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汚染:医務室にて
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古城の地下領域には石牢だけではなく、医務室が存在する。古くは貴族の愛妾が多く侍る隠し部屋だったそうで、上等な寝台が多く残されている場所だ。密閉性も高く、発情期に突入してしまった修道士を隔離するのには都合がいい構造になっている。
今宵もまた、不規則なヒートに苦しめられる修道士の少年が医務室へ隔離されていた。
大医務室の片隅で、少年は麻布が覆い隠す病床にぐったりと伏せる。オメガの発情期は厳しい。夜泣きする体を抱きしめて、一人自分を戒めるより方法もない。修道士として淫欲に溺れるなど許されぬことだが、ヒートの際ばかりは悶死を避けるために自慰行為が許されている。ここはそうして堪える喘ぎを漏らさないための医務室でもあった。
「全くいじらしい。こうして要らぬ我慢を強いられていたわけか」
「ぁーっ!ぁうんっ‼︎」
苦しみ喘いでいた少年を瞬く間に手籠めにしたのは、先刻入城を果たした年嵩の大男である。清潔なシーツがひかれた寝台に、同じく犯されぬいて息も絶え絶えのグレイが寝かされていた。この城で初めての陵辱被害者だ。線の細い美貌のグレイと可憐な少年修道士を横に並べ、男は交互にその尻を貫いて弄ぶ。
「ふんっ!ふんっ!フゥウッ!」
「ンっ!やぁっ……!」
「ひゃぁあんっ!」
亀頭球までは侵入させず、太ましい肉竿を激しく突き入れ続ける。高い喘ぎをあげる少年は、既にうなじを噛まれて番わされた後だ。戦働きで鍛えた足腰が手籠めにした現地妻たちを堪能するため振るわれる。
美しい紫紺色の長髪を乱れさせた青年妻と、陽に晒されず白い肌の可憐な少年妻。性豪と名高い男の息子がまた大きく膨れあがった。
少年は尻を高く上げた獣の姿勢で喘ぎ狂っていたが、絶頂を迎えると寝台に俯せて意識を失ってしまった。この年頃なら体力切れにもなろう。無理をさせるのは本望では無い。男は荒い息を整え、ベッドから逃れようと這い初めていたグレイの尻を叩いた。
「ぃひンッ!」
「お前の番だ……待たせてすまなんだ!詫びとしてたっぷりと注ぎ込んでやろう」
「っや、やめろ、うぁっ!そいつだけでいいだろ!見逃せってばぁっ!」
グレイは体液でぐっしょりと汚れた体を引きずり、狭い寝台のふちまで手をかけた。どうにかしてこの性の地獄から抜けだそうと藻掻く。隣で痙攣している仲間が、うまく囮になってくれると思ったのに。
「そのようなことを……。この者は神に仕える同士ではないのか?」
「おねが……っいい、そいつヤっちゃっていいからぁ!ぼくはやだっ!かみさま、かみさまぁ!」
「……これは仕置く必要がありそうだ。尻を出しなさい」
「やだぁああっ!やぁアアアっ!」
全裸に剝かれたグレイの肢体が、熱い剛直を受けて仰け反る。両手は必死に寝台のふちを掴んでいるが、俯せのまま膝を立てられ、尻を高く持ち上げられてしまう。ずん、ずんと長いストロークで腹を抉られ、グレイの両腕に力が籠もる。突き込まれる度に握ったシーツが波をうって皺を作った。
背徳の交わりが執拗に続く。老獪なテクニックで幾度も射精に追い込まれたグレイであったが、思考を蕩かす絶頂の渦に情緒が乱れて叫び出す。
「ぁんでっ!神罰っが!くだりゅ、からなぁあっ!しねっしね、あるふぁ……っ!はぅうん、ぃいっ、……くなっ!いくなひっ!」
ヒステリックな怒声に合わせて雄膣は淫らに締まる。必死に抗う様子に首をかしげて男は言う。グレイの腰を掴んでいた手を放し、バックの姿勢で背中に覆い被さるよう体勢を変えた。痛々しいほど力強くシーツを掴む華奢な手の甲へと、己のふたまわり大きいそれを重ねる。
男の内着とグレイの背が密着して、近づいてきた髭の感触が耳元に触れた。
「どうして耐える?この営みこそ神の御心なるぞ。我ら番い合う隣人は交わり、満ちて、生命を成すのだ」
「ふぇえ?ひっヒィ、い、いかれてる……っ!」
「案ずるな。これは神聖なる行為だ。お前と儂は神の膝下で睦み合うのだよ」
実に穏やかな口調であった。男は結腸奥を規則的に亀頭で刺激し、グレイの弱点である子宮口のふちにカリ首を食い込ませた。矢尻が引き抜かれるように、肉の槍は返しで火照った直腸を捏ね、押し潰し、精を馴染ませていく。
「あ、ああっ……!ふぁっ、あっあっ」
どんな抵抗も無力で儚い。グレイは重量感ある兵士の肉体に捕まえられ、拒み続けることは最早不可能と悟った。噛まれたうなじが切なく疼く。満ちていく。欠けたナニカが、足りなかったなにかが満たされていく。それを浸食と呼ぶ者がいるけれど、数多くの雌を射止めてきた腰振りを前にして、違和感に気づく余裕すらもかき消された。
「ぁあ、め、ひゃめっ!そこりゃめ!いぃ、きもちぃっ……きもちいぃよぅ……!」
「そうか!愛い新妻よ。儂の精を受け止めよ!」
「ぁーっ……!……~~~っ!」
もったりと粘ついた子種が青年の腹を温める。一際強く握り締めた手から、かくんと力が抜けおちた。すかさず寝台のふちからその手を絡め取り、男はグレイを寝台の中央へとひきずり戻す。薄い体を仰向けに裏返せば、法悦に蕩かされた顔が窺えた。
「……はひ、は、ふゃぁ………。ぁんっ……」
「…………」
後孔は未だ種乞いを続けていたが、突如荒々しく肉竿が引き抜かれた。すっかり男の形になった雄膣が空洞を寂しがる。
「な、なんれっ……?ぁう、ふううっ」
「……どうだ?欲しいか?乞うてみなさい」
「え……っ⁉︎ぁめっ!動かさないれぇ!」
「そら、そら……乞わねばこのままだぞ!」
意地悪く入り口に先端が口づけられ、欲を煽られてグレイが泣き喚く。オメガ性がアルファを前にして正気を失わせる。判断を欲に委ねたグレイは、男の番としてすべき姿勢をとった。
「……ぁ、ほし、……っほひぃ……!」
自ら太股を抱え、ぱっくり開いた後孔を番いに見せつけると、男は尤もらしく首肯して腰を大きくグラインドさせ始める。
「副隊長!失礼します!」
男の部下が医務室の戸を開けた。薄暗い石壁の大部屋に、十床ほどの上等な寝台が設置されている。その一つを激しく軋ませて、オメガ二人をあやすシルエットが麻の衝立に浮かび上がった。部下が進み出ると、衝立の向こうで可愛らしく精をねだる修道士の姿が認められる。汗だくになって二人を犯していたむくつけき副隊長は腰を送り込みながら部下に笑顔を向けた。
「なんと早い。まだ新妻たちが満足しておらんというに」
「申し訳ありません。風呂の準備が出来たと案内が来まして……他の隊員は風呂場へ。宿舎へ向かおうとしていた数名を捕らえて調練しております」
「堅苦しい言い方をする……。その者は案内人か?」
「はい、暴れようとしましたので気を失わせて連行してきました」
薄く霧がかった意識の中で、ぼんやりとではあるがジャックは目を覚ましつつあった。確か風呂場への案内を務めようと、応接間の戸を開けた瞬間、戸の内側から何者かに後頭部を殴られたのだ。頭がはっきりしないまま、ジャックの小柄な体躯は空いた寝台へと横たえられる。
「それでは……その者が持っていた……」
「ああ、その棚だ。先ほど吐かせた。渋っておったが、ここの場所を問い詰めた時と同じよ。胎が懐いてからはあっさりとな」
男は何事か指示を出し、棚から目当てのものを掠め取らせると、部下を医務室から出ていかせた。濃厚な精の香りに反応して、ジャックの体が震える。
(……ぁ、ぁあ……!)
男の寝台とジャックの横たわる寝台の間には、木枠に薄い麻布を張った衝立が立っている。ふたつの世界を隔てるそれには、ろうそくの灯りを背負って兵士の影が映し出されていた。
暗闇に慣れたジャックの瞳が、揺れる影を見つめる。
「ぁんっ!そこしゅき、すごいっ!しゅごひっ!」
「ひぁ、ゆびいぃ……っ!きゃんっ、ぁ、ぁっ!」
「ふっ……!ふぅっ……!」
四つん這いの影と俯せに震える影が重なって揺れる。御伽噺に出てくるキメラのような影が揺れていた。四つん這いのほうに覆い被さる男は、器用にも空いた片手で後孔を責めているらしい。
邪淫に耽る水音がジャックを冷たく犯していく。
「どうだ、ここを押すと腹がとろけるようだろう?たんと鍛えてやろうな」
「んン、んぉっ……もっと、もっとぉ!僕だけいっぱい注いで……!」
喘ぎ声の主が長髪を振り乱すと、仰け反った影が淫靡にかしぐ。衝立越しに行われているのは正しく交尾そのものであり、間違いなくアルファとオメガの種付け行為だ。
(なんて破戒行為!やはりあの集団にアルファが……⁉︎では隣で犯されているのは……)
兵士達を応接間へと案内したいけすかない幼なじみの姿が思い起こされる。記憶の中のグレイはいつも愚痴ばかり呟く陰気者で、激しく嬌声を発する淫乱さとどうしても印象が結びつかない。聖なる修道院で育てられたジャックは、気絶したふりに努めた。頬が紅潮し、体が火照っていく。激しい情交で撒き散らされるフェロモンにあてられているのだ。
(まずい、このままでは……!)
幸い男は隣の寝台でグレイを犯すのに夢中になっている。まだ体が動くうちに、ここから抜け出さなければならない。
仲間を置き去りにするのは不本意であったが、ジャックは激しく軋む寝台の悲鳴に紛れて医務室の床に降り、這いつくばって外へと脱出を果たした。
「…………」
「ね、ねぇ……っやめんなよ馬チンあるふぁ、ぜんぜんたりない……!もっと……」
「はぁ、はぁ……次、は……ぼくにも……っ」
「おうおう、順番にな。まったく、息子が乾く暇もないわ」
部屋から獲物が逃げたことに感づいた副隊長はしばし腰を止めたが、すぐ両腕の檻に閉じ込めた修道士たちへ視線を戻した。これほど濃い性臭を嗅いで正気を保っていられるオメガがいるだろうか。不思議に思ったものの、考え直して交尾に身を入れ直す。
「お前たちの仲間は、みな等しく番いを用意してあるからな。神の御心に感謝して、……儂のこれに懐くがいい」
今宵もまた、不規則なヒートに苦しめられる修道士の少年が医務室へ隔離されていた。
大医務室の片隅で、少年は麻布が覆い隠す病床にぐったりと伏せる。オメガの発情期は厳しい。夜泣きする体を抱きしめて、一人自分を戒めるより方法もない。修道士として淫欲に溺れるなど許されぬことだが、ヒートの際ばかりは悶死を避けるために自慰行為が許されている。ここはそうして堪える喘ぎを漏らさないための医務室でもあった。
「全くいじらしい。こうして要らぬ我慢を強いられていたわけか」
「ぁーっ!ぁうんっ‼︎」
苦しみ喘いでいた少年を瞬く間に手籠めにしたのは、先刻入城を果たした年嵩の大男である。清潔なシーツがひかれた寝台に、同じく犯されぬいて息も絶え絶えのグレイが寝かされていた。この城で初めての陵辱被害者だ。線の細い美貌のグレイと可憐な少年修道士を横に並べ、男は交互にその尻を貫いて弄ぶ。
「ふんっ!ふんっ!フゥウッ!」
「ンっ!やぁっ……!」
「ひゃぁあんっ!」
亀頭球までは侵入させず、太ましい肉竿を激しく突き入れ続ける。高い喘ぎをあげる少年は、既にうなじを噛まれて番わされた後だ。戦働きで鍛えた足腰が手籠めにした現地妻たちを堪能するため振るわれる。
美しい紫紺色の長髪を乱れさせた青年妻と、陽に晒されず白い肌の可憐な少年妻。性豪と名高い男の息子がまた大きく膨れあがった。
少年は尻を高く上げた獣の姿勢で喘ぎ狂っていたが、絶頂を迎えると寝台に俯せて意識を失ってしまった。この年頃なら体力切れにもなろう。無理をさせるのは本望では無い。男は荒い息を整え、ベッドから逃れようと這い初めていたグレイの尻を叩いた。
「ぃひンッ!」
「お前の番だ……待たせてすまなんだ!詫びとしてたっぷりと注ぎ込んでやろう」
「っや、やめろ、うぁっ!そいつだけでいいだろ!見逃せってばぁっ!」
グレイは体液でぐっしょりと汚れた体を引きずり、狭い寝台のふちまで手をかけた。どうにかしてこの性の地獄から抜けだそうと藻掻く。隣で痙攣している仲間が、うまく囮になってくれると思ったのに。
「そのようなことを……。この者は神に仕える同士ではないのか?」
「おねが……っいい、そいつヤっちゃっていいからぁ!ぼくはやだっ!かみさま、かみさまぁ!」
「……これは仕置く必要がありそうだ。尻を出しなさい」
「やだぁああっ!やぁアアアっ!」
全裸に剝かれたグレイの肢体が、熱い剛直を受けて仰け反る。両手は必死に寝台のふちを掴んでいるが、俯せのまま膝を立てられ、尻を高く持ち上げられてしまう。ずん、ずんと長いストロークで腹を抉られ、グレイの両腕に力が籠もる。突き込まれる度に握ったシーツが波をうって皺を作った。
背徳の交わりが執拗に続く。老獪なテクニックで幾度も射精に追い込まれたグレイであったが、思考を蕩かす絶頂の渦に情緒が乱れて叫び出す。
「ぁんでっ!神罰っが!くだりゅ、からなぁあっ!しねっしね、あるふぁ……っ!はぅうん、ぃいっ、……くなっ!いくなひっ!」
ヒステリックな怒声に合わせて雄膣は淫らに締まる。必死に抗う様子に首をかしげて男は言う。グレイの腰を掴んでいた手を放し、バックの姿勢で背中に覆い被さるよう体勢を変えた。痛々しいほど力強くシーツを掴む華奢な手の甲へと、己のふたまわり大きいそれを重ねる。
男の内着とグレイの背が密着して、近づいてきた髭の感触が耳元に触れた。
「どうして耐える?この営みこそ神の御心なるぞ。我ら番い合う隣人は交わり、満ちて、生命を成すのだ」
「ふぇえ?ひっヒィ、い、いかれてる……っ!」
「案ずるな。これは神聖なる行為だ。お前と儂は神の膝下で睦み合うのだよ」
実に穏やかな口調であった。男は結腸奥を規則的に亀頭で刺激し、グレイの弱点である子宮口のふちにカリ首を食い込ませた。矢尻が引き抜かれるように、肉の槍は返しで火照った直腸を捏ね、押し潰し、精を馴染ませていく。
「あ、ああっ……!ふぁっ、あっあっ」
どんな抵抗も無力で儚い。グレイは重量感ある兵士の肉体に捕まえられ、拒み続けることは最早不可能と悟った。噛まれたうなじが切なく疼く。満ちていく。欠けたナニカが、足りなかったなにかが満たされていく。それを浸食と呼ぶ者がいるけれど、数多くの雌を射止めてきた腰振りを前にして、違和感に気づく余裕すらもかき消された。
「ぁあ、め、ひゃめっ!そこりゃめ!いぃ、きもちぃっ……きもちいぃよぅ……!」
「そうか!愛い新妻よ。儂の精を受け止めよ!」
「ぁーっ……!……~~~っ!」
もったりと粘ついた子種が青年の腹を温める。一際強く握り締めた手から、かくんと力が抜けおちた。すかさず寝台のふちからその手を絡め取り、男はグレイを寝台の中央へとひきずり戻す。薄い体を仰向けに裏返せば、法悦に蕩かされた顔が窺えた。
「……はひ、は、ふゃぁ………。ぁんっ……」
「…………」
後孔は未だ種乞いを続けていたが、突如荒々しく肉竿が引き抜かれた。すっかり男の形になった雄膣が空洞を寂しがる。
「な、なんれっ……?ぁう、ふううっ」
「……どうだ?欲しいか?乞うてみなさい」
「え……っ⁉︎ぁめっ!動かさないれぇ!」
「そら、そら……乞わねばこのままだぞ!」
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「……ぁ、ほし、……っほひぃ……!」
自ら太股を抱え、ぱっくり開いた後孔を番いに見せつけると、男は尤もらしく首肯して腰を大きくグラインドさせ始める。
「副隊長!失礼します!」
男の部下が医務室の戸を開けた。薄暗い石壁の大部屋に、十床ほどの上等な寝台が設置されている。その一つを激しく軋ませて、オメガ二人をあやすシルエットが麻の衝立に浮かび上がった。部下が進み出ると、衝立の向こうで可愛らしく精をねだる修道士の姿が認められる。汗だくになって二人を犯していたむくつけき副隊長は腰を送り込みながら部下に笑顔を向けた。
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「申し訳ありません。風呂の準備が出来たと案内が来まして……他の隊員は風呂場へ。宿舎へ向かおうとしていた数名を捕らえて調練しております」
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「はい、暴れようとしましたので気を失わせて連行してきました」
薄く霧がかった意識の中で、ぼんやりとではあるがジャックは目を覚ましつつあった。確か風呂場への案内を務めようと、応接間の戸を開けた瞬間、戸の内側から何者かに後頭部を殴られたのだ。頭がはっきりしないまま、ジャックの小柄な体躯は空いた寝台へと横たえられる。
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男は何事か指示を出し、棚から目当てのものを掠め取らせると、部下を医務室から出ていかせた。濃厚な精の香りに反応して、ジャックの体が震える。
(……ぁ、ぁあ……!)
男の寝台とジャックの横たわる寝台の間には、木枠に薄い麻布を張った衝立が立っている。ふたつの世界を隔てるそれには、ろうそくの灯りを背負って兵士の影が映し出されていた。
暗闇に慣れたジャックの瞳が、揺れる影を見つめる。
「ぁんっ!そこしゅき、すごいっ!しゅごひっ!」
「ひぁ、ゆびいぃ……っ!きゃんっ、ぁ、ぁっ!」
「ふっ……!ふぅっ……!」
四つん這いの影と俯せに震える影が重なって揺れる。御伽噺に出てくるキメラのような影が揺れていた。四つん這いのほうに覆い被さる男は、器用にも空いた片手で後孔を責めているらしい。
邪淫に耽る水音がジャックを冷たく犯していく。
「どうだ、ここを押すと腹がとろけるようだろう?たんと鍛えてやろうな」
「んン、んぉっ……もっと、もっとぉ!僕だけいっぱい注いで……!」
喘ぎ声の主が長髪を振り乱すと、仰け反った影が淫靡にかしぐ。衝立越しに行われているのは正しく交尾そのものであり、間違いなくアルファとオメガの種付け行為だ。
(なんて破戒行為!やはりあの集団にアルファが……⁉︎では隣で犯されているのは……)
兵士達を応接間へと案内したいけすかない幼なじみの姿が思い起こされる。記憶の中のグレイはいつも愚痴ばかり呟く陰気者で、激しく嬌声を発する淫乱さとどうしても印象が結びつかない。聖なる修道院で育てられたジャックは、気絶したふりに努めた。頬が紅潮し、体が火照っていく。激しい情交で撒き散らされるフェロモンにあてられているのだ。
(まずい、このままでは……!)
幸い男は隣の寝台でグレイを犯すのに夢中になっている。まだ体が動くうちに、ここから抜け出さなければならない。
仲間を置き去りにするのは不本意であったが、ジャックは激しく軋む寝台の悲鳴に紛れて医務室の床に降り、這いつくばって外へと脱出を果たした。
「…………」
「ね、ねぇ……っやめんなよ馬チンあるふぁ、ぜんぜんたりない……!もっと……」
「はぁ、はぁ……次、は……ぼくにも……っ」
「おうおう、順番にな。まったく、息子が乾く暇もないわ」
部屋から獲物が逃げたことに感づいた副隊長はしばし腰を止めたが、すぐ両腕の檻に閉じ込めた修道士たちへ視線を戻した。これほど濃い性臭を嗅いで正気を保っていられるオメガがいるだろうか。不思議に思ったものの、考え直して交尾に身を入れ直す。
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