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【三十四】残酷な優しさⅢ
しおりを挟む俺の胸の突起に、ユーガ殿下の指先が触れた。こんなにも長く、誰かと体を繋いでいなかったのは初めてだから、慣れているはずなのに、俺は緊張していた。自分の淫乱な体の事が露見する恐怖もある。だから、なるべく声を堪える事に決める。
「っく、ッ……ふ」
ペロリと右の乳首を舐められると、ジンと全身に快楽が響いた。黒薔薇の刻印がその刺激に反応したようで、すぐに模様に沿って熱が全身に染みこんでくる。
「ッ……ぁ……ンん……っく」
片手で口元を覆った俺は、自分の反応が変で無いか考えながら、殿下を見た。ユーガ殿下は――この時、俺が初めて見る顔をしていた。そこには、確かに肉欲が宿る瞳があった。金色の瞳に、射すくめられたようになる。
「酷い事はしない」
「っぁ……」
殿下が香油の瓶をたぐり寄せ、それを手にまぶした。そしてぬめる手で、俺の陰茎を握り込んだ。
「んんン」
俺の口から、鼻を抜けるような声が漏れた。気持ち良い。純粋に、穏やかな快楽がこみ上げてくる。すぐに勃起した俺のものを、殿下が撫でる。そうして左手で俺の陰茎を擦りながら、右手の指を俺の中へとゆっくりと差し入れた。人差し指の第一関節が入った時、俺は息を詰めた。もっと――欲しい。だが、そんな淫らな事を口走って、殿下に嫌われたらと思うと怖い。
「っぁ……」
「辛いか?」
「う、ううん、あ……平気だから……」
「だから?」
「え、ぁ……っぅ……ンん」
第二関節まで指が進んでくる。その指を、殿下が振動させるように動かした。俺の全身がカッと熱を帯びた。ずっと俺は、暴かれる事を求めていたのだと、嫌でも悟らされる。全然足りない。
「ぁ、ぁァ」
もどかしくて、涙が零れた。早く中に欲しい。俺は快楽を無意識に想起し、期待から震えていた。殿下はそんな俺をじっと見ている。
「あ、あ」
指が二本に増えた時、前を強めに擦られて俺は果てた。じっとりと体が汗ばんでいる。弛緩した俺の中に、今度は二本の指を、殿下が一気に進めた。そして軽く指先を折り曲げて、前立腺を刺激した。それだけで、再び俺の陰茎は張り詰めた。
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