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*** 過去:Ⅰ ***
【026】過去――魔王二日目①
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僕はシャンデリアの灯りがともった部屋で、目を覚ました。
結局昨日は、食事をとった後、再び眠ったのである。
時計を見ると、午前十時だった。
これならば、買い物に行くのにも都合が良い時間だろう。
それから僕は洗面所で顔を洗った後、応接間ではなくどうやらメインの私室らしい場所に、昨夜見つけたクローゼットを開けた。中には、僕が昨日、ここに来た時に着ていたような服が沢山入っていた。しかも一番地味なものを着てみると、まるで僕専用に作られたかのように、ぴったりのサイズだった。しかし地味とはいうものの、どれもなんだか高級感に溢れている。ファンタジックな服ばかりなのだが、コスプレというような感じではない。ファンタジー映画の登場人物が着ているような服なのだ。
その時、丁度、コンコンとノックの音がした。
「はーい」
声をかけると、外から声がした。
「魔王様、外出の用意が整っております」
「有難うございます」
僕はそう言ってから、扉の外へと出た。ロビンがそこには立っていた。
それから長い回廊を五十分ほど歩き、何段有るのか分からない息切れがするほどの螺旋階段を上り、僕らはやっと外へと出た。外に出た段階で時計を見ると、すでに十一時半になっていた。歩くだけで疲れるってどうなんだろう……。
「街までは歩いていくんですか?」
もう歩きたくないと思い、僕は尋ねた。
「馬車を用意してございます」
ロビンのその言葉に、僕は心底ホッとした。
ただし馬車を見ると、馬にはあまり見えないものがそこにいた。
「これ……馬ですか?」
「正確には、馬型の魔獣です」
羽のついた馬と言えば馬である六本足の生物を眺めていると、ロビンが扉を開けてくれた。中は大層豪奢である。座り心地も良い。
僕が乗ると、ロビンもまた中へと入り、すぐに馬車は出発した。
「魔王様」
「はい?」
部屋の扉をノックする時以外、初めて僕は、ロビンの側から話しかけられた。
「本日は、何をお買いになるのですか?」
「ええとね、調味料と食材」
僕は窓の外に見える、異常気象の時のような不思議な色の空模様と、真夏のような暑さに辟易しながら答えた。そして思いついて、馬車の中を涼しくする。
「寒かったら言って下さい」
「いえ……こちらこそ、先に魔術をかけておくべきでした。申し訳ございません」
「いやいやいや、あの、本当気にしないで下さい」
僕がそう言うと、ロビンが頭を下げてから、再びこちらを見た。
「――食材ですか。どのようなものをお探しなのですか?」
「卵とか、塩とか」
「魔獣の卵でしたら、城に。ですが、塩とは一体なんですか?」
「え、あの、鶏の卵です。塩は、調味料です。もしかして、調味料って無いんですか?」
「鶏の卵は、下層の魔族くらいしか食べません……。調味料は、魔獣の血や、一部人間が使っているものなどを、低俗な魔族が多く立ち寄る店には置いてあるようです」
「行き先はそこでお願いします」
僕はどうやら、下層の魔族や低俗な魔族との方が、好みが合うのかも知れない。
結局昨日は、食事をとった後、再び眠ったのである。
時計を見ると、午前十時だった。
これならば、買い物に行くのにも都合が良い時間だろう。
それから僕は洗面所で顔を洗った後、応接間ではなくどうやらメインの私室らしい場所に、昨夜見つけたクローゼットを開けた。中には、僕が昨日、ここに来た時に着ていたような服が沢山入っていた。しかも一番地味なものを着てみると、まるで僕専用に作られたかのように、ぴったりのサイズだった。しかし地味とはいうものの、どれもなんだか高級感に溢れている。ファンタジックな服ばかりなのだが、コスプレというような感じではない。ファンタジー映画の登場人物が着ているような服なのだ。
その時、丁度、コンコンとノックの音がした。
「はーい」
声をかけると、外から声がした。
「魔王様、外出の用意が整っております」
「有難うございます」
僕はそう言ってから、扉の外へと出た。ロビンがそこには立っていた。
それから長い回廊を五十分ほど歩き、何段有るのか分からない息切れがするほどの螺旋階段を上り、僕らはやっと外へと出た。外に出た段階で時計を見ると、すでに十一時半になっていた。歩くだけで疲れるってどうなんだろう……。
「街までは歩いていくんですか?」
もう歩きたくないと思い、僕は尋ねた。
「馬車を用意してございます」
ロビンのその言葉に、僕は心底ホッとした。
ただし馬車を見ると、馬にはあまり見えないものがそこにいた。
「これ……馬ですか?」
「正確には、馬型の魔獣です」
羽のついた馬と言えば馬である六本足の生物を眺めていると、ロビンが扉を開けてくれた。中は大層豪奢である。座り心地も良い。
僕が乗ると、ロビンもまた中へと入り、すぐに馬車は出発した。
「魔王様」
「はい?」
部屋の扉をノックする時以外、初めて僕は、ロビンの側から話しかけられた。
「本日は、何をお買いになるのですか?」
「ええとね、調味料と食材」
僕は窓の外に見える、異常気象の時のような不思議な色の空模様と、真夏のような暑さに辟易しながら答えた。そして思いついて、馬車の中を涼しくする。
「寒かったら言って下さい」
「いえ……こちらこそ、先に魔術をかけておくべきでした。申し訳ございません」
「いやいやいや、あの、本当気にしないで下さい」
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「――食材ですか。どのようなものをお探しなのですか?」
「卵とか、塩とか」
「魔獣の卵でしたら、城に。ですが、塩とは一体なんですか?」
「え、あの、鶏の卵です。塩は、調味料です。もしかして、調味料って無いんですか?」
「鶏の卵は、下層の魔族くらいしか食べません……。調味料は、魔獣の血や、一部人間が使っているものなどを、低俗な魔族が多く立ち寄る店には置いてあるようです」
「行き先はそこでお願いします」
僕はどうやら、下層の魔族や低俗な魔族との方が、好みが合うのかも知れない。
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