人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第一章

幸運の始まり1

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『村雨圭
 レベル5
 総合ランクH
 筋力G(英雄)
 体力F(伝説)
 速度G(英雄)
 魔力G(一般)
 幸運F(神話)
 スキル:真実の目、導く者(未覚醒)
 才能:類い稀な幸運』

「くぅー!」

 死にかけはしたもののその甲斐はあった。
 ボスモンスターを倒したおかげか圭のレベルは一気に2つも上がった。

 これでレベル5となった。
 そしてステータスにも大きな変化があった。

 まず体力がFに上がったこと。
 体力が上がると何が良くなるのか正確なところは分からないけれどちょっと息切れとかしにくくなった気がする。

 そしてなんといっても注目すべきは才能が覚醒したことである。
 才能とかスキルとかも何が何だか分かっていないが何かが覚醒したことは間違いないのだ。

 圭は買い物に出ていた。
 給料も出たことだし色々買おうと思っていた。

 まずは調理器具である。
 こちら前の家から持ってきた物だけどどれも古い。
 
 使えなくはないけど新しいものに変えたいと思っていた。
 夜滝のご飯作りもあるのでこの際一新しようと思っていた。

 最近圭はよく道ゆく人々を真実の目で覗き見ている。
 ステータスについて比較する対象が欲しくて色々見ているわけだけどステータスを見れるのは覚醒者に限るらしく一般の人ではその個人の情報しか見ることができない。

 気になった人に真実の目を使ってみると意外と覚醒者であったなんてことも多い。
 最初は人のステータスを盗み見ることに多少の罪悪感もあったが圭にしか見えないし、それを使って悪いことをするつもりでもないのでいつの間にか罪悪感も消えた。

 ただそこら辺にいる人は大体FかE、たまにDやCがいるだけで圭の望みの高い等級の覚醒者はいない。
 大体高い等級の覚醒者は顔が知られている。

 最高等級となるA級になるとテレビや雑誌などで取り上げられ、ヒーローのような扱いも受けている。
 道を歩いていれば真実の目を使わずともA級の人は分かるし圭が買い物に来るようなところに来ているはずがない。

「RSIにも確か1人いるはずなんだよな」

 圭が勤めるRSIもA級覚醒者が1人いる。
 以前はもう1人いたはずだけどそちらは独立してゲートの攻略や素材の収集などを行う覚醒者の会社を立ち上げてRSIとパートナー契約を結んでいる。

 どちらの覚醒者にしても会うことはまずない。

「それにしても……やっぱり神話や伝説は英雄より上っぽそうだな」

 人のステータスを見ている感じでは無才や一般といったものがほとんどで時々英雄がある程度。
 圭や夜滝にあるような伝説や神話といった文字は見られなかった。

 そのことから考えると伝説や神話というのが英雄よりも希少でありそうな予測が立つ。

「どっちが上にしろ夜滝ねぇも俺も意外とすごいのか?」

 さらにスキルや才能も人によって様々で両方ある人は珍しく、片方しかない人や両方ない人の方が多い。
 未だに真実の目が何を見せてくれているのか判然としないが少しずつ分かってきていると思う。

「鍋……フライパン……おたまに……」

 大きな複合商業施設で調理器具を選んでいく。
 夜滝は意外と食べる。

 男の圭にも負けない量を食べるので鍋やフライパンも大きな物を選んでいく。
 こうした買い物は楽しくて物を選ぶのはウキウキする。

 ついでにお皿とか買う予定になかったキッチンの掃除道具とかも見てしまう。

「あの人強そう。真実の……あっと!」

「きゃっ!」

「ごめんなさい!」

 たまたま前を横切ろうとしていた人に真実の目を使おうとしたら角を曲がった時に人にカートがぶつかってしまった。
 制服姿の若い女の子で尻もちをついて倒れてしまう。

 慌ててカートを下げて女の子に近寄る。
 少し注意が散漫になっていた。

「こちらこそ……すいません」

 圭が差し出した手を取って女の子が立ち上がる。
 サラリとした黒髪ショートカットの美少女である。

「ボーッと歩いていた私も悪いんです」

「ケガは……」

「大丈夫です」

「そ、そうですか……」

 圭は女の子を見て驚いた。
 もっと正確に言うなら女の子のステータスを見て驚いたのだ。

『弥生波瑠(未覚醒)
 レベル0
 総合ランクH
 筋力G(英雄)
 体力G(一般)
 速度G(神話)
 魔力G(英雄)
 幸運G(英雄)
 スキル:風の導き(未覚醒)
 才能:有翼のサンダル(未覚醒)』

 未覚醒の覚醒者。
 その上速度が神話級。

「それじゃあ失礼します」

「あっ、待って!」

 自身以外に神話級なんか見たことがない。
 さらには未覚醒であるということも初めて。

 立ち去ろうとした波瑠の手を圭は思わず掴んでしまっていた。

「な、なんですか?」

 怯えたような、困惑したような顔を見せる。
 そりゃいきなりぶつかった相手に手を掴まれて引き止められたら怖いだろう。

「えと、その……これ!」

 圭は懐から作りたてほやほやの名刺を取り出した。

「もしかしたら今は大丈夫でも後で痛いところとかあるかもしれないじゃない? ぶつかっちゃったのはこっちだし困ったこととかあったら連絡してよ」

 RSI社員としての名刺を圭は作っていた。
 夜滝に言われてのものだったが初めて渡すのがぶつかった女の子になるとは思いもしなかった。

 手を掴んでしまった言い訳としてはやや苦しいかもしれないがこれ以上女の子を引き止める理由がない。
 ステータスがすごいから連絡先教えてよなんてただの気味の悪いナンパにしかならない。
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