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―― 第三章 ――
【054】招待状
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開け放された扉の正面に、黒いパナマ帽子を被っている異母兄・裕介の姿があった。時生と同じくらいの背丈であり、あまり背は高くない。目元がつり目の裕介は、少しくせ毛だ。昔はそれを気にした裕介に、たびたび時生は髪を引っ張られた。今は綺麗に消えたが、裕介はニキビも酷かったので、肌にでき物が出たことのない時生の顔を羨み、頻繁に平手で打った。
ただ裕介の場合は、義母とは異なり、本気では殴らなかったことを時生は覚えている。音は派手だったが、痛みは段違いだった。義母の松子の苛烈さには、何者も並ぶことなど出来ないのではないかと時生は考えている。
裕介はどちらかといえばプライドが高く、言葉で口撃してくるたちだ。
自分で宿題をやらせたくせに、『時生のくせに満点を叩き出すなんて生意気だ』と苛立ちを見せたり、『一問間違っていたぞ。恥をかかせてくれたな』と激怒することもあった。
今となってはそれらのおかげで、偲達の英訳を手伝えているのだから、何が役に立つかは分からないものだなと、時生は思う。
「この俺を待たせるとは良い度胸だな。随分と調子に乗っているようだな」
仁王立ちしている裕介は、顎を持ち上げると、時生を睨めつけた。
松子によく似た目元に萎縮しそうになったが、時生は一度視線を下げてから頭を振る。そして裕介と一番似ていない、母似の穏やかな形の目で、改めて裕介を見た。
「裕介様、なにか御用ですか?」
「……嫌々ではあるが、以後、俺を兄と呼ぶ事を許可してやる。人前で、『裕介様』と呼んだら容赦はしない」
「え?」
「お前はただ喜べばいいんだよ!」
話が見えず、時生は小さく首を傾げる。
「破魔の技倆が顕現したと聞いたぞ。さすがは俺の異母弟だ。ああ、俺の身内だからな、その素養があったとしても、驚くには値しないさ。俺にだって見鬼の才はある」
「ええと……?」
「復唱しろ。『裕介お兄様』だ。今後はそう呼べ。これは、高圓寺家当主としての命令だ」
その言葉に時生は目を丸くする。すると嘆くように裕介が片目だけを眇めた。
「物わかりが悪い奴だな。お前のせいで爵位を返上する危機だったのを、お父様を隠居という形で落ち着け、今は俺が当主となったんだ。母上も、お前とお父様の一件から神経衰弱になってしまってな。今となっては、まともに頭が働く高圓寺の人間は、俺とお前だけになってしまったようだ。全く、嘆かわしい。我が両親ながら呆れてものも言えないし、時生のような下賤な輩を弟として扱わなければならないなど、人生の恥だ」
つらつらと語った裕介は、懐のポケットから、一通の手紙を取り出した。
「これは、鬼月家から届いた、クリスマス・イブと当日にかけた一泊二日の、新鹿鳴館における、対あやかし血統家の人間を集めて行われる夜会の招待状だ。今回、四将に今でもかろうじて数えて頂いている高圓寺家は――忌々しいことだが、お前の力が顕現したから四将として今も数えられている俺とお前の生家には、当主の俺と、破魔の技倆を持つお前宛に、招待状が届いた。少しでも高圓寺の汚名を返上しなければならない現在、欠席という選択肢は存在しない。当日は用意をし、現地に来るように」
押しつけるように裕介が、封筒を時生に渡した。慌てて受け取った時生は、宛名を見る。確かに、『高圓寺時生様』と書かれていた。
「こうなれば仕方がないからな。時生……お前を弟と嫌々ながら認め、高圓寺家の一員として、当日の参加を許可する。それが当主である俺の決定だ。用件はそれだけだ」
裕介はそう言うと踵を返した。茶色い革靴が、外に薄らと積もっていた雪を踏む。
その向こうには、高圓寺の家紋が入った馬車が見えた。
「待っ……裕介様!」
「そう呼ぶなと教えたばかりだろうが!!」
振り返った裕介の目は、怒りに燃えているようだった。ビクリとした時生は、思わず唇を恐怖から震わせる。
「……裕介お兄様」
「なんだ?」
「ぼ、僕は! 別に高圓寺家の一員として数えてもらわなくて結構です。僕は、僕の生き方をしようと思っているから……僕の居場所は、別にあります」
それを聞くと虚を突かれた顔をした後、つかつかと裕介が歩みよってきて、手を振り上げた。
「本当に随分と生意気な口をきくようになったんだな!」
手が振り下ろされる。ああ、殴られるのだなと、時生が身を固くした。
だが覚悟した衝撃は訪れなかった。
「時生の居場所は俺のそばだ。何も間違ったことなど言ってはいない」
その場に偲の声が響いた。見れば、丁度帰宅したところだったようで、後ろからギリっと裕介の振り上げた右手首を掴んでいた。
「なっ、ぶ、無礼な!」
「それはこちらの台詞だ。四将礼瀬家、礼瀬伯爵家に対する、高圓寺の礼儀はこれなのか?」
「!」
偲の瞳は冷ややかだ。声音も冷静ではあるが、怒気が滲んでいる。
「なにか思い違いをしているようだが。高圓寺裕介卿。貴殿が時生を家族として認めるのではないと俺は思うが? 貴殿こそ、時生に兄として認められる努力をするべきだ。違うか?」
「っ」
「これまでの行い、今数分見ていただけでも推測が易い。時生を害するようならば、俺だけではなく、あやかし対策部隊の皆を敵にまわすと、覚悟するがいい」
瞳を鋭くした偲の険しい声に、裕介の黒い瞳に怯えが宿った。
「……し、失礼する。お、俺は、弟に招待状を届けに来ただけだ。あ、ああ、それだけだ。弟が礼瀬伯爵家にご迷惑をおかけしないことを祈ります」
裕介はそう言うと、偲の手を振り払い、逃げるように馬車へと向かった。
ほとんど何も言えなかった時生は、去って行く馬車を見ていた。
すると歩みよってきた偲が、ポンっと時生の頭に手をのせて、叩くように撫でた。
「気にするな。お前の家族は、この家にいるだろう?」
「……はい」
時生は小さく笑ってから、手元の封筒を一瞥する。それに気づいた偲が細く長く息を吐いた。
「鬼月家からは、礼瀬にも招待状が届いている。父はその日は軍の会議があるから欠席だ。だが、儀礼として俺と――あとは澪も招待されているから、連れて出ようと考えている。時生さえよければ、一緒に行くとするか? たまにはよい息抜きになるだろう。異国の祝祭を楽しむ催しでもあるし、今後なにかと付き合いがある家の人間も多く参加するからな」
「……偲様と澪様も行くなら、僕も行ってみたいです」
「では、そうしようか」
柔らかく偲が笑う。それから時生の腕に触れ、空を見上げた。
「もう少し降りそうだな。ここは寒い、中へ戻ろう」
ただ裕介の場合は、義母とは異なり、本気では殴らなかったことを時生は覚えている。音は派手だったが、痛みは段違いだった。義母の松子の苛烈さには、何者も並ぶことなど出来ないのではないかと時生は考えている。
裕介はどちらかといえばプライドが高く、言葉で口撃してくるたちだ。
自分で宿題をやらせたくせに、『時生のくせに満点を叩き出すなんて生意気だ』と苛立ちを見せたり、『一問間違っていたぞ。恥をかかせてくれたな』と激怒することもあった。
今となってはそれらのおかげで、偲達の英訳を手伝えているのだから、何が役に立つかは分からないものだなと、時生は思う。
「この俺を待たせるとは良い度胸だな。随分と調子に乗っているようだな」
仁王立ちしている裕介は、顎を持ち上げると、時生を睨めつけた。
松子によく似た目元に萎縮しそうになったが、時生は一度視線を下げてから頭を振る。そして裕介と一番似ていない、母似の穏やかな形の目で、改めて裕介を見た。
「裕介様、なにか御用ですか?」
「……嫌々ではあるが、以後、俺を兄と呼ぶ事を許可してやる。人前で、『裕介様』と呼んだら容赦はしない」
「え?」
「お前はただ喜べばいいんだよ!」
話が見えず、時生は小さく首を傾げる。
「破魔の技倆が顕現したと聞いたぞ。さすがは俺の異母弟だ。ああ、俺の身内だからな、その素養があったとしても、驚くには値しないさ。俺にだって見鬼の才はある」
「ええと……?」
「復唱しろ。『裕介お兄様』だ。今後はそう呼べ。これは、高圓寺家当主としての命令だ」
その言葉に時生は目を丸くする。すると嘆くように裕介が片目だけを眇めた。
「物わかりが悪い奴だな。お前のせいで爵位を返上する危機だったのを、お父様を隠居という形で落ち着け、今は俺が当主となったんだ。母上も、お前とお父様の一件から神経衰弱になってしまってな。今となっては、まともに頭が働く高圓寺の人間は、俺とお前だけになってしまったようだ。全く、嘆かわしい。我が両親ながら呆れてものも言えないし、時生のような下賤な輩を弟として扱わなければならないなど、人生の恥だ」
つらつらと語った裕介は、懐のポケットから、一通の手紙を取り出した。
「これは、鬼月家から届いた、クリスマス・イブと当日にかけた一泊二日の、新鹿鳴館における、対あやかし血統家の人間を集めて行われる夜会の招待状だ。今回、四将に今でもかろうじて数えて頂いている高圓寺家は――忌々しいことだが、お前の力が顕現したから四将として今も数えられている俺とお前の生家には、当主の俺と、破魔の技倆を持つお前宛に、招待状が届いた。少しでも高圓寺の汚名を返上しなければならない現在、欠席という選択肢は存在しない。当日は用意をし、現地に来るように」
押しつけるように裕介が、封筒を時生に渡した。慌てて受け取った時生は、宛名を見る。確かに、『高圓寺時生様』と書かれていた。
「こうなれば仕方がないからな。時生……お前を弟と嫌々ながら認め、高圓寺家の一員として、当日の参加を許可する。それが当主である俺の決定だ。用件はそれだけだ」
裕介はそう言うと踵を返した。茶色い革靴が、外に薄らと積もっていた雪を踏む。
その向こうには、高圓寺の家紋が入った馬車が見えた。
「待っ……裕介様!」
「そう呼ぶなと教えたばかりだろうが!!」
振り返った裕介の目は、怒りに燃えているようだった。ビクリとした時生は、思わず唇を恐怖から震わせる。
「……裕介お兄様」
「なんだ?」
「ぼ、僕は! 別に高圓寺家の一員として数えてもらわなくて結構です。僕は、僕の生き方をしようと思っているから……僕の居場所は、別にあります」
それを聞くと虚を突かれた顔をした後、つかつかと裕介が歩みよってきて、手を振り上げた。
「本当に随分と生意気な口をきくようになったんだな!」
手が振り下ろされる。ああ、殴られるのだなと、時生が身を固くした。
だが覚悟した衝撃は訪れなかった。
「時生の居場所は俺のそばだ。何も間違ったことなど言ってはいない」
その場に偲の声が響いた。見れば、丁度帰宅したところだったようで、後ろからギリっと裕介の振り上げた右手首を掴んでいた。
「なっ、ぶ、無礼な!」
「それはこちらの台詞だ。四将礼瀬家、礼瀬伯爵家に対する、高圓寺の礼儀はこれなのか?」
「!」
偲の瞳は冷ややかだ。声音も冷静ではあるが、怒気が滲んでいる。
「なにか思い違いをしているようだが。高圓寺裕介卿。貴殿が時生を家族として認めるのではないと俺は思うが? 貴殿こそ、時生に兄として認められる努力をするべきだ。違うか?」
「っ」
「これまでの行い、今数分見ていただけでも推測が易い。時生を害するようならば、俺だけではなく、あやかし対策部隊の皆を敵にまわすと、覚悟するがいい」
瞳を鋭くした偲の険しい声に、裕介の黒い瞳に怯えが宿った。
「……し、失礼する。お、俺は、弟に招待状を届けに来ただけだ。あ、ああ、それだけだ。弟が礼瀬伯爵家にご迷惑をおかけしないことを祈ります」
裕介はそう言うと、偲の手を振り払い、逃げるように馬車へと向かった。
ほとんど何も言えなかった時生は、去って行く馬車を見ていた。
すると歩みよってきた偲が、ポンっと時生の頭に手をのせて、叩くように撫でた。
「気にするな。お前の家族は、この家にいるだろう?」
「……はい」
時生は小さく笑ってから、手元の封筒を一瞥する。それに気づいた偲が細く長く息を吐いた。
「鬼月家からは、礼瀬にも招待状が届いている。父はその日は軍の会議があるから欠席だ。だが、儀礼として俺と――あとは澪も招待されているから、連れて出ようと考えている。時生さえよければ、一緒に行くとするか? たまにはよい息抜きになるだろう。異国の祝祭を楽しむ催しでもあるし、今後なにかと付き合いがある家の人間も多く参加するからな」
「……偲様と澪様も行くなら、僕も行ってみたいです」
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