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【七】はじめてのモンスター生成
しおりを挟むうーん。
僕が冒険者で、このダンジョンに入るとしたら――……きっと、すっごく怖い。
そう判断して、僕は、部屋の中央に壁を創った。ドアが一つある。この時点で、130000。それから、ドアから出て、扉の上に文字を書いたプレートをつけた。『この扉の先には、モンスターがいます』――122500。それから、その脇の壁に、『教会まで戻る』と書いて、残りが122000。
教会まで戻ることが出来る魔法陣をつくったら72500になった。
魔法陣は思いの外、ポイントを消費した。
それから入り口から十歩くらい歩いたところに、扉なしの部屋を設置した。消費1000。棚を両側の壁と、正面の壁に設置し、此処の天井にも赤い灯をつける。 残り52000。
「≪アイテム設置≫――HP回復薬50個、MP回復薬50個」
回復薬のそばに、ご自由にお取り下さい、と書いた後、やっぱり有料にしようかなと考えた。しかし通貨の単位や、通常の値段を知らなかったので、後で手直ししようと思う。
『設置しました。残りのポイントは、51900ポイントです』
思いの外安かった。いよいよ、僕はモンスターを創造してみようかなと決意した。
何があるか分からないので、とりあえず50000ポイントは残しておくことにして、僕は口にした。
「≪モンスター創造≫――1900ポイントで出せる奴!」
『リストを表示します』
・常闇狼(小)Lv.1……300
・森羊(小)Lv.1……300
・朱猫(小)Lv.1……300
・笑蝙蝠(中)Lv.1……500
・轟蛇(中)Lv.1……500
・ケルベロス(中)Lv.1……1000
・火龍(小)Lv.1……1500
すると、機会音声がそんなことを言った。
どうしたものかと考えて、ポイントが高いのを少数置くのと、ポイントが低いのを沢山置くのは、どちらがいいのか考えた。
「……とりあえず、犬っぽいもので統一してみようかな」
そう考えて僕は、告げた。
「常闇狼を三体と、ケルベロスを一体」
『生成しました』
それにしてもどうして僕は、ケルベロスが犬ッぽいって知っていたのだろうかと悩みながら、三本頭がある犬を見た。とても小さなサイズだった。ゴールデンレトリバーくらいだろうか。僕の予想だと天井くらいまでサイズがあるんじゃないかなって思っていたのに。
「っ」
それから、僕は思わず頬をゆるめてしまった。
常闇狼という名前らしいが、どこからどう見ても子犬にしか見えない、三匹の犬が僕を取り囲んだのだ。耳と目の部分までが灰色で、目が青くて、後は黒と白が所々に入っている子犬たちだった。恐る恐る撫でてみると、すっごくモコモコしていた。
――この子達が倒される?
それを考えた瞬間、僕の50000ポイント残しておくという計画は消滅した。
慌てて外へと出て、入り口側から扉をつかみ声を上げた。
「≪迷宮作成≫――残りのポイント全てを消費して、すごくすごくすごく開けるのが難しい鍵を設置!!」
『鍵を設置しました。盗賊Lv.125以上でなければ、解錠できません。ダンジョンマスター【グリム】様は自由に開閉できます』
『クリエイトポイントが0になりました』
一段落したモノの、Lv.って99までじゃないのかと、僕は嫌な気分になった。
それから中へと戻ると、四匹(頭を入れると七匹?)が、一斉に僕の方へと走り寄ってきた。可愛い、本当に可愛い。
だが、この子達を守るためには、多分今の僕じゃ弱すぎる。だって名残惜しかったが、僕はマスター室へと戻ることにした。
「≪ダンジョン内転移≫」
そうして元々いた部屋へと戻った。
レベルを上げようと決意したのは良かったが、なんだかどっと疲れてしまったので、少し休むことにした。明日出来ることは明日しよう。
僕はLv.1だし……クリエイトポイントも無くなってしまったし。
そんな風に思って、僕は寝室へと向かい、フカフカのベッドに身を預けたのだった。
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