人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
131 / 515
第三章

デカ目玉4

しおりを挟む
「3……2……1、今だ!」

 圭がカウントダウンをして夜滝が魔法を放つ。
 水の槍がイービルグリーンアイに飛んでいき、同時に圭たちも飛び出すようにイービルグリーンアイに向かっていく。

「チッ、防がれたか!」

 魔法が届くよりもイービルグリーンアイが気づく方が早かった。
 翼をクロスさせて水の槍を防御する。

「来いっ!」

 カレンの魔力による挑発もあって真っ直ぐに突っ込んできたイービルグリーンアイに対して盾を構える。
 盾からわずかに顔を出して目を見すぎないようしながら位置を確認する。

「えっ……」

「カレン!」

 イービルグリーンアイが盾に激突する。
 カレンは腰を落として押し負けないようにしながらも柔らかく衝撃を受け止める。

 わずかにカレンも押されたけれど上手く体当たりを防ぎ切った。
 しかしイービルグリーンアイの攻撃はそれでとどまらなかった。

 グルリと縦に一回転。
 下から強い衝撃を受けて盾が飛ばされる。

 なんとか手は離さなかったけれど完全にカレンの前は無防備に開いてしまった。
 大きなグリーンの目がカレンを見つめる。

「あ、足!?」

 情報があるとあるといってもそれは先に攻略した覚醒者たちの分析によるものでしかない。
 ほとんどの場合一度倒しただけのものであるので何回も戦う通常モンスターと違って中ボスの分析は不完全なものになりがちである。

 一度の戦闘では取らなかった行動だって相手が変われば行うこともある。
 今回イービルグリーンアイはカレンの盾を蹴り上げた。

 一応イービルアイにも足というものがあった。
 それは外からもほとんど見えないぐらいの短いものでイービルアイがそれを戦いに使うこともなかった。

 もちろんイービルグリーンアイにも足はある。
 イービルアイとの違いはイービルグリーンアイの方が体が大きいので足もそれなりに大きいということだ。

 まさかそれを攻撃に利用してくるだなんて誰も思わなかった。

「うりゃあああ!」

 カレンが危ないと思って圭は助けに走った。
 けれど誰よりも先に動いたのはカレンだった。

 メイスを振り下ろしてイービルグリーンアイを殴り飛ばした。

「圭、波瑠、今だ!」

 何が起きたのかみんな理解できていなかったがカレンの攻撃によって大きな隙が生まれた。
 いざとなったらカレンを助けるつもりで剣を抜いていた和輝が指示を飛ばして圭もカレンの横を抜けてイービルグリーンアイに向かう。

「やっ!」

 先に接近した波瑠がナイフを振る。
 眼球を浅く切り付けられてイービルグリーンアイが悶える。

 大きな眼球は武器であると同時に弱点でもある。

「くらえ!」

 痛みでブルブルと震える大きな目に圭が剣を突き立てる。
 こうして瞳を傷つけてしまえば状態異常は使えなくなるので脅威度は大きく下がる。

「夜滝ねぇ!」

「それきた、任せたまえ!」

 いくつもの水の玉が空中に浮かび上がる。
 夜滝が杖を振ると水の玉が飛んでいき、空中で刃に形を変える。

 ブンブンと体を振って剣をどうにかしようとしているイービルグリーンアイを水の刃が切り裂く。

「よし!」

 デロリと変な汁を流してイービルグリーンアイが動かなくなる。
 少し待ってみても動きはないので完全に倒したと確認できた。

「カレン、大丈夫か?」

 イービルグリーンアイよりまずはみんなの無事を確認するのが先になる。
 ガッツリとイービルグリーンアイと目があったカレンの体調を確認する。

 中ボスでもあるしイービルアイよりも状態異常を引き起こす力は強いはず。
 なのにカレンはピンピンとしていた。

「うん、全然平気!」

「平気ならそれでいいんだけど……なんでだ?」

 圭は首を傾げる。
 カレンも魔法タイプではない。

 魔力がそんなに高くなくてイービルアイだって抵抗しきれないはずである。
 なのにカレンは状態異常を引き起こさないばかりかすぐさま反撃に転じて見せた。

 抵抗するにしたってすぐに動けない。

「スキルは違うし……才能、にそうした抵抗力でもあるのかな?」

 その原因を考えてみる。
 魔力が高いから抵抗できたのではない。
 
 ならば才能かスキルの影響かと思った。
 けれど才能も物理的な防御力は高めてくれるがこうした状態異常に効くのか不明である。

 可能性としてはありうる。

「装備……盾ではないか?」

 和輝は違う予想をしていた。
 再生力が高く体力値にプラスの効果ももたらしてくれるカレンの不屈の再生力を持つ肉体にさらに状態異常耐性までついているとなると流石に強すぎる。

 優秀なスキルである可能性も否定はできないが再生力が高いだけでも強力なスキルであるのにそこまで効果が高いのは考えにくい。
 そこで和輝は装備による効果なのではないかと考えた。

 カレンが着けている装備は基本的に工房で作られたもの。
 特別に状態異常に抵抗力を持たせる装備じゃないと知っている。
 
 だからこうした効果を持つものといえば盾。
 圭がカレンにプレゼントしたあの盾ではないかと推測していた。

「どこかで魔を払うとか言っておらんかったか?」

「あー……そういえばそんな説明もしたかもしれません」

「イービルアイも一種の悪魔系モンスターだと言われている。イービルアイの魔力による影響を盾の力によって排除することが可能なのかもしれない」

「なるほど」

 他に思い当たるような理由もない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!

雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。 その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。 主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

処理中です...