Flying boy

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1章 奇跡

2話 Ragtexのナカ

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わあぁ!ここがRagtexの最新工場かあ。日本一の技術を誇る、Ragtexには、こんな工場たくさんあるのかもしれない。でも僕には新鮮だった。

「ええ、それでは、特別客石川春樹様をご案内いたします。石川春樹様、準備はよろしいですか?」

うわあ。おじさんお仕事モードだあ。

「はい、よろしいです」

緊張して変な言葉になってしまった。でもまあ一応大丈夫かな?

「それでは案内役の、石川恭平です。よろしく。では、始めて行きます」

うぉぉぉ!ついに、あのRagtexの最新工場の内部が見られるぅぅ!もう嬉しすぎて舞い上がりそう!
少し歩いて着いたのが何やら不気味な場所。

「まず、こちらがRagtexです。ここで、ロボットが爆発や、分解等の試験を繰り返し、危険を及ぼす可能性があるかを実験します」

ええ、そんなもん作ってんの?Ragtexこええ。あ、でも建築もやってるし、爆弾ダイナマイトも作ってるかもなあ。

「では、次に進みますね」

どんどん楽しくなってくるぅ!

────────────────────────

はぁはぁはぁはぁ、どんだけ広いんだよRagtex(知ってたけど……)。これ全部回んの何時間かかんの?

「春樹、が一番お前に見せたかったところだ」

あれ?仕事モード終わった?

「え、」

声にもならなかった。「空を飛びたい」という願いがついに現実味を帯びてきたのだ、と自分に言い聞かせ興奮を抑える。

「ようこそ、春樹くん。君を『飛行士』としてRagtexは迎え入れます。このチャンス、捨てるも、使うも自分次第だ」

こんなチャンス滅多にない。やるしかない。考える前に言葉は出てきた。即答だ。

「やります!やらせてください!」

「そうか。君ならそう答えると思っていたよ」

「詳しいことはまた後日連絡させてくれ」

こんなことがあったのか。もっと早く、おじさんに相談していればよかった。
おじさん、ありがとう!

それから僕は連絡を待った。来る日も来る日も連絡を待った──。


僕にその連絡が来ることはなかった。


かのように思われたが、忘れかけた3年後(春樹22歳)に来たのだ。

「──春樹くん。待たせてすまなかった。今、君の家のベランダから見えるところまで来ている」

「良いんです。来るってわかってましたから」

「──ふふっ。キミらしい」

スマホ片手にコートをハンガーからとり、袖に腕を通す。
玄関の鍵を開け、勢いよく家から飛び出す。
いつもとおんなじ動作なのに、なんだか今日は気分が違う。
少し晴れ晴れした気分で家を出た。
先程まで曇っていた空は、晴れてきたように見える。
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