異世界クリエイター ~ゲームをしていたら、神様に剽窃されました~

猫宮乾

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―― 第一章 ――

【008】ショタ神様

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 ――声がしたのは、その時の事である。

『ご、ごめんなさいっ、ちょっと事情を説明するので……えいっ!』

 子供の声がしたかと思うと、瞬間、俺達四人は真っ白な空間に移動していた。クリエイト前の状態と全く同じだったので、俺はやはりバグで、修正機能が働いたのだろうと考える。正面には、白い服を着た子供が一人立っていた。十三歳くらいで、二次性徴手前の様子であり、金髪で緑の目をしている。

「あ、あの! 実は、神様になりたてで、世界を創ることになって、でも思いつかなくて……そんな時に、現代日本という世界の、《異世界クリエイター》を知って……シェアの一番上に、なんとなく良さそうな世界があったから、そ、その、パク……コピーさせて貰ったんです!」

 その言葉を聞いて、俺は首を傾げた。オープンシェアしていれば、《神様》であればその世界に【PLAY】で入れるようだが、俺は三人にしか共有していない。

「それで、間違って、貴方達四人までコピーしてしまって……現実の体とこちらの体の二つがあって、魂の器が二カ所にあるというのは世界が歪んじゃうから、片方を消そうとして……現実の方の存在軌跡を抹消しちゃったんです……ごめんなさいっ!」

 少年は泣きそうな顔でそう述べると、深々と頭を下げた。
 だが、俺は何を言われているのかよく分からない。梓馬さんは難しい顔をし、夕陽は怪訝そうな顔をし、ただ高橋だけが唖然としたように目を見開いて、何やら頷いている。

「それって、あれですか? ショタさん、貴方は本物の神様で、ここは……異世界転移前のチートをもらえる空間とか、そういう?」

 高橋が、何やら察したような顔をしている。
 すると顔を上げたショタが、大きく何度も頷いた。

「現実で存在を抹消したと言うことは、元々俺という人間はいないという扱いになったと言うことか? 具体例を挙げるならば、俺の会社で担当している顧客は、元々別の人間の顧客だったというような改変がなされているのか?」

 続いて梓馬さんが冷静な声を早口で放った。
 二人の言葉を聞いて、俺はやっと、《神様》というのが、VRゲームで遊んでいる人間ではなく、もしかしたら本物の神様の可能性があると発見した。

「お二人の言う通りですっ! 僕のせいで、皆さんはいないことになっちゃったので、なにかチートと現代日本で言われているような、僕に出来る範囲で与えられる力を授けられます。それから、以後は、僕の世界……そのパク……模倣させて頂いた……そちらの世界には器がありますので、そちらで生きて頂けるよう、転移させます」

 神様の言葉が終わると、高橋が手を挙げた。

「じゃー俺、回復可能な力が欲しいです。怪我とか病気を一瞬で治せるような。血を見るのが無理なんで」
「分かりました。では貴方――高橋和美さんには、【治癒の加護】を授けます」

 神様がそう述べると、高橋の周囲が光り輝いた。その光が収束すると、高橋が息を飲み目を見開いた。

「頭に魔法陣が思い浮かぶようになった!」
「ええ。それを頭に思い浮かべれば、発動します」
「ありがとう神様! ただ、贅沢を言えば、自分の世界に転移したかった……」
「一番上が、こちらの世界だったので……」

 申し訳なさそうな神様に対し、慰めるような微苦笑を浮かべて高橋が頷く。
 高橋は子供には昔から優しい。

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