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大丈夫
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市原は用事ができたと言って去っていた。
ハナは若い衆と一緒に掃除を終えて、大家に部屋の鍵を返した。
「皆さん今日は本当にありがとうございました」
ハナが若い衆にお礼を言うと、皆散り散りに帰っていった。
全てが終わり、ハナはホッとしていた。
とりあえず隼か帰ってくる場所はもう無くなった。あえて会わない限りはもう会うこともない、はずだ。
それにしても、とハナは、さっき市原が差し出したタバコの事を考えた。
さっきは動揺が酷すぎてしどろもどろになってしまったが、市原は不審に思わなかっただろうか。
まさかタバコが落ちていたなんて。こんなに新しい吸い殻、つい最近ではないか。
「本当、やめてほしい……。逃げてる自覚あるの?」
ハナはボソリと呟いた。
「ハナちゃんっ」
突然声をかけられて、考えながら歩いていたハナはビクッとした。
「あ、弦人さん」
「どうしたのそんなにビックリして。俺じゃないんだから」
弦人は笑いながらハナに駆け寄った。
「もう終わったの?」
「おかげさまで。とっても早く終わりました。皆さんによろしくお伝えください。
あ、そういえば、私の荷物、弦人さんのお家に行くって聞いてなかったんですけど」
ハナは少し苦情を申し立てた。弦人は悪びれもなくきょとんとして言った。
「だめ?」
「だめとかじゃないんだけど……」
「本当はすぐにでもうちでハナちゃんを囲い込みたいんだけどさ。うちに来たら多分組長煩いしねぇ」
弦人は小さなため息をついてから、ニッコリとハナに笑顔を向けた。
「とりあえず荷物だけでもね。ふふふ、ハナちゃんの持ってたクッション抱いて今日は寝ちゃおうかなー」
「弦人さん、それはちょっと、気持ち悪いかな……」
ハナは正直に言った。
「それにしても、もう大丈夫?」
「何がですか?」
ドキリとしてハナは問い返す。
「何って、風邪だよ」
「ああ、風邪、風邪大丈夫です」
ハナは何度も頷いた。
「もう色々大丈夫です。全部全部済みました」
ハナはそう言った。自分にも言い聞かせるようにはっきりと言った。
「もう大丈夫なんです」
そう言ってハナは弦人の手を握った。
弦人は嬉しそうに笑って、
「なにか食べに行こうか」
とハナの手を引いた。
ハナは若い衆と一緒に掃除を終えて、大家に部屋の鍵を返した。
「皆さん今日は本当にありがとうございました」
ハナが若い衆にお礼を言うと、皆散り散りに帰っていった。
全てが終わり、ハナはホッとしていた。
とりあえず隼か帰ってくる場所はもう無くなった。あえて会わない限りはもう会うこともない、はずだ。
それにしても、とハナは、さっき市原が差し出したタバコの事を考えた。
さっきは動揺が酷すぎてしどろもどろになってしまったが、市原は不審に思わなかっただろうか。
まさかタバコが落ちていたなんて。こんなに新しい吸い殻、つい最近ではないか。
「本当、やめてほしい……。逃げてる自覚あるの?」
ハナはボソリと呟いた。
「ハナちゃんっ」
突然声をかけられて、考えながら歩いていたハナはビクッとした。
「あ、弦人さん」
「どうしたのそんなにビックリして。俺じゃないんだから」
弦人は笑いながらハナに駆け寄った。
「もう終わったの?」
「おかげさまで。とっても早く終わりました。皆さんによろしくお伝えください。
あ、そういえば、私の荷物、弦人さんのお家に行くって聞いてなかったんですけど」
ハナは少し苦情を申し立てた。弦人は悪びれもなくきょとんとして言った。
「だめ?」
「だめとかじゃないんだけど……」
「本当はすぐにでもうちでハナちゃんを囲い込みたいんだけどさ。うちに来たら多分組長煩いしねぇ」
弦人は小さなため息をついてから、ニッコリとハナに笑顔を向けた。
「とりあえず荷物だけでもね。ふふふ、ハナちゃんの持ってたクッション抱いて今日は寝ちゃおうかなー」
「弦人さん、それはちょっと、気持ち悪いかな……」
ハナは正直に言った。
「それにしても、もう大丈夫?」
「何がですか?」
ドキリとしてハナは問い返す。
「何って、風邪だよ」
「ああ、風邪、風邪大丈夫です」
ハナは何度も頷いた。
「もう色々大丈夫です。全部全部済みました」
ハナはそう言った。自分にも言い聞かせるようにはっきりと言った。
「もう大丈夫なんです」
そう言ってハナは弦人の手を握った。
弦人は嬉しそうに笑って、
「なにか食べに行こうか」
とハナの手を引いた。
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