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しおりを挟む「下へ降りるけど、お前はどうする?」間宮がそう訊ねたのは、務がリゾットをテーブルに置いた時のことだった。結局翌日になって発熱した間宮は、二日寝込み、和紗が訪れてから、今日で三日目になる。
その間ほとんど食事を取っていなかった友人の、未だ青い顔色を眺めながら、務は席について腕を組んだ。
「どうするって」今までそのような話題になったことはない。「なんで?」
「梓月は今、中華計画の中枢にいるだろ。あいつも大変みたいだからな」
「……そうかもしれないけど。今更僕が行っても、会っても、何も出来ることはないし、逆に迷惑なんじゃないかな」
「かもな。嫌、実際そうだろ。別にお前に何か役割を期待していった訳じゃない。ただ……いや、別に」
「僕が会いたいと思ってるんじゃないかとか、そういう意味?」
務がコンソメスープが浸るカップに手を伸ばしながらそうつげると、思案するように間宮が視線をそらした。
「それなら、良いんだよ、もう。僕は忘れることにしたし、大丈夫だから」
「忘れるってお前……」驚いたように顔を上げた間宮に向かい、沈めてきたのだと、無音で胸の中繰り返す。声にはしない。
「だから、さ。間宮が一人で行くの嫌だから、っていうんならついていくけど、そうじゃないんなら別に行かなくても良い。足手まといならなおさらね」
「何で俺が、一人が嫌だなんて思うんだよ。逆にお前の顔見なくて良いなんてせいせいする」
「何もそこまで言わなくても」
「ああ、悪い言い過ぎた。ただな、梓月のことは兎も角、お前、家にこもりすぎだろ。たまには外に出るのも良いんじゃないのか? だから、ただそのきっかけになれば良いとは思った」
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