187 / 189
淫魔のお仕事※※突発的ss
ヨゾラのお仕事★2
しおりを挟む
「がくえんさい?」
棚から大きめの皿を取り出しながら、ルシカが聞き返した。
「学校のお祭りなんだって。俺達は何かいろいろやんなきゃいけないみたいだけど」
茶碗にご飯を盛りながら、ヨゾラはそう答えた。
「何やるの?」
ルシカは煮込みハンバーグを皿に盛り付けると、再び聞いた。
「まだ分かんねぇ。けど、ルシ兄も来れば良いよ。姫神さんと一緒にさ」
「行って良いのか?」
「うん、御手洗君達もご家族が来るって」
ハンバーグの横にサラダを盛り付けると、その横にご飯を並べた。
お祭りなんて行った事がない。
だから、どんなのか分からない。
「姫神さんの行ってた学校、興味無い?」
ヨゾラはグラスを取り出すと、テーブルに置いた。
興味が無いわけは無い。
学校に行った事がないから余計に。
「もう直ぐ姫神さんが来るだろ?」
今日は楼依が夕飯を食べに来る。
夜のホストの仕事は休みだ。
夕飯の準備が終わると、インターホンが鳴った。
足早にルシカは玄関へと行ってしまった。
ヨゾラはリビングの窓際で身体を丸めて寝そべっているグラディエットに、餌の入ったお皿を持って行った。
廊下を歩く音がする。
リビングに楼依が姿を現すと、ヨゾラ立ち上がった。
「いらっしゃい」
そう一言言うと、おぅ、と楼依が返した。
大学から直で来たのか、ちょっとオシャレなリュックのみで軽装だった。
ルシカが楼依のリュックを受け取ると、それをソファーの上に置いた。
そして、楼依の手を取ってキッチンのテーブルへと引っ張った。
「ねぇ、姫神さん」
ヨゾラもキッチンへ行くと、椅子に座る楼依に話しかけた。
「学園祭があるんだ。ルシ兄と一緒に来ませんか?」
学園祭、との言葉に一瞬楼依は眉をしかめた気がした。
「あー……、もうそんな時期か……」
ポツリと呟く。
「楼依、お酒飲む?」
ルシカが冷蔵庫を覗き込みながら聞いた。
「車で来てんし」
「泊まれば良いじゃないですか?」
ヨゾラも椅子に座るとそう聞いた。
「準備して来てねぇし」
「真幸にバイト帰りに買わせますよ。ルシ兄だってたまには泊まって欲しいだろ?」
ルシカの動きが止まる。
だいたいはルシカが楼依の部屋に泊まる事が多い。
楼依はひとり暮らしな為、思う存分イチャイチャ出来る訳だ。
「俺や真幸に気を遣う事はないんだし」
そう言いながら、ヨゾラは自分のスマホから真幸に楼依用の着替えを買って来る様にメッセージを送った。
「ルシ兄、真幸にメッセージ送ったから」
「もう、勝手だな……」
ルシカはそう呟くと、楼依に済まなさそうな表情を向けた。
「……ルシカが迷惑じゃねぇなら」
その返事に、ルシカの顔が赤くなった。
「でも、今飲んだらせっかくの飯の味が分からなくなる。楽しみ過ぎて昼飯抜いてんだ」
「……大袈裟だなぁ」
ルシカは照れ笑いを浮かべながら、冷蔵庫からお茶の入ったボトルを取り出した。
それを、みんなのグラスに注ぐと冷蔵庫に戻し、やっと自分も座った。
3人が揃うと、両手を合わせて「いただきます」と挨拶をした。
楼依が箸でハンバーグを一口大に切ると、挟んで口に入れる。
「……うめっ」
呟く様にそう思わず口にすると、ルシカは嬉しげに笑顔を向けた。
「ハンバーグは初めて作ったんだ。……自信なかったけど」
「瑠依が良く作るけど、それよりも全然」
「へへ……、嬉しい……」
ルシカも頬を赤くしながら、食事を始めた。
ヨゾラはそんな2人を交互に見ながら、箸を進める。
そして、何かを思い出して小さく「あ」、と呟いた。
「そう言えば姫神さん」
「……ん?」
「学園祭で女装と執事で二冠とった生徒が過去に居るって聞いたんだ」
そのヨゾラの言葉に、楼依が止まった。
「姫神さん、知ってますか?」
その二冠を取った生徒は、楼依である。
第一候補に上がったものの、女装なんてしたくなく断固として裏方になったのだが、当日は女装候補が熱で休み、楼依が無理矢理させられたのである。
が、楼依は再び箸を動かし始めた。
「……さぁ?」
と、楼依はすっとぼけた。
「神代さんの事じゃないのか?あの人なら二冠くらい……」
「先輩は3年は参加してねぇよ」
あ、とヨゾラは再び声を上げた。
創立記念年と重なって、この学校出身の芸能人を呼んだのだが、顔がイケメン過ぎて逆にそのゲストが浮いてしまう、と言う理由から、千皇と楼依は強制的に文化祭は不参加にさせられたのである。
「じゃあ、2年は参加したのかな?」
「そもそも、女装なんて嫌がるだろ?あの人の性格なら」
楼依は次々に口にハンバーグを入れながら答えた。
「弾さんでもイケそうだよね。あの人、顔は綺麗だから」
ヨゾラは箸を咥えると、そう言った。
「あの人は何かやらすと何やらかすか分からねぇからって、監視付きの自由にさせてたらしい」
何となく想像が付いてしまう。
校長が今でもビビり散らしているくらいだ。
「あ、でも、弾さんなら知ってるかな?二冠とった人」
余程気になるのか、ヨゾラはそう呟いた。
一瞬、楼依の手が止まった。
「見返りに兄貴を要求されるからやめとけ」
一瞬止まったが、楼依は再び手を動かし出した。
そっか、とヨゾラは肩を落とした。
棚から大きめの皿を取り出しながら、ルシカが聞き返した。
「学校のお祭りなんだって。俺達は何かいろいろやんなきゃいけないみたいだけど」
茶碗にご飯を盛りながら、ヨゾラはそう答えた。
「何やるの?」
ルシカは煮込みハンバーグを皿に盛り付けると、再び聞いた。
「まだ分かんねぇ。けど、ルシ兄も来れば良いよ。姫神さんと一緒にさ」
「行って良いのか?」
「うん、御手洗君達もご家族が来るって」
ハンバーグの横にサラダを盛り付けると、その横にご飯を並べた。
お祭りなんて行った事がない。
だから、どんなのか分からない。
「姫神さんの行ってた学校、興味無い?」
ヨゾラはグラスを取り出すと、テーブルに置いた。
興味が無いわけは無い。
学校に行った事がないから余計に。
「もう直ぐ姫神さんが来るだろ?」
今日は楼依が夕飯を食べに来る。
夜のホストの仕事は休みだ。
夕飯の準備が終わると、インターホンが鳴った。
足早にルシカは玄関へと行ってしまった。
ヨゾラはリビングの窓際で身体を丸めて寝そべっているグラディエットに、餌の入ったお皿を持って行った。
廊下を歩く音がする。
リビングに楼依が姿を現すと、ヨゾラ立ち上がった。
「いらっしゃい」
そう一言言うと、おぅ、と楼依が返した。
大学から直で来たのか、ちょっとオシャレなリュックのみで軽装だった。
ルシカが楼依のリュックを受け取ると、それをソファーの上に置いた。
そして、楼依の手を取ってキッチンのテーブルへと引っ張った。
「ねぇ、姫神さん」
ヨゾラもキッチンへ行くと、椅子に座る楼依に話しかけた。
「学園祭があるんだ。ルシ兄と一緒に来ませんか?」
学園祭、との言葉に一瞬楼依は眉をしかめた気がした。
「あー……、もうそんな時期か……」
ポツリと呟く。
「楼依、お酒飲む?」
ルシカが冷蔵庫を覗き込みながら聞いた。
「車で来てんし」
「泊まれば良いじゃないですか?」
ヨゾラも椅子に座るとそう聞いた。
「準備して来てねぇし」
「真幸にバイト帰りに買わせますよ。ルシ兄だってたまには泊まって欲しいだろ?」
ルシカの動きが止まる。
だいたいはルシカが楼依の部屋に泊まる事が多い。
楼依はひとり暮らしな為、思う存分イチャイチャ出来る訳だ。
「俺や真幸に気を遣う事はないんだし」
そう言いながら、ヨゾラは自分のスマホから真幸に楼依用の着替えを買って来る様にメッセージを送った。
「ルシ兄、真幸にメッセージ送ったから」
「もう、勝手だな……」
ルシカはそう呟くと、楼依に済まなさそうな表情を向けた。
「……ルシカが迷惑じゃねぇなら」
その返事に、ルシカの顔が赤くなった。
「でも、今飲んだらせっかくの飯の味が分からなくなる。楽しみ過ぎて昼飯抜いてんだ」
「……大袈裟だなぁ」
ルシカは照れ笑いを浮かべながら、冷蔵庫からお茶の入ったボトルを取り出した。
それを、みんなのグラスに注ぐと冷蔵庫に戻し、やっと自分も座った。
3人が揃うと、両手を合わせて「いただきます」と挨拶をした。
楼依が箸でハンバーグを一口大に切ると、挟んで口に入れる。
「……うめっ」
呟く様にそう思わず口にすると、ルシカは嬉しげに笑顔を向けた。
「ハンバーグは初めて作ったんだ。……自信なかったけど」
「瑠依が良く作るけど、それよりも全然」
「へへ……、嬉しい……」
ルシカも頬を赤くしながら、食事を始めた。
ヨゾラはそんな2人を交互に見ながら、箸を進める。
そして、何かを思い出して小さく「あ」、と呟いた。
「そう言えば姫神さん」
「……ん?」
「学園祭で女装と執事で二冠とった生徒が過去に居るって聞いたんだ」
そのヨゾラの言葉に、楼依が止まった。
「姫神さん、知ってますか?」
その二冠を取った生徒は、楼依である。
第一候補に上がったものの、女装なんてしたくなく断固として裏方になったのだが、当日は女装候補が熱で休み、楼依が無理矢理させられたのである。
が、楼依は再び箸を動かし始めた。
「……さぁ?」
と、楼依はすっとぼけた。
「神代さんの事じゃないのか?あの人なら二冠くらい……」
「先輩は3年は参加してねぇよ」
あ、とヨゾラは再び声を上げた。
創立記念年と重なって、この学校出身の芸能人を呼んだのだが、顔がイケメン過ぎて逆にそのゲストが浮いてしまう、と言う理由から、千皇と楼依は強制的に文化祭は不参加にさせられたのである。
「じゃあ、2年は参加したのかな?」
「そもそも、女装なんて嫌がるだろ?あの人の性格なら」
楼依は次々に口にハンバーグを入れながら答えた。
「弾さんでもイケそうだよね。あの人、顔は綺麗だから」
ヨゾラは箸を咥えると、そう言った。
「あの人は何かやらすと何やらかすか分からねぇからって、監視付きの自由にさせてたらしい」
何となく想像が付いてしまう。
校長が今でもビビり散らしているくらいだ。
「あ、でも、弾さんなら知ってるかな?二冠とった人」
余程気になるのか、ヨゾラはそう呟いた。
一瞬、楼依の手が止まった。
「見返りに兄貴を要求されるからやめとけ」
一瞬止まったが、楼依は再び手を動かし出した。
そっか、とヨゾラは肩を落とした。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる