黒薔薇の刻印

猫宮乾

文字の大きさ
24 / 61

【二十四】性欲処理者Ⅱ

しおりを挟む

 向かった先は、地の国の設営している砦だった。

「おかえりなさいヴェルス団長。ええと……それは?」
「俺の新しい男娼だ」
「お金払うんですか?」
「衣食住くらいは保証してやるさ」

 ニヤっと笑った男は、ヴェルスという名らしい。そのまま俺は、砦の奥の簡素な部屋へと連れて行かれた。ぐったりとしていた俺の体を、木の板に布をかけただけの寝床に、ヴェルスが下ろした。

「咥えろよ」
「……」

 首輪がその命令に反応する。俺が口を開くと、ヴェルスが長く太いものを突っ込んできた。雄の臭いに、息を詰める。口の奥深くまで暴かれながら、必死に舌と頬を動かした。

「さすがに巧いな。出すぞ」
「っぐ」

 口の中深く、喉の間際まで貫かれ、そこに吐精された。俺の唇の端から、白液が零れる。

「飲め」
「っ、ぁ」

 必死に言われた通りにすると、頭を撫でられた。それからヴェルスが俺の耳を擽った。ピクンと俺の体が跳ねる。それから、ヴェルスは俺の背後に回ると、四つん這いになっている俺の腰を掴み、性急に挿入してきた。硬度を取り戻していたヴェルスの肉茎は、グリと俺の感じる場所を抉った。

「ああ」

 布を掴み、俺が声を上げると、俺に激しく打ち付けながら、ヴェルスが笑った気配がした。

「あ、あ、あ」

 まるで獣のような交わりだった。乱暴なのだが、気持ち良い。痛みは無い。激しいのだが、気を遣って抱いているのだと理解出来る。

「あ、そこは、嫌だ……やあああ」
「感じすぎて嫌か?」
「う、うあ、あ、ああ……お願い、あ、イっちゃ――ああああ!」
「いっぱいイけよ。一緒に気持ち良くなろう、な?」
「ああ、あ、ああ! 待って、まだイったばっかりで」

 黒薔薇の刻印の残っている力で、俺は何度でも果てられる体らしい。それが逆に辛い。ボロボロと泣きながら、俺は快楽に耐えた。緩急をつけて俺の内部を暴きながら、ヴェルスが楽しそうな声を上げた。

「いいねぇ、いいな。気に入ったよ、お前の体」
「あ、は……ああ、あア」
「顔も随分と綺麗だしな。こりゃあ……そうだな。献上品にも良いか」
「もう、もう……ア……あああ!」
「良い声で啼くんだなぁ。んー、誰に捧げるとするか」
「ひゃッ!」

 俺の陰茎から精液が飛び散る。一瞬力が抜けて寝台に上半身を預けた時、背中に体重をかけられた。そして両手首を掴まれる。その状態で腰を揺さぶられた。

「だめ、だめだ、だめ、だめいやあああ」
「嘘つきだなぁ。よがってる」
「お願いだから、あ、あ――さっきの所突いて」
「うん。そうやって素直にしてろ」

 クスクスとヴェルスは笑ったが、そのまま動いてくれなかった。果てたくて果てたくて、何度も俺は懇願した。だがヴェルスは俺の背中をねっとりと舐めるだけだった。そうしてその夜は、散々焦らされた後、最後はまた獣のように貫かれ、俺はいつの間にか意識を手放していた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

卵を産んでしまったハーピィ男子の話

志田
BL
ハーピィのヒューイは相棒の天族のディオンに片想いをしていた。ある日、卵を産めるようになったのをきっかけに、こっそりディオンの子どもを作ろうと衝動的に計画するが…。異種族×異種族。おバカ受。

オメガな王子は孕みたい。

紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。 ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。 王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...