黒薔薇の刻印

猫宮乾

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【二十八】罪Ⅱ

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「う……」

 目を覚ますと、俺は久方ぶりに服を着ていた。
 そして、見知らぬ場所にいた。

「目が覚めましたか、兄上」
「ミネス……」
「魔法陣で移動しました。ここは、地の国の王宮です」
「……」
「兄上、僕は一生貴方を許さない。復讐させてもらいます」

 ミネスは寝台に横たわっている俺を冷たい表情で見おろしてから、唇にだけ笑みをはり付けた。俺はその表情を見ていたくなくて、きつく目を閉じる。

「ただ一つ、仕事として、こちらの兵器ともなる神産みだけはしてもらいます。そのためにも、その淫らな体に、再び樹の神の魔力を戻さなければ。ああ、貴方なんかと交わらなければならない人々が哀れだ――入れ」

 ミネスがそう言うと、扉が開き――懐かしき樹の国の服を纏った人々が入ってきた。その姿に、中には見慣れた顔もあって、俺は生きていた事が嬉しくなった。しかし人々は、皆冷たい顔で俺を見ていた。

「犯して魔力を注げ」
「御意」

 同意した人々が寝台を取り囲んだ。俺が青ざめていると、嘗て近衛騎士団長をしていたマイダだ俺にのし掛かってきた。

「ミネス殿下を置き去りにした非道な行い、決して我々は許しませんよ、殿下」
「……っ」
「魔力を注ぐ――良い口実だ。その性根、たたき直して差し上げますよ」

 冷酷な顔でそう言ったマイダが、俺の纏っていた服を引き裂いた。
 直後、他の人間のも寝台に乗ってきた。彼らは俺の体を後ろから抱いたり、前からじっと見つめたりした後――炎で真っ赤になった鉄の焼き印具を俺の前に掲げた。

「うあああああああ」

 俺の太股に焼き印が押しつけられた。じゅっと皮膚が焼ける音がした。痛みから俺が絶叫するが、皆冷たい顔をしているだけだった。これは、罪人印だ。これを押された者は、樹の国において、全ての権利を剥奪され、人として扱われなくなっていた。概念では、俺も知っていた。講義で習ったからだ。

 鉄が離れると、肌に刻まれた罪人印から魔力が零れた。

「さぁ、罪を償ってもらいましょう」

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