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―― 第一章 ――
【007】シェアした異世界
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俺は宇宙のよう場所で、【シェア】を選択する。すると俺の右側に、三人の姿が現れた。
「あ、本当だ。自分が創った世界以外では、【神様モード】が出ないんだな」
納得したように高橋が呟く。俺の画面には、きちんと出ている。そんな仕様があるとは知らなかった。
「【PLAY】を押せば良いんだよな?」
夕陽がわくわくした様子で、俺を見る。大きく俺は頷いた。梓馬さんは特に何を言うでもなかったが、真っ先に姿が消失した。【PLAY】を選択したのだろう。
「じゃ、俺達も行こう」
俺が言うと、二人が頷いた。
こうして俺達は、みんなで俺が創った異世界へと入った。ゲームだけど、本当の異世界みたいに感じる。
やはり先に梓馬さんは【PLAY】を押していたようで、俺が降り立った時には、正面に背中が見えた。俺はキョロキョロと周囲を見渡し、二人がいるのを確認してから、神様モードで位置を確認する。
「ええとね、ここはだな……麗森都市ベルスだ」
都市としては小規模な場所で、端に大きな草原がある。俺達はまさにそこにいて、遠くには都市の時計台が見える。
「へぇ。本物みたいなんだな」
梓馬さんが、特に笑うでもなく、かといって真面目でもない普通の表情で感想を述べた。
「本当に地球準拠なんだ。なるほどね」
高橋が何やら納得している。
「NPCの人間は何処にいるんだ!?」
兄だけテンションがとても上がっている。俺は時計台の方を指差した。
「多分街にいる。行くか?」
「行く!」
俺と夕陽が歩きはじめると、後ろに高橋と梓馬さんが着いてきた。
舗装された道を歩いて行き、街との境にある柵を通り抜け、俺達は都市の中に入る。行き交う人々は、年齢を問わず皆男性だ。夕陽の指示は、完璧にこなしたと思う。
「ここは人間の国だけど、余所にはエルフだったり獣人だったり色々いるし、共存している国もある」
俺が補足説明すると、完全に歓喜している表情で、夕陽がニコニコしながら大きく頷いた。そんな夕陽の横顔を、チラリと梓馬さんが見ている。
「巨乳いる?」
高橋が言った。するとピシリと夕陽が硬直した。
「巨根ならいる」
俺が答えると、夕陽が両手で顔を覆った。梓馬さんが吹き出し、口を押さえながら笑い始める。高橋は不思議そうに首を捻ってから、改めて俺を見た。
「なんのために、R18にしてるんだ? 残酷要素あるんなら、俺は帰る。俺、血とか無理」
「いや、そういうのはないけど」
「信じられない。たまにお前って無駄な嘘つくし」
「いやいや、本当だって」
「一回外に出てから、ちゃんと聞く――……ん? あれ?」
するとその時高橋が目を見開いた。
「な、なぁ? 【ログアウト】ボタンが無くないか?」
「へ?」
言われて俺も見てみたのだが、絶句した。
「無い!」
俺の言葉に、夕陽がきょとんとし、梓馬さんが眉間に皺を刻んだ。
「無いぞ、どういうことだ?」
東さんが確認した直後、夕陽も目を丸くした。
「俺にも無い。全員無いと言うことは……バグか?」
冷静な夕陽の声に、俺達他の三人は沈黙した。
「あ、本当だ。自分が創った世界以外では、【神様モード】が出ないんだな」
納得したように高橋が呟く。俺の画面には、きちんと出ている。そんな仕様があるとは知らなかった。
「【PLAY】を押せば良いんだよな?」
夕陽がわくわくした様子で、俺を見る。大きく俺は頷いた。梓馬さんは特に何を言うでもなかったが、真っ先に姿が消失した。【PLAY】を選択したのだろう。
「じゃ、俺達も行こう」
俺が言うと、二人が頷いた。
こうして俺達は、みんなで俺が創った異世界へと入った。ゲームだけど、本当の異世界みたいに感じる。
やはり先に梓馬さんは【PLAY】を押していたようで、俺が降り立った時には、正面に背中が見えた。俺はキョロキョロと周囲を見渡し、二人がいるのを確認してから、神様モードで位置を確認する。
「ええとね、ここはだな……麗森都市ベルスだ」
都市としては小規模な場所で、端に大きな草原がある。俺達はまさにそこにいて、遠くには都市の時計台が見える。
「へぇ。本物みたいなんだな」
梓馬さんが、特に笑うでもなく、かといって真面目でもない普通の表情で感想を述べた。
「本当に地球準拠なんだ。なるほどね」
高橋が何やら納得している。
「NPCの人間は何処にいるんだ!?」
兄だけテンションがとても上がっている。俺は時計台の方を指差した。
「多分街にいる。行くか?」
「行く!」
俺と夕陽が歩きはじめると、後ろに高橋と梓馬さんが着いてきた。
舗装された道を歩いて行き、街との境にある柵を通り抜け、俺達は都市の中に入る。行き交う人々は、年齢を問わず皆男性だ。夕陽の指示は、完璧にこなしたと思う。
「ここは人間の国だけど、余所にはエルフだったり獣人だったり色々いるし、共存している国もある」
俺が補足説明すると、完全に歓喜している表情で、夕陽がニコニコしながら大きく頷いた。そんな夕陽の横顔を、チラリと梓馬さんが見ている。
「巨乳いる?」
高橋が言った。するとピシリと夕陽が硬直した。
「巨根ならいる」
俺が答えると、夕陽が両手で顔を覆った。梓馬さんが吹き出し、口を押さえながら笑い始める。高橋は不思議そうに首を捻ってから、改めて俺を見た。
「なんのために、R18にしてるんだ? 残酷要素あるんなら、俺は帰る。俺、血とか無理」
「いや、そういうのはないけど」
「信じられない。たまにお前って無駄な嘘つくし」
「いやいや、本当だって」
「一回外に出てから、ちゃんと聞く――……ん? あれ?」
するとその時高橋が目を見開いた。
「な、なぁ? 【ログアウト】ボタンが無くないか?」
「へ?」
言われて俺も見てみたのだが、絶句した。
「無い!」
俺の言葉に、夕陽がきょとんとし、梓馬さんが眉間に皺を刻んだ。
「無いぞ、どういうことだ?」
東さんが確認した直後、夕陽も目を丸くした。
「俺にも無い。全員無いと言うことは……バグか?」
冷静な夕陽の声に、俺達他の三人は沈黙した。
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