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―― 第五章 ――
【七十四】初めての刺激(☆)
クライヴが治って、三日が経過した。
僕は湯浴み後、窓の外の大きな月を眺めながら、静かに立っていた。
すると遅れてきたクライヴが、施錠する音が響いてきた。寝込んでいた間にたまっていた公務や執務を、遅くまで片付けていたらしい。振り返って、僕はクライヴを見据え、微笑した。
「お疲れ様」
「ああ。ルイスの顔を見るだけで、疲れが溶けていくようだ」
ゆったりと歩み寄ってきたクライヴは、僕のあごを持ち上げると、少し屈んでキスをした。僕が目を閉じると、次第に口づけが深くなる。
「《お座り》」
「うん……」
言われた通りに、僕は絨毯の上にぺたんと座った。するとチェストを一瞥したクライヴが、三段目の棚を指さした。
「今日は寝かせないぞ」
「……うん」
「どれが欲しい? 《取ってきてくれ》」
「クライヴがいい……」
「勿論。ただ、今夜はもっともっと、愛したいんだ」
僕は唾液を嚥下してから、チェストへと向かう。そして三段目の棚を開けた。そこには……クライヴが買ってきた大人の玩具が色々入っている。魔導具が多い。ただ、クライヴは僕にそれを見せて取ってくるように過去にも幾度か命じたけれど、まだ実際には使った事がない。
「わからないよ……これは、どんな風になるの?」
僕は球体を取り出して、クライヴに振り返る。いつか二人でお忍びで出かけた時に見た、尻尾付きの品によく似ているけれど、口頭での説明だけでは、僕にはピンとは来ない。
「では、それを使ってみようか」
「う、うん……」
「怖いか? 嫌か?」
「……回復祝いだから……クライヴが使いたいなら……」
「俺が使いたいのは、もう少し大きいものだな」
「え?」
「振動する張り型の魔導具があるだろう? 前に話した品だ」
「うん……」
「《取ってきてくれ》」
少し意地悪なクライヴの声音に、ゾクゾクしながら僕はそれを手に取った。そしてクライヴのもとへと戻る。
「《いい子だ》――寝台にあがろう。そこで、《四つん這いに》」
力のこもった《命令》が、とても久しぶりで、もうその声を聴いているだけで、僕の全身が歓喜している。僕はガウンを羽織ったままで、言われた通りにした。最初から下着は身に着けていない。これは、湯浴みの前に受けた《命令》の結果だ。
香油の瓶を手にしたクライヴもまた寝台にあがると、僕のガウンを開けて、そして僕の臀部に触れた。それから香油を垂らし、ぬめる指先で僕の後孔を確認するように解し始めた。久しぶりに受け入れるせいか、指の感触が大きく思える。
「すっかり俺の形に、縦に変わったな」
「い、言わないで……」
羞恥に駆られ、僕の頬がカッと熱くなった。クライヴの事しかしらない僕の菊門は、今ではクライヴの先端の形になってしまった。
「この魔導具には、俺の形を記憶させてあるんだ。そういう効果のある魔導具なんだよ。今回、俺はしばらくルイスを抱けなかっただろう? そういう時に、使ってもらえる品を用意しておこうと思ってな。俺の実際のものよりは、少し小さいが」
「……クライヴがいい」
「何があるかわからないと今回思ったんだ。ただ、俺以外にルイスが抱かれる事など考えただけで許せないと思って、導出した結果だ。俺のお願いだ。《叶えてくれ》」
「う、うん……」
「挿れるぞ」
こうしてクライヴが、僕の後孔に張り型の魔導具をゆっくりと挿入した。指は温かかったけれど、張り型は冷たい。
「あ、ああっ……」
ゆっくりとゆっくりと差し入れられ、深くまで張り型が入ってきた。クライヴは少しの間手でそれを抜き差しし、もう一方の手では僕の陰茎を握りこんだ。
「んン!」
その時張り型の先端が、僕の前立腺を押し上げた。その状態で、クライヴが張り型から手を離した。
「動かすぞ」
「え?」
今までも手で抜き差しされていたから、僕は首を傾げる。
「いいか?」
「う、うん」
クライヴのお願いは全部叶えたいと思って頷いた直後――僕は目を見開いた。
「あ、ああああ!」
張り型が振動を始めたからだ。機械的な動きは、魔導具に込められた魔力によるのだろう。ブルブルと振動していて、それが僕の前立腺を直接的に刺激したままで、全身に響いてくる。骨が揺さぶられるような感覚がして、脳髄が痺れた。気づくと僕は放っていた。
「いや、あ、あ、強い、待って、これ、これは……ンあ――!!」
頭が真っ白に染まる。強制的に快楽を煽られて、僕はポロポロと涙を零した。
「俺が不在の場合は、これを使ってくれ。《約束だ》」
「あ、あ、あ――んっ、ァ……わ、わかった。や、ぁ……ああ! また出ちゃう」
「今日はたくさんイかせる。久しぶりだからな」
「ん――!!」
僕は初めて感じる刺激に震えるしかできない。すると僕の顔の側に、クライヴが回ってきた。そして下衣を開ける。
「《舐めてくれ》」
「んン……っ、フぁ」
僕は必死に唇を開いて、巨大なクライヴの先端を口へと含んだ。
筋を舐め上げ、鈴口を舌で刺激してみせる。やり方はクライヴが教えてくれた。
「《上手だ》」
「んん!」
褒められた瞬間、嬉しさが極まって、僕はギュッと目を閉じる。
「《飲んでくれ》」
「ン――っ、ぁ……」
口腔のより奥深くまで陰茎を挿入された時、脈動を感じ、僕はクライヴの白濁とした液を口で受け止めた。素直に飲み込む。するとクライヴが僕の頭を撫でてくれた。それにも僕は幸せになっていた。その間もずっと内側は振動で埋め尽くされていて、僕は快楽と幸福感で、訳が分からなくなっていく。
「《いい子だ》」
「っは……クライヴが好き、ぁ……あああっ、や、でもこれ、これは……あ、あ、あ、ア――!!」
僕は再び放った。既にシーツは、僕が出したものでぐちゃぐちゃだ。
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