オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助

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蹂躙:修道士ロイ

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 エゼキエラ修道院には立派な大浴場が設置されている。雪ばかり降る極寒の地獄ではあるけれど、この地域にはある資源があった。地中深くから湧き出す温泉である。山の麓、切り立った谷の淵にそびえる古城では、地熱で温められた地下水をほぼ無尽蔵に利用することができる。冬を迎えてしまえば修道院の敷地どころか城の外に出ることすらできない修道士たちにとって、風呂は大事な生活の一部であり、少ない娯楽のひとつであった。

 薪をふいごで燃焼させ湯温を調節していたロイは、煤に汚れた顔を上げた。遭難者たちを修道院長と介護していた青年が早足に火室までやって来る。柔らかいハニーブロンドの寝癖がひこひこ揺れていた。
 「ジャック!院長はなんて?結局凍え死に損なった奴らは泊まるのか」
 大柄なロイが青年の背を叩くと、眠たげな顔をしかめてジャックは苦言を呈した。
 「口が悪い。院長じゃなくて院長様だってば……。あと、そんなに大きな声を出すな。遭難したのは軍人、国軍のお偉方なんだよ。しばらくロイはあの人たちと喋っちゃだめ」
 「な、なんでだよう!」
 「ロイは面白いけど見た目厳ついからなあ。うっかり兵隊と喧嘩になっても困るだろ」
 さも当然のように言うジャックに、ロイの背後から賛同の声があがる。石炭を炉に突っ込んでいた修道士たちだ。
 「あーさすがジャックさん。確かに……」
 「そりゃあなあ」
 「何だお前ら!ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえぞ!」
 腕を振り回して威嚇しても、もう来たばかりの頃のようには効果がない。くすくす小鳥のさざめくような笑い声と共にいなされるだけだ。全く修道士なんてつまらない。ここの奴らは特になよっちくて、まるで自分が問題児のようではないか。
 つまらなさそうに舌打ちするロイに、周りの修道士の一人がフォローを入れた。
 「また石牢行きのリスクは減らしたいですよ。だってロイさんいないとつまんないんですもん」
 「んなこと言ったってよぅ……結局俺のこと面白がってんだろうが!」
 「面白いさ。院長様のローブに鼠を入れる奴なんて、そうはいないし」
 ジャックは小声で笑えないネタを引っ張り出してくる。ロイは一月前の悲劇を思い出して渋面を作った。あれは自分のローブと院長のローブを取り違えてしまっただけなのだ。断じてわざとではない。火加減を調節していた少年修道士が微笑ましそうに笑う。
 「ロイさんはローブで鼠飼うくらい慈愛に満ちた方なんですよね」
 「うええっ!お前らの言うことはサムイんだよ!冗談でも言うな!」
 いよいよ具合の悪くなり始めたロイを横目に、ジャックが全体へ号令をかけた。
 「皆、一旦集まって。ひいふうみ……五人全員いるな。夜分遅くにすまないけど、これから急な客人たちが入浴に来る。全員ベータだと言っているらしいが、念のために宿舎に戻って、明日の昼まで出てこないでほしい。君たちには修道士全体にこの指示を出してもらいたいんだ」
 ランタンの灯りを受けてブロンドが揺れ光る。ロイは火室の隅に積まれた石炭袋に腰を落ち着けて、朗々とした指示を聞く。ジャックはこの城の中では年若いほうだが、妙に老成していてよく非常時のまとめ役を任されている。だぶだぶの修道服に眠そうな顔がしまらない印象のガキだが、今晩に限って妙に表情が厳しい。
 各自が寝床に戻り出す背中を見送って、ロイはジャックの隣に落ち着いた。
 「なんかまずいことでもあったのか?」
 ジャックは空を睨んで何事か考え込んでいる。ロイの問いを受けて、ようやく視線が合った。
 「……いや、何もない筈なんだ。軍人たちにもしアルファが混じっていたとしても相手はたった五人だし……。そもそも接触しなければ問題なんて起こらない。彼らが出て行く明日の昼まで皆は宿舎で待機。副院長補佐の僕と院長様、監督役のグレイがいれば一通りの案内はできる。院長様は腐っても貴族階級なんだから……軍が手出ししてもうまみは無いしな……。」
 ぶつぶつと噛みきれない肉を反芻しているような歯切れの悪さだ。ぼさぼさの茶髪をかき、ロイは小柄な青年の背を叩いた。
 「要は心配なんだろ!そうだ、俺が石牢で待機しててやるよ。あそこなら応接間の通りを歩く足音はすぐ聞こえるしな。妙な動きがあったらすぐお前に知らせてやる!」
 俯いていた明るい色の頭がやっと持ち上がった。珍しく見開かれた目はしかしすぐに細められる。
 「そんなこと言っても寝るだろ、ロイは……。そこまでしなくていいよ」
 「いいや、寝ない。俺はやるね」
 「やるね、じゃないよ……え、本当に?馬鹿か?」
 「手伝ってやるって言ってんだよ!どうせ院長は俺を石牢に戻すだろうしよぉ。……そんかしジャックよ。飯はこんでくれな。な?」
 「ハァ……。じゃあ、お願い。僕はしばらく……見回りをするから。何かあったら院長室への呼び紐を引いてくれ。後は僕が処理をするから、紐を引いたらすぐ石牢に戻るんだよ。明日には君が宿舎に戻れるように僕も努力してみるから」
 ジャックはロイに渡した鍵束の中から、石牢の鍵を残して他を回収する。二人は火室から二手に分かれ、ジャックは応接間へ、ロイは石牢へと足を早めた。

 ロイは柄にもなく喜び勇んでいた。
 あの飄々と雲のようにつかみ所のないジャックが、自分に「お願い」をしたわけだ。今まで友人から頼られる機会に恵まれなかった彼は、胸を躍らせて石牢へ向かう。その場にジャックがいたら「鼻歌うたいながら行く場所じゃないだろ」と呆れていただろうが、とにかくロイは舞い上がっていた。人っ子一人いない石造りの廊下を抜けて、黴臭い臭気の漏れる石牢への階段を降りる。この冬だというのに石壁の牢はそれほど寒くない。床下に温泉を絶えず流すことで、熱が伝って城の内部を温めているのだ。まだこの地での冬に慣れないロイにとっては、階が高くなるにつれ冷えていく宿舎より石牢のほうがマシであった。
 (黴臭えのさえ無ければな……。う、こんな匂いだったか?)
 一日牢にぶち込まれていたために嗅覚が鈍ってしまったのか、かすかに甘ったるいような匂いがする。反射的に手で顔を覆った。
 (甘い……?黴ってこんな……菓子みたいな、……にお、い……っ)
 足音が急に二重になって聞こえだした。寒くも無いのに体が震え出す。一気に霞む視界の中で、階段を転がり落ちそうになりながらも、ロイはようやく牢が並ぶ通りに出ることができた。
 「え、は……?な、なんだお前ら……、どこから入りやがった‼︎」
 視界に入ってきたのは牢を開け放って屯している、見知らぬ男たちの姿だった。数は十を軽く超える。牢に挟まれた通路に出ているだけでも七人、なな、はち、く、……あれ。遂に視野がダブつきだして、ロイはにじり寄ってくる男達から離れようと尻餅をついて後じさる。力が入らない。
 這ってでも逃げようと、たった今降りてきた階段に手を伸ばすけれど、健闘虚しく近寄ってきた兵士に通路の中央まで引きずりだされてしまった。ランタンが仰向けに転がされた哀れな青年を照らし出す。
 兵士達の中から、いっとう背の高い黒髪の男が進み出た。
 「隊長。この男、もらっても?」
 「なに?……そうか、お前の番いか。一足早く見つかったな。奥の牢を使うといい」
 むわ、と男臭く籠もった空気がロイの鼻孔を突く。は、は、と荒い息を繰り返す青年は混乱に涙ぐみ、手を振って暴れるが力が入らない。
 「ろ、……ひて!ぁんれ、ゃっ……!さわるなぁ!」
 ロイの鼻をつく甘さは濃くなる一方だ。びくびくと震える体は、いつもの十分の一も動けずにのたうつ。男が手荒にロイの肩を掴んでひっくり返し、うつぶせの姿勢で石畳に押しつけられた。
 「ひ、ぃ!や、なにすっ……!やだ、なに、てめっ……‼︎噛むな、噛むなよ、ぁ、ぁ……っ」
 「はあ、はーっ……‼︎」
 湿気った舌舐めずりの音に続き、牙が皮を裂く音が追いかけた。
 「ヒ。……ぁっ、ぁあっ!あぁあああっ‼︎」
 噛まれた項が熱い。ロイはそこまできて、直感的に男と番わされたことを悟った。何度も執拗にかみ傷の上から歯形をつけ、獣じみた勢いで滲む血を啜られる。数分間かけてようやく満足した男がぐったりした体を抱き上げた。
 もはや抵抗はなく、全身を作り変えられたような感覚に陶酔して涙と涎を垂らすばかり。首から上は上気して関節に朱が溜まり、半開きの口腔からか細い吐息が漏れている。
 ロイは思い出す。王都である男から逃げ回った日々を想起する。
 どうして。逃げたのに。こんな最果てまで逃げてきたのに。
 「あっ!は、ふぁ、ひっ?ぁ、ぇ……?」
 子どものように抱き上げられ、見知った顔をそこに認める。ロイは逃げられてなどいなかったのだと、酷薄に笑う美丈夫が耳元で囁いた。
 「ロイ修道士。やっと、やっと捕まえた……‼︎」

 たしか男の名はレオナルドと言った。
 顔だけ見れば性別のわからぬほど整った容姿で、好青年然とした佇まいは誰をも容易く虜にした。
 知り合ったきっかけは些細なことだ。ある夜更け、ロイは神の教えを女に説いた帰りがてら飲み屋で潰されかけていたお坊ちゃんを助けたのだ。年は十八、酒場にチャレンジしたくもなる年頃である。上流貴族用の行儀のいい酒場を教えてやり、案内料をふんだくって馬車まで都合をつけてやった。どうせどこか地方貴族の出なのだろう。お上りさん一家にはよくあることだ……そんなことがあって数日。どうせ誰も来やしないガラガラのミサに、件の青年が現れた。それからはあっという間で、男はミサに、慈善活動に、ついには懺悔室にまで入り浸るようになる。
 美貌の年下から慕われるのを最初はまんざらでもなく思っていたロイだが、会う時間が制限無く長くなっていくにつれ違和感が増していった。ようやく鈍いロイも妙だと勘づいた頃には手遅れである。なんでこいつ、俺の行く先々で待ち構えているんだ?
 レオナルドに組み敷かれたところをすんでのところで修道院長に見咎められ、風紀を乱し邪淫に耽ったと糾弾されて、ロイはエゼキエラ修道院にとばされた。三ヶ月ほど前の話だ。彼はアルファによるストーカー行為の果てに、北の地へ逃げてきたのである。

 「ロイ、ロイ……っ!ロイ修道士……っ‼︎ああくそっ本当に貴方だ……!」
 「ぁえ、ンッ!ぁん、アんっ!へぅ?……あ、ぁ~っ‼︎」
 いやらしく湿気を含む雄の蕾みをレオの長い指が掻き回す。既に前後不覚の青年は、年下のストーカーに縋ってみっともなく喘ぎまくっている。
 アルファのフェロモンが充満した地下牢で、ぐったり立つこともままならない。ロイは修道服をたくし上げられ尻を露わにされた。オメガの性が強い雄の匂いに反応しているのだ。ずちゅ、くちゅと前立腺を捏ねる指先がもどかしくて、結腸に続く奥の子宮口がくぱくぱ物欲しそうに開閉してしまう。
 男は長期間の遠征で使い込んだ戦闘服を脱ぎ、石の寝台の上へ広げてロイの下に敷いた。番いとなったレオナルドの濃い匂いに触発され、桜色の後孔が何本も入れられた指にしゃぶりつく。雄臭く笑うと、男は番いの腹の内側を意地悪く刺激して何度も気をやらせた。
 「ひゃっぁあ!ぁおっ‼︎おっ……‼︎」
 「かわいいっ……かわいいですよロイさん……っ‼︎」
 オメガにしては大ぶりなロイの性器が、びゅくびゅくと弱勢いよく射精した。衆人環視に近い空間で、無残にも辱められた精の匂いが立ちこめる。
 射精を強制されてぐったりと力を失い、仰向けで寝台に寝そべるロイにレオナルドが覆い被さっていく。ロイも修道士らしからぬ大柄な体であるが、このレオナルドという男もまた鍛えられた逞しい足腰をしていた。背丈こそロイに届かないものの、胸板と腰回りは戦士らしい筋肉で覆われている。パンパンに張った太股を、目の前のオメガに擦りつけて欲情を促していく。マウントを取られたロイの腹筋が陵辱を期待してか弱く震えた。腹の奥が熱くて痒い。潤んだ目で見上げると、男は前をくつろげ悠々と肉竿を取り出し始めた。
 (で、でけえ……っ)
 アルファの肉棒には亀頭球という瘤がついている。穴を子種で満たすため、栓の役割を果たす瘤だ。溢れかえる精液の逆流を防ぐことが可能になり、一滴残らず注がれた子種はオメガをほぼ確実に妊娠させてしまうという。
 王都で耳にした下らない噂話だったが、まさか実際にアルファの逸物を拝むことになるとは考えてもみなかった。息を荒げてロイにのしかかるレオナルドは、女の腹を破くほど長大なそれを凶暴な視線とともに向けてくる。弱いランタンの灯りが、若い雄を逆光で昏く彩っていた。
 意思に反して疼く肉孔に、味見するかの如く熱い肉槍が触れる。くちゅり、くちゅりと溢れるあたたかな腸液の濡れた感触が性感を煽った。男の先走りすら混ざった性の匂い。頭がおかしくなりそうだ。年下の陵辱者が繰り返す吐息が、欲を孕んで鼻先にかかる。
 「ぁ、ぁあ……っ!うぅ……っ」
 生々しい欲情をぶつけられ、腹の奥から背中までの皮膚が粟立つ。据わった目で射すくめるレオナルドが、いよいよ巨大な穂先をずぶりと埋め込んだ。いくらでも抵抗できる体格差のはずなのに、ロイは逞しい体躯を震わせて小さく拒絶の声をあげるしかできない。
 「だ、だめ、だ!俺はっおれはぁ……っ‼︎ふざっけんな!い、やだ、ぁ!か、みさま……かみよ……っ!」
 「神様……?ね、ロイさん。俺をみて。もう入っちゃいますよ。もっと抵抗しないと……ほらっ‼︎」
 「ぁぁっや!ァあああああぅっ‼︎」
 えげつないカリ首を越えると、一気に肉棒がロイの秘奥までを貫いた。淫猥な水音が激しく響き渡って耳まで陵辱される。完全に挿入は果たされていないものの、根元の亀頭球を残して太い幹が肉壁を押し広げていく。
 「ぁああ~……‼︎やっとっ……やっと貴方を!二度と逃げられない体にしてやりますからねっ‼︎」
 「ぁおっぁ、……おぉっ‼︎うぞ、やぶける‼︎はらがぁ!あづいぃいっ‼︎」
 猛然と腰を振り始める男の魔羅が、内から弾力のある腹筋をぼこりと変形させる。仰向けの姿勢で好きに犯されるロイは、正常位で覆い被さる男の背にしがみついた。耳元で狂った求愛の言葉が囁かれる。もう全ての刺激がおかしくなるほど心地良くて、青年は背中に爪を立てて耐えがたい愛撫に抗った。囁きの度にじいんと腹の奥から疼きが癒えていく。全てを投げ出して快楽に溺れてしまいたい衝動にかられた。半時ほどもたっただろうか。雄膣全体をカリ首で口説くたびにじゅっぽじゅぽと甘く媚びる奉仕が返される頃になると、ロイは柔軟な筋肉を全身弛緩させてあっさり悦楽に墜ちた。何の前触れもなく、レオナルドの巨根が根元まで埋め込まれたのである。
 「ぁ……っ……、……ふぁ?ぁ、か?……ひゅっ……?」
 「ぐぅうッ~~……‼︎」
 根元の亀頭球が裂けることなく肉孔のふちを抜け、先端は結腸の更に奥、子宮口へと叩き込まれた。あまりのことに呼吸を止めて呆気にとられるロイだったが、無限にも思える数秒の空白を経て意識と体が合流を果たした。ぷつん、と忍耐の糸が切断される。
 「………っア。ア、ぁあっ!ぁあああああっ!」
 腹部はそれとわかるほど盛り上がり、物欲しげに腹筋をひくつかせている。動かないまま凶悪な息子の形を馴染ませていたレオナルドが、両手を寝台に放って恍惚に浸るロイに話しかける。
 「ロイさん……気持ちいい?」
 「ぁー……っ!ン、ぃいっ……き、もひぃ……‼︎」
 汗で乱れた茶髪を手櫛で整え、大人しく痙攣を繰り返す体を撫でる。意識が不安定な隙を見逃さず、レオナルドの腰がゆっくりと前後し始めた。
 「ふぁっ!あっあっ!ぉん、ぉぁんン!ぁめ、だ、め……くぁあっ!」
 ロイの肉壺はまさしく名器であった。ずっぽりと奥の奥まで嵌まった杭に吸い付き、動く度にひだが淫らに蠕動する。舐めしゃぶるかのような動きに射精感が高まり、快楽に打ち震える屈強な上半身を乱暴に縫い止めての責めが繰り返された。カリ首にねっとりと絡みつく子宮口の入り口は、引っかけて抜き差しを繰り返すほど柔くこなれて雄を歓待する。
 「はぁーっ……ふー……‼︎」
 「ぁっン……ぅ、ぅく、ひっ……!」
 レオナルドはおもむろに転がされていたナイフを取りだした。胸元までまくり上げられた修道服を無遠慮に裂くと、中央で分かたれた布地が勢い良く開かれる。それは凄まじく男の獣欲を煽る光景だった。仰向けで横たわる青年の鍛えられた胸筋が露わになり、蒸れた乳首など外気に触れて切なくしこる。両腕はしどけなく頭上に投げ出され、腰から下は杭を銜え込んだままゆっくりと跳ねて行為の催促を続ける始末だ。
 「だめ、ぁ……ぁえ……っ」
 「………………ッ‼︎‼︎‼︎!」
 性欲旺盛な年頃に火をつけるには十分すぎる痴態だった。健康的に日焼けしたいやらしい胸筋をまさぐって乳首に噛みつき、レオナルドは猛然と腰を突き上げ始める。ロイが成人した男とは思えぬ嬌態を晒している。全身が沸騰しそうに熱い。子宮奥が肉棒で掻き回され、あれほどつらかった疼きを気持ち良く解していく。気持ちいい。心地いい。発情期の苦しみは一体何だったのだろう。ずっとずっと何のために俺は我慢していたんだろう。なんのために、おれは、だれから、にげていたのだっけ。
 「きもちいいっ!きもちいよおッ‼︎もっどぉ!おぐぅうぅ~~~っ!」
 「ハア、ハアッ!かわいい、……好きです……っ愛しています‼」
 激しく音を漏らすほどの情交に、牢に屯している兵士達が苦笑いする。しかしその表情はいずれも欲に滾っており、自分の順番が来るその時を待ち望んでいるようであった。
 「レオの奴、たまんねえ上玉を捕まえたな」
 「あまり見るな。レオナルドを怒らせたら後が怖いぞ」
 「違いねえ……はやくオレ達も番いに行かせてもらいたいねえ。待機命令が解かれるまであとどのくらいだ?」
 「もうしばらくさ。だから待てるんだ」
 堅牢な体つきの兵士達は皆アルファ性の男である。溜まった性欲を爆発させる時を想像して互いに舌なめずりする姿は発情期の獣と相違ない。先行した五人の仲間はうまく陽動を果たしてくれたようだ。あの老獪な副隊長のことだから、一人や二人既に味見した頃合いかもしれない。
 兵士達の耳に届く濡れた喘ぎが大きくなった。
 「おいおい、あんなに声あげて大丈夫か?」
 「なあに。ここは密閉された地下牢だ。上の階の音は聞こえてくるが、啼こうが喘ごうがここからじゃ誰にも気づいてもらえないさ」
 聞き耳を立ててみれば、牢に迷い込んできた修道士が本格的に発情期に入ったらしい。鍛えた体も運命の番いの前には無力なのか、可愛らしくとり縋って甘える様子が劣情を煽る。
 「だめ、なかで、だしちゃっ……!やめんなっ!ぁあ!ぁめぇえっ!」
 「どっちなんですかっ‼︎孕め……っ孕んでくれっ‼︎」
 「ひぎィッ!……っゃぁああああああんっ‼︎」
 嫌だと言いながらも太股を抱えてのしかかる男に抱きつくのをやめられない。ロイは近くぶちまけられる種汁を退けようと霞がかった意識で抵抗するが、男の動きに合わせて腰を振ってしまっていることに気づいてはいない。
 亀頭が雄子宮の壁を思うさま捏ねあげロイの絶頂を促した。発情状態に陥ったオメガの体は、番いの愛撫に全身で服従したがっている。最後の危機感が警鐘を鳴らすなか、ついにその時が訪れた。
 さらけ出された首筋。その喉仏を抉るように噛みつくと、青年は射精もせずに辿り着いた。排卵を促されるままにメスイキしたのである。抱えられた両足は爪先まで伸びて不規則に揺れる。肉筒ははしたなく震え、精を強請るようにふくれた肉棒を搾りあげてしまった。
 「ぐ、ぁあ……っ~~~‼︎」
 「はひゃっぁ、ぁ~~~っ……‼︎ぁひ、だめ……!あつ……っ!」
 たっぷり子種の詰まった陰嚢から、止めどなく精が注ぎ込まれる。ぐぐ、と膨れ上がった亀頭球が奥から氾濫する精液を食い止めた。やがて腹が満ちるその時まで、アルファ性特有の長い種付けが続行されるのだ。
 打ち上げられた魚の様相で唇を開閉させるロイは、無意識のうちに両足でレオナルドの腰を抱き込んでいた。肉付きの良い太股が男の腰を幾度も撫でては、ゆったりと種付けを促す。顔は蕩けて理性のかけらも残っていない。番いの様子にほくそ笑んだ好青年は、未だ射精のやまない腰を緩慢に送り込みながらその唇を奪った。すぐに情熱的なディープキスが始まる。
 「んちゅ、ふ、くぅ……。はぁ……っ!ちゅる、んぐっ……う、んむ」
 「…………ふ、…はーっ……っ‼︎」
 「は、ぁっあっ!ま、たっ……‼︎」
 射精を続ける竿はゆっくりと硬度を保ち、ぐちぐち音を鳴らして抽挿を再開する。子宮口のリングが刺激され、満たされた腹に快楽が呼び起こされる。
 「ぁっ……、ぁはっ……」
 圧倒的な精力の強さで征服されたロイの顔が崩れる。
 わかるはずの無い受精の甘さが、体の芯を静かに貫いた。
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