンのリモコンを手に取った。
壁の天井近くにある、大きな機械にリモコンを向けると、ピッと言う小さな音と共に、小さな風の音が聞こえた。
瞬く間に、部屋が涼しくなった。
「あー……、何だこれ。涼しくて気持ちい~……」
ヨゾラはふにゃっとした笑みを浮かべた。
「日本の夏、舐めるなよ。部屋涼しして水分ちゃんと取らんと死んでまう」
「仕方ねぇじゃん。使い方とか知らねぇし。あっちの世界だと、火山の近くじゃない限りはこんなに暑くねぇし」
「そーかい。そー言えば兄さんは?」
「姫神さんが食事に誘った。俺も誘われたけど、真幸がバイトだし、邪魔したくないから断った」
ふーんと真幸は呟くと、テーブルの前に座り込み置いたビニール袋を広げて中身を取り出した。
「今日は土用の丑の日言うて、ウナギ食う日やねん」
「うなぎ?」
「それ食うて、夏にも負けない体力を付けろ、って事やな。言うても、こんだけやとスタミナのスの字も付かへんが」
ガサゴソとビニール袋から二つのタッパを取り出した。
「バイト先からもろうてん。2つしかないから丁度えぇ」
「……ふーん。何かいろいろと細かいな、下界って」
「豪に入れば郷に従えや。俺汗だくやねん。風呂使わせて貰うから、先に食うとってえぇで」
そう言いながら真幸は立ち上がると、ヨゾラの部屋へと行ってしまった。
真幸を待って居ようかと思ったのだが、丁度お腹も空いたので、2つのタッパのうち1つを手に取った。
まだ、温かい。
蓋を開けると、ほんわかといい匂いがした。
丁寧に割り箸まで入っている。
いただきます、と手を合わせ小さく呟くと、箸をうなぎに滑らせた。
茶色い、少し焦げ目のあるふわっとした感覚に驚くも、一口口に入れた。
甘いタレとホロホロの食感が堪らない。
「うめ……」
そう呟くと、一口、また一口と口に運んで行った。
1/3くらい食べた時だった。
何となく、身体がほんのり熱くなった、気がした。
そして、ほんのり下半身が疼いた。
「……なん、だ?」
そのほんのりが、だんだんと強くなった。
頭の中がほわ~となる様な、このハジメテ食した美味い食べ物が、身体と思考の奥底を変えて行く様な感じだ。
下半身が、ムズムズする。
そっと下半身を触ると、何故かペニスも硬くなっている。
布越しとは言え、触ったら触ったでゾクゾクとムズムズが増えて行く。
身体の中が熱を持ち出した様な、気持ちまでもが高揚して行く様な訳の分からない感覚だ。
(……これ、ヤバい……)
ヨゾラは、箸を咥えたまま立ち上がると、そのまま自分の部屋へと行った。
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